第37回 山と湖沼(上)
定義がない!?湖沼の魅力
湖沼もまた、山歩きの楽しみの一つになっています。歩き疲れた身体で、コバルトブルーやエメラルドグリーンの色をした湖面に出会うと心が休まるうえ、感動もひとしおです。
ところで、この「湖沼」の定義に確かなものはなく、水深5メートルを基準にして分類されているだけのようです。
ただし、わが国では湖は天然で広くて深いもの、沼は浅くて泥を蓄えたもの、池は人工的に造られたものと考えられているようです。さらに、湖沼には湖や沼、池のほか、浦や淵、潟、トーなどの名称もあり、やはりその定義ははっきりしていません。
一方、水質は、上流からの渓流や小川、湧き水、雨水、また、水質や気候、周囲の生態圏、生息する動植物や光合成によって、水面が色とりどりに変化しやすいのが特徴です。地形的には太古からの造山運動や火山活動、氷河運動の結果、隆起や沈降などによって形成されたり、上流の土砂の崩壊や流入によって川がせき止められたり、ダムや堰堤が設けられたりしてできているのが一般的です。
いずれにしても、私たちが山歩きをしていて湖沼に出会い、そのたたずまいに魅了されるのは、自然の造形が絶妙にからみ合って演出されているからでしょう。
ところで、この「湖沼」の定義に確かなものはなく、水深5メートルを基準にして分類されているだけのようです。
ただし、わが国では湖は天然で広くて深いもの、沼は浅くて泥を蓄えたもの、池は人工的に造られたものと考えられているようです。さらに、湖沼には湖や沼、池のほか、浦や淵、潟、トーなどの名称もあり、やはりその定義ははっきりしていません。
一方、水質は、上流からの渓流や小川、湧き水、雨水、また、水質や気候、周囲の生態圏、生息する動植物や光合成によって、水面が色とりどりに変化しやすいのが特徴です。地形的には太古からの造山運動や火山活動、氷河運動の結果、隆起や沈降などによって形成されたり、上流の土砂の崩壊や流入によって川がせき止められたり、ダムや堰堤が設けられたりしてできているのが一般的です。
いずれにしても、私たちが山歩きをしていて湖沼に出会い、そのたたずまいに魅了されるのは、自然の造形が絶妙にからみ合って演出されているからでしょう。
内外の湖沼あれこれ
ご参考までに、世界で最も広い湖沼は、ロシア、アゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタン、イランにまたがるカスピ海で、総面積は何と37万1000平方キロ・メートルです。そのあまりにも大きなスケールに「湖沼というよりも海ではないか」と思うほど、圧倒されてしまいます。
これに対し、わが国最大の湖沼は滋賀県の琵琶湖で、総面積は670平方キロ・メートルです。カスピ海の約550分の1にすぎませんが、世界的な規模で湿原の保存に努めているラムサール条約に登録された、れっきとした湖沼には違いありません。
これまで比良(ひら)山(武奈ヶ岳;標高1214メートル)や比叡山(848メートル)、近江富士の異名を持つ三上(みかみ)山(432メートル)に登り、何度も琵琶湖を頂上から見下ろしたことがあります。そのたたずまいは「京都の水がめ」にふさわしい堂々たるもので、いつしか「琵琶湖就航の歌」を口ずさんでいる自分に気づいたものです。
その点、栃木県の切り込み湖と刈り込み湖は琵琶湖と比べようもないほど小さな湖沼ですが、奥日光の男体山(2484メートル)のそのまた奥の山王(さんのう)峠から往復して訪ね、湖面に映える紅葉に感動したものです。
これに対し、わが国最大の湖沼は滋賀県の琵琶湖で、総面積は670平方キロ・メートルです。カスピ海の約550分の1にすぎませんが、世界的な規模で湿原の保存に努めているラムサール条約に登録された、れっきとした湖沼には違いありません。
これまで比良(ひら)山(武奈ヶ岳;標高1214メートル)や比叡山(848メートル)、近江富士の異名を持つ三上(みかみ)山(432メートル)に登り、何度も琵琶湖を頂上から見下ろしたことがあります。そのたたずまいは「京都の水がめ」にふさわしい堂々たるもので、いつしか「琵琶湖就航の歌」を口ずさんでいる自分に気づいたものです。
その点、栃木県の切り込み湖と刈り込み湖は琵琶湖と比べようもないほど小さな湖沼ですが、奥日光の男体山(2484メートル)のそのまた奥の山王(さんのう)峠から往復して訪ね、湖面に映える紅葉に感動したものです。