第42回 山と峠(下)
長野、群馬県境の地蔵峠の場合
このうち、最も足しげく通っているのは、長野、群馬県境の地蔵峠です。車で群馬県側の鹿沢(かざわ)温泉から、湯の丸高原までの舗装された狭い山道を登ったあと、峠から長野県側の林道やカラマツ林を2時間ほど縫うように登り、見晴(みはらし)岳(2095メートル)から三方(さんぽう)ヶ峰(3192メートル)を経て、池の平湿原(2040メートル)まで歩きます。
このコースは排気ガスによる高山植物を保護するため、夏場は行楽客のマイカーの乗り入れが禁止されます。夏はアヤメやヤナギラン、クルマユリ、コマクサなど、秋にはカラマツやシラカバの紅葉の彩りが鮮やかです。
また、このコースとは逆に、峠から湯の丸牧場や湯の丸スキー場のゲレンデを抜け、約2時間半かけて登る湯の丸山(2101メートル)もあります。浅間山や四阿(あずまや)山(2354メートル)の展望がよいだけでなく、ともに「日本百名山」であるため、登頂した感動もまたひとしおです。群馬県側から峠にさしかかる湯の丸高原では、国の天然記念物に指定されているレンゲツヅジの群落も見事です。満開となる6月下旬には、女性ハイカーや写真愛好家を喜ばせています。
このコースは排気ガスによる高山植物を保護するため、夏場は行楽客のマイカーの乗り入れが禁止されます。夏はアヤメやヤナギラン、クルマユリ、コマクサなど、秋にはカラマツやシラカバの紅葉の彩りが鮮やかです。
また、このコースとは逆に、峠から湯の丸牧場や湯の丸スキー場のゲレンデを抜け、約2時間半かけて登る湯の丸山(2101メートル)もあります。浅間山や四阿(あずまや)山(2354メートル)の展望がよいだけでなく、ともに「日本百名山」であるため、登頂した感動もまたひとしおです。群馬県側から峠にさしかかる湯の丸高原では、国の天然記念物に指定されているレンゲツヅジの群落も見事です。満開となる6月下旬には、女性ハイカーや写真愛好家を喜ばせています。
そのほかのおすすめの峠
このほか、おすすめの峠は、奥日光の光徳(こうとく)牧場から川俣温泉に続く山王峠、また、奥日光・戦場ヶ原から湯元温泉を経る金精峠は紅葉の名所です。鳩待峠と三平峠は、尾瀬ヶ原や尾瀬沼めぐりで知られています。
意外と知られていないのは二度上峠ですが、ここは北軽井沢にある浅間山(2568メートル)の絶好のビューポイントです。夜叉神峠は、わが国第二位の高峰、南アルプスの北岳(3192メートル)など白根(しらね)三山の展望台として有名です。
一方、馬籠峠は、島崎藤村ゆかりの旧中仙道の宿場町、馬籠と妻籠(つまご)を結ぶ峠道です。徳本峠は前穂高(3090メートル)などの展望台で、その神々しさに、イギリス人宣教師、ウェストンが感動のあまりに涙した峠です。
地蔵峠は御岳(嶽)山(3067メートル)の大パノラマに恵まれています。かつて、大手自動車メーカーが新車発売の際、有名な男性タレントを起用し、爆発的な売れ行きを示した峠として知られています。碓氷峠は旧軽井沢の奥にあり、妙義山(1104メートル)や浅間山の展望にすぐれています。
野麦峠は、明治時代、岐阜県・飛騨地方の少女が長野県岡谷市へ働きに出るために越えた“女工哀史”の峠として、山本茂美の小説『あゝ野麦峠』が映画化され、一躍有名になりました。
一方、薩埵峠は、歌川広重の浮世絵版画「東海道五十三次」にも紹介されており、富士山(3776メートル)と駿河湾のコントラストがすばらしく、写真愛好家に人気のスポットです。天城峠は、川端康成の『伊豆の踊子』の舞台として、みなさんもご存知のとおりです。
次回は「離島の山」についてお伝えします。
意外と知られていないのは二度上峠ですが、ここは北軽井沢にある浅間山(2568メートル)の絶好のビューポイントです。夜叉神峠は、わが国第二位の高峰、南アルプスの北岳(3192メートル)など白根(しらね)三山の展望台として有名です。
一方、馬籠峠は、島崎藤村ゆかりの旧中仙道の宿場町、馬籠と妻籠(つまご)を結ぶ峠道です。徳本峠は前穂高(3090メートル)などの展望台で、その神々しさに、イギリス人宣教師、ウェストンが感動のあまりに涙した峠です。
地蔵峠は御岳(嶽)山(3067メートル)の大パノラマに恵まれています。かつて、大手自動車メーカーが新車発売の際、有名な男性タレントを起用し、爆発的な売れ行きを示した峠として知られています。碓氷峠は旧軽井沢の奥にあり、妙義山(1104メートル)や浅間山の展望にすぐれています。
野麦峠は、明治時代、岐阜県・飛騨地方の少女が長野県岡谷市へ働きに出るために越えた“女工哀史”の峠として、山本茂美の小説『あゝ野麦峠』が映画化され、一躍有名になりました。
一方、薩埵峠は、歌川広重の浮世絵版画「東海道五十三次」にも紹介されており、富士山(3776メートル)と駿河湾のコントラストがすばらしく、写真愛好家に人気のスポットです。天城峠は、川端康成の『伊豆の踊子』の舞台として、みなさんもご存知のとおりです。
次回は「離島の山」についてお伝えします。