Vol.15 ボランティア活動で社会参加
川村匡由(社会福祉学者)
ボランティアの理念
団塊の世代が今年から毎年のように定年退職を迎えるため、その退職金や年金の活用、余暇の過ごし方、やがて、深刻になるであろう老親や自分の老後、さらには介護にどのように立ち向かうかなどが大きな社会問題となっています。
これらがいわゆる「2007年問題」ですが、その一つの余暇の過ごし方として、地域社会にどのようになじみ、生きがいを見出していくのかということで、ボランティア活動に対する関心が高まっています。
そこで、このボランティア活動を始める前に、その理念について整理すると、自発性、主体性、利他性、公共性、開拓性、発展性、福祉性、補完性、創造性、文化性などが一般に指摘されています。いずれも、今さらとくに説明するまでもない言葉ばかりですが、注意しなくてはならないのは補完性でしょう。
これは、行政サービスの行き届かない、あるいは行政サービスではなじみにくいところを住民・市民のボランティア活動で補完するということで、本来、行政サービスで行われるべきところまで住民・市民のボランティア活動で補完する、という意味ではありません。なぜなら、住民・市民が地域社会でボランティア活動に取り組むことは大変結構なことですが、だからといって、必要以上にボランティア活動に期待しすぎては、行政サービスの充実にブレーキをかけ、行政が本来実施すべき施策を減らし、その分を住民・市民のボランティア活動に委ねるようになってしまうのではないか、という懸念も出てくるからです。
ボランティアあれこれ
次に、このようなボランティア活動を整理すると、まず領域別では、保健・医療・福祉などの面の対人援助と、まちづくりや環境保全、国際協力などのソーシャルアクションに大別されます。
また、対象別では、施設サービス、在宅サービス、団体・活動支援、さらに対象者別では、高齢者、障害者、児童、健常者、外国人およびこれらの小グループ、団体に分けることができます。
一方、内容別では、労力の提供や経済的支援、物資・技術の提供、心理的な危機介入、相談などがあります。
なお、その場合、利用者からの謝金や交通費、食費の負担などをめぐり、無償であるべきか、それとも有償でも構わないかという論議もありますが、欧米と違った国民性のわが国の場合、ボランティアの活動者と利用者との間で合意があれば、有償ボランティアという考え方について、あえて取り立てて問題にすることもないように思われます。
いずれにしても、それぞれの活動によって関連する制度や政策、事業・活動、あるいは当事者や家族、ボランティアコーディネーターなどのような専門職の役割が重要になってきます。
また、対象別では、施設サービス、在宅サービス、団体・活動支援、さらに対象者別では、高齢者、障害者、児童、健常者、外国人およびこれらの小グループ、団体に分けることができます。
一方、内容別では、労力の提供や経済的支援、物資・技術の提供、心理的な危機介入、相談などがあります。
なお、その場合、利用者からの謝金や交通費、食費の負担などをめぐり、無償であるべきか、それとも有償でも構わないかという論議もありますが、欧米と違った国民性のわが国の場合、ボランティアの活動者と利用者との間で合意があれば、有償ボランティアという考え方について、あえて取り立てて問題にすることもないように思われます。
いずれにしても、それぞれの活動によって関連する制度や政策、事業・活動、あるいは当事者や家族、ボランティアコーディネーターなどのような専門職の役割が重要になってきます。
ボランティアでの心得
最後に、ボランティアをするにあたっての心得ですが、まずはボランティア活動を利用者に押しつけない、ということでしょう。
また、自分の都合でボランティア活動をしたり、しなかったりせず、あくまでも利用者の身になって行動する、ということでしょう。そのうえで、ボランティア活動を行うことにより、その利用者から学ぶなど、謙虚な姿勢を大切にする、ということでしょう。
先人たちが「情(なさけ)は他人(ひと)のためならず」とはよくいったもので、ボランティア活動をすることによって、その利用者からお金に代えられない人生の大切さを学び、自己形成する機会を与えられることのすばらしさを実感したいものです。
なお、このようなボランティア活動を地域社会で取り組みたい場合、お住まいの市町村社会福祉協議会を訪ねることをおすすめします。そこにはボランティアセンター、あるいはボランティア・市民活動センターが設けられており、地域でさまざまなボランティア活動を展開していたり、ボランティアを待っている利用者が登録されていたり、情報交換を行っています。
また、自分の都合でボランティア活動をしたり、しなかったりせず、あくまでも利用者の身になって行動する、ということでしょう。そのうえで、ボランティア活動を行うことにより、その利用者から学ぶなど、謙虚な姿勢を大切にする、ということでしょう。
先人たちが「情(なさけ)は他人(ひと)のためならず」とはよくいったもので、ボランティア活動をすることによって、その利用者からお金に代えられない人生の大切さを学び、自己形成する機会を与えられることのすばらしさを実感したいものです。
なお、このようなボランティア活動を地域社会で取り組みたい場合、お住まいの市町村社会福祉協議会を訪ねることをおすすめします。そこにはボランティアセンター、あるいはボランティア・市民活動センターが設けられており、地域でさまざまなボランティア活動を展開していたり、ボランティアを待っている利用者が登録されていたり、情報交換を行っています。
(2007年11月12日)