第32回 海外トレッキング(下)
トレッキングでの歩き方
次に、歩き方です。これは第9回の「山での歩き方」を参考にしてもらえればOKですが、念のため、ざっと復習しましょう。
トレッキングも山歩きの一つですので、自分の体調や技術、経験、ペースを優先し、バテないように、最初は意識的にゆっくりと歩き始めましょう。上りでは歩幅を小さくして、身体の重心を常に踏む出す足に置き、足の裏をフラットに着地させながら小刻みに上っていきます。その意味で、少しでも体力の消耗を防ぐためにストックを持参し、短めにして使うのが賢明です。
逆に、下りは膝へのダメージを少しでも和らげるため、身体を少し前にかがめ、腰を落とすようにしながら足をソフトに着地させます。また、ストックは長めにしたり、断崖などの急場では折りたたんで肩に背負ったり、ザックの中に収納したりして、両手で身体を支えるようにして下りましょう。
このようにリズミカルな歩行で上り下りしますが、コンディションをなるべく維持するため、休憩は1時間ごとに15分程度とるようにしましょう。また、水分はガブガブと飲み干すことのないように、適度に摂りましょう。
なお、海外でトレッカーと行き会ったら「ハロー」と声をかけましょう。また、片言の英語でもいいですから話しかけてみましょう。あなたも“国際親善大使”になれること、請け合いです。
トレッキングも山歩きの一つですので、自分の体調や技術、経験、ペースを優先し、バテないように、最初は意識的にゆっくりと歩き始めましょう。上りでは歩幅を小さくして、身体の重心を常に踏む出す足に置き、足の裏をフラットに着地させながら小刻みに上っていきます。その意味で、少しでも体力の消耗を防ぐためにストックを持参し、短めにして使うのが賢明です。
逆に、下りは膝へのダメージを少しでも和らげるため、身体を少し前にかがめ、腰を落とすようにしながら足をソフトに着地させます。また、ストックは長めにしたり、断崖などの急場では折りたたんで肩に背負ったり、ザックの中に収納したりして、両手で身体を支えるようにして下りましょう。
このようにリズミカルな歩行で上り下りしますが、コンディションをなるべく維持するため、休憩は1時間ごとに15分程度とるようにしましょう。また、水分はガブガブと飲み干すことのないように、適度に摂りましょう。
なお、海外でトレッカーと行き会ったら「ハロー」と声をかけましょう。また、片言の英語でもいいですから話しかけてみましょう。あなたも“国際親善大使”になれること、請け合いです。
海外の主なトレッキングコース
最後に、海外のトレッキングの主なコースを紹介しましょう。
まずは、ヨーロッパアルプスではメッカであるスイスのアイガーやヴェッターホルン、ユングフラウヨッホ、マッターホルンの展望が楽しめるコースがおすすめです。
なかでも初心者向けは、グリンデンヴァルトからフィルストまでロープウエーを2台乗り継ぎ、アイガー(標高3970メートル)を目前に、2時間ほど高山植物を眺めながら歩くバッハアルプ湖までのコースです。夏の夕暮れ、カウベルの合図の音色に誘われ、高原から麓の牛舎へと下る牛の姿は牧歌的で、しかも壮観です。ローテンボーデンからリッフェルベルク湖へと下り、湖面に映るマッターホルン(標高4478メートル)の投影もここならではの景観で、生涯忘れられない思い出となることでしょう。
また、変わったところでは、イギリスの湖水地方のダヴ・コテージからライダル・マウント、さらにはライダルから対岸のライダル・ケーヴス、ダヴ・コテージと、ライダル湖を見下ろしながら、標高1000メートル未満のなだらかな道を2時間ほど周遊するフットパス(散策路)もあります。美しい田園風景と湖畔詩人、ワーズワースやビアトリクス・ポターの『ピーター・ラビット』の世界に感動させられるだけでなく、ナショナル・トラスト運動の発祥の地としても、ぜひ一度は足を延ばしたいところです。スコットランドの北端のスカイ島にもすばらしい岩山のコースがあります。
一方、世界自然遺産の宝庫、ニュージーランドにもトレッキングのコースがたくさんあります。おすすめはマウントクック村からフッカー谷をゆっくり上って、2つの吊り橋を渡り、フッカー氷河湖まで詰め、サザンアルプスの主峰、マウントクック(標高3754メートル)が目前に迫るフッカーバレーの半日コースでしょう。このほか、カナディアンロッキー、ヒマラヤのエベレスト街道なども人気のコースです。南イタリアのナポリ郊外にも、ロープウェーを使った手ごろなコースがあります。
なお、海外トレッキングでは、現地で外国人や現地在住の日本人ガイドを雇うこともできますが、初心者には専門のガイドが付いた旅行パッケージのプランが無難です。それでも、行く前には旅行ガイドブックやインターネットで現地の事情をできるだけ調べてから出かけ、事故のないように注意しましょう。
次回は「山と動物」についてお伝えします。
まずは、ヨーロッパアルプスではメッカであるスイスのアイガーやヴェッターホルン、ユングフラウヨッホ、マッターホルンの展望が楽しめるコースがおすすめです。
なかでも初心者向けは、グリンデンヴァルトからフィルストまでロープウエーを2台乗り継ぎ、アイガー(標高3970メートル)を目前に、2時間ほど高山植物を眺めながら歩くバッハアルプ湖までのコースです。夏の夕暮れ、カウベルの合図の音色に誘われ、高原から麓の牛舎へと下る牛の姿は牧歌的で、しかも壮観です。ローテンボーデンからリッフェルベルク湖へと下り、湖面に映るマッターホルン(標高4478メートル)の投影もここならではの景観で、生涯忘れられない思い出となることでしょう。
また、変わったところでは、イギリスの湖水地方のダヴ・コテージからライダル・マウント、さらにはライダルから対岸のライダル・ケーヴス、ダヴ・コテージと、ライダル湖を見下ろしながら、標高1000メートル未満のなだらかな道を2時間ほど周遊するフットパス(散策路)もあります。美しい田園風景と湖畔詩人、ワーズワースやビアトリクス・ポターの『ピーター・ラビット』の世界に感動させられるだけでなく、ナショナル・トラスト運動の発祥の地としても、ぜひ一度は足を延ばしたいところです。スコットランドの北端のスカイ島にもすばらしい岩山のコースがあります。
一方、世界自然遺産の宝庫、ニュージーランドにもトレッキングのコースがたくさんあります。おすすめはマウントクック村からフッカー谷をゆっくり上って、2つの吊り橋を渡り、フッカー氷河湖まで詰め、サザンアルプスの主峰、マウントクック(標高3754メートル)が目前に迫るフッカーバレーの半日コースでしょう。このほか、カナディアンロッキー、ヒマラヤのエベレスト街道なども人気のコースです。南イタリアのナポリ郊外にも、ロープウェーを使った手ごろなコースがあります。
なお、海外トレッキングでは、現地で外国人や現地在住の日本人ガイドを雇うこともできますが、初心者には専門のガイドが付いた旅行パッケージのプランが無難です。それでも、行く前には旅行ガイドブックやインターネットで現地の事情をできるだけ調べてから出かけ、事故のないように注意しましょう。
次回は「山と動物」についてお伝えします。