第28回 山の歌(唄)
山の歌(唄)の魅力
山の歌(唄)といわれて、多くの人たちが思い浮かべるものの一つに「山男の歌」があります。そのほか、群馬、福島など関東・東北4県にまたがる尾瀬国立公園の自然のすばらしさを歌った「夏の思い出」もよく知られていることでしょう。
前者は、いかにも健康的な山男の姿・格好や自然のすばらしさをごくわかりやすく、かつさわやかに歌い上げたもので、いずれかの山を特定したものではありません。
これに対し、後者は、1949(昭和24)年、NHKの「ラジオ歌謡」で紹介され、敗戦で失意のどん底に陥っていた当時の人々に、生きることの大切さを教え、勇気づけた歌です。
いずれも、山歩きを楽しむ人たちだけでなく、多くの人々の間で歌われており、国民的な愛唱歌となって現在に至っていますが、実は山の歌はまだほかにもたくさんあります。
山を愛する人たちは、それだけ山、自然、仲間、歌が好きということで、山の歌にはかつての「文部省唱歌」と重なる歌も少なくありません。山男、いえ、山女もそれだけロマンチストなのかもしれません。
前者は、いかにも健康的な山男の姿・格好や自然のすばらしさをごくわかりやすく、かつさわやかに歌い上げたもので、いずれかの山を特定したものではありません。
これに対し、後者は、1949(昭和24)年、NHKの「ラジオ歌謡」で紹介され、敗戦で失意のどん底に陥っていた当時の人々に、生きることの大切さを教え、勇気づけた歌です。
いずれも、山歩きを楽しむ人たちだけでなく、多くの人々の間で歌われており、国民的な愛唱歌となって現在に至っていますが、実は山の歌はまだほかにもたくさんあります。
山を愛する人たちは、それだけ山、自然、仲間、歌が好きということで、山の歌にはかつての「文部省唱歌」と重なる歌も少なくありません。山男、いえ、山女もそれだけロマンチストなのかもしれません。
山の歌の種類
そこで、話のついでに、山の歌をいろいろなパターンに分けて整理してみると、ざっと次のようになるのではないかと思います。
1.山の自然を謳歌した歌
(1)いつかある日 (2)せせらぎのうた (3)四季の歌 (4)シーハイルの歌 (5)山への祈り (6)エーデルブルース (7)エーデルワイスの歌 (8)一日の終わり (9)古き山小屋 (10)旅の歌 (11)新雲稜の歌 (12)雪の降る町を (13)烽火(のろし)をあげて (14)ワンダーフォーゲル讃歌 (15)山こそ我が母 (16)今日は野を越え (17)山の花嫁
2.山の思い出にまつわる歌
(1)山は心のふるさと (2)ひとりの山 (3)アルプの歌 (4)雪山の想い出 (5)山の夜ばなし (6)秋山のうた (7)夏山恋歌 (8)青春のモニュメント (9)山岳(やま)への想い (10)思い出の涸沢 (11)思い出のイワカガミ
3.山を愛する人たちを表した歌
(1)山男の歌 (2)夏山のうた (3)新人哀歌 (4)山賊の歌 (5)山のおやじさん (6)いやじゃありませんか (7)岳人の歌 (8)山行く心 (9)彷浪の歌 (10)山男小唄 (11)ガチャガチャバンド (12)二人の山男 (13)雪山讃歌 (14)山と仲間 (15)山の友よ (16)俺等の恋 (17)山男情歌
4.特定の山を賛美した歌(唄)
(1)坊がつる讃歌 (2)蝶ヶ岳讃歌 (3)夏の思い出 (4)白馬山行 (5)箱根の山 (6)谷川小唄 (7)北岳の歌( 8)信濃恋唄 (9)剣の歌 (10)穂高よさらば (11)シーハイルの歌 (12)フニクリ・フニクラ (13)アルプスー万尺 (14)北穂小唄 (15)槍が岳讃歌
