Vol.35 介護保険制度の利用のポイント(3)―介護保険サービス利用にあたっての重要な心構え
石山麗子(ケアマネジャー)
前回までは、介護保険サービスを受けるまでの手続きを説明しました。あわせて、介護保険者証を使って、「施設に入所することもできるし、自宅で生活することもできる」とお伝えしました。大切なのは、どこで(場所)どのように生活したいのかが、介護保険を利用する大前提になります。
突然の病気に冷静に対処するのは難しい
たとえば、こんなケースを想像してみてください。
ある日、あなたは突然、倒れ、救急車で病院へ運ばれました。あなたは意識を失っていて、家族や医師と会話をすることができません。このような場合、あなたの治療方法=命に関わる選択は、ご家族がその場でしなければなりません。
多くのチューブにつながれたまま、点滴や薬物だけに頼って、意識のないままに生き続けなければならないのがほぼ確実といわれた場合、生き続けたいと思いますか。それとも、自然な形での死を受け入れることを選びますか。
また、幸いにもそこまでの事態には至らない場合には、どういった環境で、だれの手を借りて療養を続けていきたいですか。
突然の一大事で激しく動揺している状態で、冷静な判断を下すことはだれにとっても苦しく辛いものでもあり、容易なことではありません。あなたの大切で身近な人は「本当にこれでよかったのだ。後悔はない」と思える選択ができるでしょうか。また、あなたが望む選択を間違いなく実行してくれるでしょうか?
ゆるやかに心身機能が低下し、少しずつ介護が必要になる方の場合には、ご本人の意思を確認しながら、段階的に介護の計画を立てるお手伝いができます。しかし、現実には、先ほどの例のように、脳梗塞や心筋梗塞などで、突然、病院へ運ばれ、治療した後に介護保険を利用される人が少なくありません。
さらに、医療制度の改正に伴って、急性期病棟は在院日数の短縮化を推し進めていることもあり、救急車で運ばれてから10〜20日程度の間に退院となるケースが増えているのが現状です
そのような場合にそなえるために、どのようにしたらよいのでしょう。
ある日、あなたは突然、倒れ、救急車で病院へ運ばれました。あなたは意識を失っていて、家族や医師と会話をすることができません。このような場合、あなたの治療方法=命に関わる選択は、ご家族がその場でしなければなりません。
多くのチューブにつながれたまま、点滴や薬物だけに頼って、意識のないままに生き続けなければならないのがほぼ確実といわれた場合、生き続けたいと思いますか。それとも、自然な形での死を受け入れることを選びますか。
また、幸いにもそこまでの事態には至らない場合には、どういった環境で、だれの手を借りて療養を続けていきたいですか。
突然の一大事で激しく動揺している状態で、冷静な判断を下すことはだれにとっても苦しく辛いものでもあり、容易なことではありません。あなたの大切で身近な人は「本当にこれでよかったのだ。後悔はない」と思える選択ができるでしょうか。また、あなたが望む選択を間違いなく実行してくれるでしょうか?
ゆるやかに心身機能が低下し、少しずつ介護が必要になる方の場合には、ご本人の意思を確認しながら、段階的に介護の計画を立てるお手伝いができます。しかし、現実には、先ほどの例のように、脳梗塞や心筋梗塞などで、突然、病院へ運ばれ、治療した後に介護保険を利用される人が少なくありません。
さらに、医療制度の改正に伴って、急性期病棟は在院日数の短縮化を推し進めていることもあり、救急車で運ばれてから10〜20日程度の間に退院となるケースが増えているのが現状です
そのような場合にそなえるために、どのようにしたらよいのでしょう。
(2008年8月1日)