第40回 山と寺社(下)
各地の「○○三山」
ところで、各地にある「○○三山」の多くもほとんどは霊山のグループです。
そこで、その主なものを北から順に紹介しますと、まずは山形県の月山(がっさん;月山神社、1984メートル)、羽黒山(出羽神社、414メートル)、湯殿(ゆどの)山(湯殿山神社、1504メートル)からなる「出羽三山」が有名です。
次は、奈良県の耳成(みみなし)山(耳成山口神社、140メートル)、畝傍(うねび)山(畝傍山口神社、199メートル)、天香具(久)(あまのかぐ)山(天香山神社、152メートル)からなる「大和三山」です。
もう一つは、和歌山県の熊野本宮大社、熊野速玉(はやたま)大社、熊野那智大社からなる「熊野三山」です。もっとも、熊野三山といってもこれらの三つの神社の総称であるため、それぞれの山があるわけではありませんが、紀伊山地の霊場や参拝の道として、高野山とともに世界遺産に登録されており、由緒ある三山には違いありません。
出羽三山は大和三山と熊野三山にちなみ、三山を組み立てたそうです。それだけに、山岳宗教的には大和三山や熊野三山の方が出羽三山よりも歴史的に古く、その“先輩”というわけです。
そこで、その主なものを北から順に紹介しますと、まずは山形県の月山(がっさん;月山神社、1984メートル)、羽黒山(出羽神社、414メートル)、湯殿(ゆどの)山(湯殿山神社、1504メートル)からなる「出羽三山」が有名です。
次は、奈良県の耳成(みみなし)山(耳成山口神社、140メートル)、畝傍(うねび)山(畝傍山口神社、199メートル)、天香具(久)(あまのかぐ)山(天香山神社、152メートル)からなる「大和三山」です。
もう一つは、和歌山県の熊野本宮大社、熊野速玉(はやたま)大社、熊野那智大社からなる「熊野三山」です。もっとも、熊野三山といってもこれらの三つの神社の総称であるため、それぞれの山があるわけではありませんが、紀伊山地の霊場や参拝の道として、高野山とともに世界遺産に登録されており、由緒ある三山には違いありません。
出羽三山は大和三山と熊野三山にちなみ、三山を組み立てたそうです。それだけに、山岳宗教的には大和三山や熊野三山の方が出羽三山よりも歴史的に古く、その“先輩”というわけです。
最近登った寺社の山
最後に、最近登った寺社の山の一つ、京都市の大文字山(466メートル)を紹介しましょう。
この山はみなさんもご存知のように、祇園祭とともに京の夏の風物詩となっている、毎年8月16日に行われる「大文字・五山送り火」の代表的な山です。正確には東山三十六峰の一つ、如意(にょい)ヶ嶽の肩で、南側の山科から林の中をジグザグに、のんびりと2時間半かけて登り、北側の銀閣寺へと下りました。途中、送り火の護摩木(割り木)がくべられる火床のある“山頂”からは、京の町並みが碁盤の目のように眺められ、まさに絶景でした。
この送り火の起源については諸説紛々があり、確かなことはわかっていないそうです。もっとも、旧盆に先祖の霊を迎え、その後、再び冥府に帰すこの宗教的な行事が、庶民も含めた年中行事として定着するようになったのは室町から江戸時代にかけて、といわれています。
なお、送り火の当日だけは登山ができませんので注意してください。
次回は「山と峠」についてお伝えします。
この山はみなさんもご存知のように、祇園祭とともに京の夏の風物詩となっている、毎年8月16日に行われる「大文字・五山送り火」の代表的な山です。正確には東山三十六峰の一つ、如意(にょい)ヶ嶽の肩で、南側の山科から林の中をジグザグに、のんびりと2時間半かけて登り、北側の銀閣寺へと下りました。途中、送り火の護摩木(割り木)がくべられる火床のある“山頂”からは、京の町並みが碁盤の目のように眺められ、まさに絶景でした。
この送り火の起源については諸説紛々があり、確かなことはわかっていないそうです。もっとも、旧盆に先祖の霊を迎え、その後、再び冥府に帰すこの宗教的な行事が、庶民も含めた年中行事として定着するようになったのは室町から江戸時代にかけて、といわれています。
なお、送り火の当日だけは登山ができませんので注意してください。
次回は「山と峠」についてお伝えします。