Vol.27 相続税の対策はこうする〈上〉
元橋好雄(税理士・ITコーディネータ)
相続税はなぜ課税されるのか
相続に関わる法律については前回に紹介されましたので、今回は相続税の対策について2回に分けてお話しましょう。
相続とは、人の死亡により開始し、その人に帰属していた財産に係る一切の権利と義務を相続人に承継させることで、次のようなものが該当します。
なお、相続により一切の権利義務を承継する相続人や相続分は、残された遺族の方々の状況によって変わりますが、くわしくは前回の説明を参考にして下さい。
それにしても、相続税はなぜ、課税されるのでしょうか。相続税とは、人の死亡に伴い、その者の所得の精算、遺族への富の再分配等の考えから、死亡時にその者の財産について相続人に納税義務を課しているのです。もっとも、実際に相続が起きた事例で相続税をほとんどの相続人は納税していません。ちなみに被相続人1人当たりの申告税額は2,701万円です。
相続とは、人の死亡により開始し、その人に帰属していた財産に係る一切の権利と義務を相続人に承継させることで、次のようなものが該当します。
(1)財産(相続財産とみなすものを含む)
現金、預貯金、貴金属、土地(借地権等を含む)、建物、株式等の有価証券、自動車、書画骨董等の美術品、ゴルフ会員権、リゾートクラブ会員権、趣味の道具・器具、家庭用家具・備品、貸付金、生命保険金、退職手当金、生命保険に関する権利など
(2)非課税財産(相続税の課税対象でない財産)
墓地、霊廟、仏壇、仏具、仏像、神棚(美術品、骨董品は除く)、申告期限までに国などに寄付した財産、その他
(3)債務
金融機関等や友人・知人等からの借入金や未払金
(4)その他
個人で事業をしている者は、事業に係る預貯金、売掛金、貸付金、自動車、什器備品等の財産と買掛金、未払金、預り金、借入金等の債務
現金、預貯金、貴金属、土地(借地権等を含む)、建物、株式等の有価証券、自動車、書画骨董等の美術品、ゴルフ会員権、リゾートクラブ会員権、趣味の道具・器具、家庭用家具・備品、貸付金、生命保険金、退職手当金、生命保険に関する権利など
(2)非課税財産(相続税の課税対象でない財産)
墓地、霊廟、仏壇、仏具、仏像、神棚(美術品、骨董品は除く)、申告期限までに国などに寄付した財産、その他
(3)債務
金融機関等や友人・知人等からの借入金や未払金
(4)その他
個人で事業をしている者は、事業に係る預貯金、売掛金、貸付金、自動車、什器備品等の財産と買掛金、未払金、預り金、借入金等の債務
なお、相続により一切の権利義務を承継する相続人や相続分は、残された遺族の方々の状況によって変わりますが、くわしくは前回の説明を参考にして下さい。
それにしても、相続税はなぜ、課税されるのでしょうか。相続税とは、人の死亡に伴い、その者の所得の精算、遺族への富の再分配等の考えから、死亡時にその者の財産について相続人に納税義務を課しているのです。もっとも、実際に相続が起きた事例で相続税をほとんどの相続人は納税していません。ちなみに被相続人1人当たりの申告税額は2,701万円です。
相続財産額の種類別の内訳は次のとおりです。
(国税庁ホームページ:http://www.nta.go.jp/tokyo/kohyo/tokei/past/h15/01.htmより抜粋)
種類 | 土地 | 家屋 | 有価 証券 | 現預金 | その他 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
財産額(億円) | 54,474 | 5,749 | 17,962 | 23,475 | 12,268 | 113,928 |
構成比(%) | 47.8 | 5.0 | 15.8 | 20.6 | 10.8 | 100 |
(国税庁ホームページ:http://www.nta.go.jp/tokyo/kohyo/tokei/past/h15/01.htmより抜粋)
相続税の計算の仕方
相続税の具体的な計算方法は、原則として相続が開始した時点の状況に応じ、全ての財産および債務の評価計算をすることになります。
全ての財産の合計額(非課税財産は除く)
+
相続開始時点の財産ではないが、死亡をその原因として取得することとなる財産(生命保険金、死亡退職金等)
+
死亡直前3年間に被相続人が相続人に贈与した財産の合計額
+
相続時精算課税適用財産の合計額
−(マイナス)
債務の金額
−(マイナス)
葬式費用
(通夜、告別式の費用。墓地、墓石等の購入費用は対象外)
(通夜、告別式の費用。墓地、墓石等の購入費用は対象外)
−(マイナス)
相続税の基礎控除額 5000万円+法定相続人数×1,000万円
||
課税遺産総額
↓
課税遺産総額に法定相続分を乗じ、各相続人の法定相続分に応じる遺産の取得金額を計算し、所定の税率を乗ずる。
(例)配偶者と子2人の場合
配偶者:課税価格×1/2×税率=算出税額
子:課税価格×1/4×税率=算出税額
子:課税価格×1/4×税率=算出税額
(例)配偶者と子2人の場合
配偶者:課税価格×1/2×税率=算出税額
子:課税価格×1/4×税率=算出税額
子:課税価格×1/4×税率=算出税額
表 相続税の速算表
各相続人の取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | − |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
3億円以下 | 45% | 1,700万円 |
3億万円超 | 50% | 4,700万円 |
↓
前段階で計算された算出税額の合計が相続税の総額
↓
配偶者:
相続税の総額×実際に取得した財産価格/課税価格=税額
子:相続税の総額×実際に取得した財産価格/課税価格=税額
子:相続税の総額×実際に取得した財産価格/課税価格=税額
相続税の総額×実際に取得した財産価格/課税価格=税額
子:相続税の総額×実際に取得した財産価格/課税価格=税額
子:相続税の総額×実際に取得した財産価格/課税価格=税額
↓
このようにして算出された各人の税額から、次に記載する項目に該当する金額を控除し、各人が納付すべき相続税額を確定します。
(1)暦年課税分贈与税額控除
(2)配偶者に対する相続税額の軽減(配偶者は、取得する遺産総額が法定相続分相当額(設例では1/2)以内、または法定相続分相当額を超えても金額ベースで1億6,000万円以内なら相続税の課税はないことになります)
(3)未成年者控除
(4)障害者控除
(5)相次相続控除
(6)相続時精算課税分贈与税額控除
次回では、具体的な例をあげて、計算してみたいと思います。
(2)配偶者に対する相続税額の軽減(配偶者は、取得する遺産総額が法定相続分相当額(設例では1/2)以内、または法定相続分相当額を超えても金額ベースで1億6,000万円以内なら相続税の課税はないことになります)
(3)未成年者控除
(4)障害者控除
(5)相次相続控除
(6)相続時精算課税分贈与税額控除
次回では、具体的な例をあげて、計算してみたいと思います。
(2008年5月12日)