5.山の遭難死を悼む歌(唄)
(1)八ツの唄 (2)雪崩 (3)雪山に消えたあいつ (4)剣岳に祈る (5)山への遺書 (6)雪山の想い出 (7)穂高に叫ぶ (8)冬山に眠るあいつ (9)ユキコの灯 (10)山に煙がのぼる (11)前穂高絶唱
さて、みなさんはいくつご存じの歌がありましたか。
さて、みなさんはいくつご存じの歌がありましたか。
山の歌のいわれ
詳しい人ならお気づきのように、大学や、高校の山岳部やワンダーフォーゲル部、スキー部の歌もあれば、演歌の替え歌や外国の山の歌、民謡などもあります。なかには学生時代を思い出し、つい口ずさむ方もみえるのではないでしょうか。
その一つ、「新人哀歌」は、晴れて入学した大学のキャンパスで、山岳部やワンダーフォーゲル部の先輩たちに誘われるまま入部したものの、新人ゆえに先輩たちのザックを持たされたり、合宿では食事の支度ばかりさせられたりして、ロッククライミングや沢登りなどの高度な登山技術を教えてくれないことを嘆いた心境を歌ったものです。それでも、その歌詞の一つひとつを吟味すれば、先輩たちの厳しい指導のなかにも温かい友情が込められていることがわかることでしょう。
かくいう私も歌は嫌いではなく、こうして執筆している間でも「穂高よさらば」や「雪山讃歌」、「坊がつる讃歌」などを口ずさみたくなる衝動に駆られます。幸い、声まではみなさんにお届けできないのでホッとしていますが‥‥。
その一つ、「山男の歌」や「夏の思い出」とともに有名な「雪山讃歌」は、当時、京都帝国大学の学生であった西堀栄三郎が仲間の学生と冬山登山に訪れた際、吹雪に見舞われて閉じ込められた群馬県・鹿沢温泉の宿で、暇つぶしに、アメリカ民謡の「愛しのクレメンタイン」の替え歌として山岳部の歌を作詞したものですが、これがレコード化され、大ヒットして山岳部の財政を潤したとのことです。
いずれにしても、山歩きが最近、アクティブシニアの間でブームとなっているだけに、このような山の歌をこれからも歌い続け、後世にバトンタッチしていきたいものです。
次回は「山とリゾートライフ」についてお伝えします。
その一つ、「新人哀歌」は、晴れて入学した大学のキャンパスで、山岳部やワンダーフォーゲル部の先輩たちに誘われるまま入部したものの、新人ゆえに先輩たちのザックを持たされたり、合宿では食事の支度ばかりさせられたりして、ロッククライミングや沢登りなどの高度な登山技術を教えてくれないことを嘆いた心境を歌ったものです。それでも、その歌詞の一つひとつを吟味すれば、先輩たちの厳しい指導のなかにも温かい友情が込められていることがわかることでしょう。
かくいう私も歌は嫌いではなく、こうして執筆している間でも「穂高よさらば」や「雪山讃歌」、「坊がつる讃歌」などを口ずさみたくなる衝動に駆られます。幸い、声まではみなさんにお届けできないのでホッとしていますが‥‥。
その一つ、「山男の歌」や「夏の思い出」とともに有名な「雪山讃歌」は、当時、京都帝国大学の学生であった西堀栄三郎が仲間の学生と冬山登山に訪れた際、吹雪に見舞われて閉じ込められた群馬県・鹿沢温泉の宿で、暇つぶしに、アメリカ民謡の「愛しのクレメンタイン」の替え歌として山岳部の歌を作詞したものですが、これがレコード化され、大ヒットして山岳部の財政を潤したとのことです。
いずれにしても、山歩きが最近、アクティブシニアの間でブームとなっているだけに、このような山の歌をこれからも歌い続け、後世にバトンタッチしていきたいものです。
次回は「山とリゾートライフ」についてお伝えします。