Vol.9 雇用保険の手続きはこうする
川村匡由(社会福祉学者)
職業観をまず持とう
小泉前内閣以降、格差社会が急速に広がっているようで、「サラリーマンは気楽な稼業……」というのも今は昔の話です。それも、日本経済は、もはやかつてのような好景気の再燃はあり得ない、とはアナリストや経済学者などの大半の見方です。
そこで重要になってくるのが、個々の職業観をどのように持つか、ということです。現に、サラリーマンなら、だれしもいつかは「一国一城の主」を夢見つつ、日々の家計を支え、かつ自分のスキルアップに努めるべく、毎日、満員電車に揺られながら宮仕えせざるを得ないわけですが、常に自分の10年先を考えながら、将来役立つ資格の取得や技術の習得、経験の積み重ね、豊富な人脈づくりを考慮するような職業観を確立したいものです。
万一のときの雇用保険
その意味では、職場の人間関係や給与の多寡、肩書き、上司や部下とのめぐり合わせ、仕事のはかどり具合、取引先との付き合い、仕事上のストレスなど“七人の敵”と対峙しながらも、めったなことでは辞めない強い精神力や家族の協力、言い換えれば援護射撃も必要です。
したがって、万一のときは失業保険、正確にいえば雇用保険を上手に活用しましょう。なぜなら、雇用保険の保険料はこのようなときに備え、毎月の給与から支払っているのですし、また、雇用保険から支給される失業等給付は次の仕事を見つけるまでの生活費の“つなぎ資金”であるとともに、就業に向けての支援策として設けられているからです。すなわち、雇用保険は、サラリーマンにとって、憲法で定められた国民の「働く権利」を奪われた代償として、国が制度化している社会保障というわけです。
雇用保険の上手な活用法
そこで、会社を辞めたり、解雇されたりしたら、会社から離職票を交付してもらい、その離職票を所轄の公共職業安定所(職安;ハローワーク)に持参し、失業の認定を受けて失業給付を受けるとともに、就職の斡旋を受けましょう。
ただし、この失業等給付を受けるためには、(1)退職前の1年間に6か月以上、雇用保険の保険料を納めている、(2)所轄の職安に対し、求職の申し込みをしている、(3)再就職する意思と労働の能力があるの3つの要件をすべて満たしていることが必要です。そのうえで失業給付の受給資格が認められ、これを受けながら求職活動に努めることになります。
ちなみに失業等給付は詳しくは基本手当といい、離職した時点の1日当たりの賃金日額から計算され、その人の年齢や給与の多寡に応じ、離職時の給与の45〜80%が支給されます。もっとも、この給付日数は、雇用保険の保険料を納めた期間や離職した時点の年齢により、90〜330日までとなっています。
また、この基本手当を受給でき、かつ給付日数の2分の1以上を残して再就職した場合、その支給残日数に応じ、別途、再就職手当が支給されるものの、この期間中、原則として厚生年金は支給されないなど、複雑な受給要件や計算式となっているため、注意が必要です。
ただし、この失業等給付を受けるためには、(1)退職前の1年間に6か月以上、雇用保険の保険料を納めている、(2)所轄の職安に対し、求職の申し込みをしている、(3)再就職する意思と労働の能力があるの3つの要件をすべて満たしていることが必要です。そのうえで失業給付の受給資格が認められ、これを受けながら求職活動に努めることになります。
ちなみに失業等給付は詳しくは基本手当といい、離職した時点の1日当たりの賃金日額から計算され、その人の年齢や給与の多寡に応じ、離職時の給与の45〜80%が支給されます。もっとも、この給付日数は、雇用保険の保険料を納めた期間や離職した時点の年齢により、90〜330日までとなっています。
また、この基本手当を受給でき、かつ給付日数の2分の1以上を残して再就職した場合、その支給残日数に応じ、別途、再就職手当が支給されるものの、この期間中、原則として厚生年金は支給されないなど、複雑な受給要件や計算式となっているため、注意が必要です。
(2007年8月13日)