第55回 山と旧街道(上)
旧街道の魅力と山歩き
特定のテーマで歩くのも、山歩きの楽しみ方の一つです。
たとえば深田久弥の『日本百名山』を順番に踏破する人や、名も知れない峠や里山、廃村の山などを歩く人たちも増えてきているようです。
そこで、今回は旧街道をテーマにした山歩きを紹介しましょう。
旧街道の魅力――。それは往時をしのび、先人たちがどのような思いでそれぞれの道を開拓したのか、また、その道をどのような人々が往来したのか、現代の車社会と比較して楽しめることだと思います。
フリー百科事典「ウィキぺディア」では、街道とは「ある場所と場所を陸上でつなぐ交通路・道路」、「つながる場所としては街・集落であることが圧倒的に多いが、一方が人里離れた神社・寺院であることも多い」と説明しています。
しかし、それぞれの街道の起源や名前の由来はさまざまで、大半は近代国家をめざした明治以降、道路行政の必要上から付けられたと補足しています。
いずれにしても、このように旧街道を明治から現代までの“新街道”と比べ、その移り変わりに思いを馳せるのも一味違った山歩き、といえるのではないでしょうか。
たとえば深田久弥の『日本百名山』を順番に踏破する人や、名も知れない峠や里山、廃村の山などを歩く人たちも増えてきているようです。
そこで、今回は旧街道をテーマにした山歩きを紹介しましょう。
旧街道の魅力――。それは往時をしのび、先人たちがどのような思いでそれぞれの道を開拓したのか、また、その道をどのような人々が往来したのか、現代の車社会と比較して楽しめることだと思います。
フリー百科事典「ウィキぺディア」では、街道とは「ある場所と場所を陸上でつなぐ交通路・道路」、「つながる場所としては街・集落であることが圧倒的に多いが、一方が人里離れた神社・寺院であることも多い」と説明しています。
しかし、それぞれの街道の起源や名前の由来はさまざまで、大半は近代国家をめざした明治以降、道路行政の必要上から付けられたと補足しています。
いずれにしても、このように旧街道を明治から現代までの“新街道”と比べ、その移り変わりに思いを馳せるのも一味違った山歩き、といえるのではないでしょうか。
山歩きが楽しめる主な旧街道
山歩きの楽しめる旧街道は全国にたくさんあります。筆者がこれまで訪ねた旧街道では、まず奈良県の「山の辺(やまのべ)の道」をおすすめします。
この街道は奈良盆地と山地を南北に通る里山で、だれでも気軽に楽しめる大和三山(耳成(みみなし)山、畝傍(うねび)山、天香具(あまのかぐ)山)を眺めながらの歴史散策のコースです。
次は、奈良時代以降、皇族や貴族が詣でた和歌山県の熊野古道です。京都から紀伊山地の熊野三山(熊野本宮(ほんぐう)大社、熊野速玉(はやたま)大社、熊野那智大社)を順に参拝する道の総称です。2004年、一帯が「世界遺産」に登録されたばかりですので、みなさんもご存知のとおりです。もっとも、昔からほとんど変わらない深山幽谷の地のため、車やバスを何度も乗り継いで歩くしか方法はありません。
最後は、五街道(東海道、中仙(山)道、甲州街道、日光街道、奥州街道)です。江戸時代、参勤交代で諸大名、また、一般庶民が商売や旅で往来した道です。しかし、今日ではいずれも国道や高速道路になっており、往時をしのぶには難しいところがほとんどです。
この街道は奈良盆地と山地を南北に通る里山で、だれでも気軽に楽しめる大和三山(耳成(みみなし)山、畝傍(うねび)山、天香具(あまのかぐ)山)を眺めながらの歴史散策のコースです。
次は、奈良時代以降、皇族や貴族が詣でた和歌山県の熊野古道です。京都から紀伊山地の熊野三山(熊野本宮(ほんぐう)大社、熊野速玉(はやたま)大社、熊野那智大社)を順に参拝する道の総称です。2004年、一帯が「世界遺産」に登録されたばかりですので、みなさんもご存知のとおりです。もっとも、昔からほとんど変わらない深山幽谷の地のため、車やバスを何度も乗り継いで歩くしか方法はありません。
最後は、五街道(東海道、中仙(山)道、甲州街道、日光街道、奥州街道)です。江戸時代、参勤交代で諸大名、また、一般庶民が商売や旅で往来した道です。しかし、今日ではいずれも国道や高速道路になっており、往時をしのぶには難しいところがほとんどです。