Vol.12 旅の楽しみ方―国内編
秋本敬子(生活経済評論家)
「旅行」ではなく、「旅」として
「週休2日制」の普及や定年退職後の「長い老後」を迎え、楽しみなのが余暇の過ごし方で、みなさんのなかにもさまざまなプランがあるかと思います。また、すでにそれを実行して「第二の人生」、さらには「第三の人生」をエンジョイしている人も多いことでしょう。
その楽しみの一つに旅があります。
そこで、今回はこの旅、それも国内の場合について考えてみたいと思いますが、それにしても、なぜ、「旅行」でなくて「旅」なのでしょうか。
思うに、「旅行」は旅行社など第三者が企画したものに自分のニーズを合わせ、あらかじめ決められた行程を他人と一緒に楽しむ、いわば既製品というイメージがあります。それに対し、「旅」は自分の思いを自由に行程に盛り込み、他人をまったく意識せずに楽しむオーダーメイド、また、仮に旅行社など第三者が企画した既製品に自分を合わせるとはいえ、少しでも自分の希望する行程が可能な限り盛り込まれたフリープランというイメージがあるのではないでしょうか。
確かに、「旅行」というと、学生時代の修学旅行や会社の慰安旅行などのような堅苦しい団体旅行になりがちです。しかし、「旅」というと、自分一人や夫婦、あるいは気の合った仲間だけの家族旅行やグループ旅行となるのが一般的ではないでしょうか。また、その交通機関も、「旅行」の場合は新幹線や貸切バスによる傾向にあるのに対し、「旅」の場合はマイカーやレンタカー、サイクリングなどによる傾向にあるように思います。何よりも「旅行」は、あわただしく駆け足の周遊型や観光型であるのに対し、「旅」は、ゆったりとした滞在型や体験型であるようにも思います。
ただし、「旅行」の場合は経費的には割安感があるうえ、仲間づくりにつながりやすいのですが、「旅」の場合は割高感があるものの、親睦を強めることができるように思います。
旅のスタイル
もちろん、アクティブシニアに受けやすいのは「旅」のはずですので、その「旅」の楽しみ方についてお話しましょう。
まず、旅先ですが、今まで行ったことのないところや、過去に行ったことのあるところでも今度はゆっくり訪ね、のんびり、ゆったりと過ごすということになるでしょう。
たとえば京都といえば、多くのみなさんが修学旅行や会社の慰安旅行で行ったことがあると思いますが、当時、立ち寄れなかった寺社や通り、家並みなどを訪れ、青春時代を懐かしんだり、「日本人の心」や伝統のわびとか、さびなどの「日本の美」に触れ、自分や家族、仲間を思いやったりするのもいいでしょう。
また、その場合も一般的なホテルや旅館ではなく、ウイクリーマンションやビジネスホテル、公共の宿、貸し別荘、宿坊、ペンション、民宿を利用し、レンタカーやレンタサイクルで自由気ままに過ごせれば、一味も二味も違った思い出深い「旅」になることでしょう。
ちなみに、最近は京都や鎌倉に限らず、各地で高齢者や障害者でも安心して利用できる宿泊施設や観光施設、観光用のシャトルバスが増えてきています。また、滞在が長引けば長引くほど宿泊料金が割安になったり、ポイント制によって一定の宿泊日数となればそれに応じて1泊は無料になったり、食事代も割り引きになったり、ガイドを無料でしてもらったりするようなケースもあります。
さらに、地域によっては自治体やJA農協が過疎対策や高齢化対策の一環として地元の田畑を年間契約で廉価で貸し、週末だけ訪ねて「田舎暮らし」を楽しめたり、特産品を定期的に送ってくれたりしてするところもあるため、このような情報をインターネットで検索して自分なりの「旅」を演出することもできます。
まず、旅先ですが、今まで行ったことのないところや、過去に行ったことのあるところでも今度はゆっくり訪ね、のんびり、ゆったりと過ごすということになるでしょう。
たとえば京都といえば、多くのみなさんが修学旅行や会社の慰安旅行で行ったことがあると思いますが、当時、立ち寄れなかった寺社や通り、家並みなどを訪れ、青春時代を懐かしんだり、「日本人の心」や伝統のわびとか、さびなどの「日本の美」に触れ、自分や家族、仲間を思いやったりするのもいいでしょう。
また、その場合も一般的なホテルや旅館ではなく、ウイクリーマンションやビジネスホテル、公共の宿、貸し別荘、宿坊、ペンション、民宿を利用し、レンタカーやレンタサイクルで自由気ままに過ごせれば、一味も二味も違った思い出深い「旅」になることでしょう。
ちなみに、最近は京都や鎌倉に限らず、各地で高齢者や障害者でも安心して利用できる宿泊施設や観光施設、観光用のシャトルバスが増えてきています。また、滞在が長引けば長引くほど宿泊料金が割安になったり、ポイント制によって一定の宿泊日数となればそれに応じて1泊は無料になったり、食事代も割り引きになったり、ガイドを無料でしてもらったりするようなケースもあります。
さらに、地域によっては自治体やJA農協が過疎対策や高齢化対策の一環として地元の田畑を年間契約で廉価で貸し、週末だけ訪ねて「田舎暮らし」を楽しめたり、特産品を定期的に送ってくれたりしてするところもあるため、このような情報をインターネットで検索して自分なりの「旅」を演出することもできます。
大事なセキュリティ
ただし、このような「旅」の場合に大事なことはセキュリティです。それというのも、「旅行」の場合、旅行社など第三者が商品として売り出しているものであるため、行程中の事故や病気、けがなどのハプニングが万一あっても右往左往しないよう、あらかじめ本社や提携先の警備会社などと連絡を取り合い、迅速に対応してくれるのに対し、「旅」の場合、自由気ままな裏返しとして、このような有事のときは基本的にはすべて自分たちで対応しなくてはならないからです。
そこで、万一に備え、個人保険に加入しておいたり、医薬品や救急箱を用意して臨んだり、携帯電話などで「110番」や「119番」などSOSを出して迅速に救命・救急に対応してもらうよう、現地の警察署や消防署、救急病院・診療所などを調べてから出かけるようにしましょう。
そこで、万一に備え、個人保険に加入しておいたり、医薬品や救急箱を用意して臨んだり、携帯電話などで「110番」や「119番」などSOSを出して迅速に救命・救急に対応してもらうよう、現地の警察署や消防署、救急病院・診療所などを調べてから出かけるようにしましょう。
(2007年9月24日)