第22回 山の野鳥
バードウォッチング・ブームの背景
自然は、その保護や共生を通じ、「衣食住」に関わる多くの恵みに預かることができるだけに、私たちにとって欠かせないものです。また、最近は、オゾンあふれる自然のなかに身を置くことは、心身の健康に効果的であることも科学的にも証明されています。これが森林浴、あるいは森林セラピーというものです。
そのような自然の保護や共生という意味で、山歩きの楽しみの一つに野鳥との出会いや語らいがあります。それは、山歩きで疲れた心身をひと時、癒してくれるというだけでなく、彼らの営みを目の当たりにして、この地球はわれわれ人間だけのものではなく、彼らをはじめとした、多くの動植物にとっても楽園であることを認識させてくれるものです。
まして、何かにつけて効率性一辺倒となり、その日その日の生活に追われがちで、周りのことにまでなかなか目がいかない世情なだけに、たまの休日の山歩きでの彼らとの出会いや語らいはまさに至福のひと時であり、それはまた、明日からの下界での生活に英気を養ってもらうものでもあります。最近、アクティブシニアの間でバードウォッチングを楽しむ人たちが増えているのも、このような背景があるのではないでしょうか。
そのような自然の保護や共生という意味で、山歩きの楽しみの一つに野鳥との出会いや語らいがあります。それは、山歩きで疲れた心身をひと時、癒してくれるというだけでなく、彼らの営みを目の当たりにして、この地球はわれわれ人間だけのものではなく、彼らをはじめとした、多くの動植物にとっても楽園であることを認識させてくれるものです。
まして、何かにつけて効率性一辺倒となり、その日その日の生活に追われがちで、周りのことにまでなかなか目がいかない世情なだけに、たまの休日の山歩きでの彼らとの出会いや語らいはまさに至福のひと時であり、それはまた、明日からの下界での生活に英気を養ってもらうものでもあります。最近、アクティブシニアの間でバードウォッチングを楽しむ人たちが増えているのも、このような背景があるのではないでしょうか。
野鳥の種類とバードウォッチングの心得
ところで、このような野鳥は日本には数え切れないほどいます。正確にいえば、生息している鳥だけでなく、外国からも飛んでくる渡り鳥もいます。
この野鳥、実は一口にいっても、一年中、日本に生息している「留鳥」もいれば、繁殖のために春から夏にかけて日本にやってくる「夏鳥」もいます。また、シベリアなどから避寒のために日本に飛んでくる「冬鳥」、さらには、繁殖や越冬のため、春と秋、日本を中継してシベリアや東南アジア、中近東などへと移動する「旅鳥」もいます。
このほか、その種類によって樹林を好む野鳥もいれば、高山や湿原、草原、あるいは水辺や里山を好む野鳥もおり、まさに“色鳥々”です。しかも、その生態もまちまちなため、バードウォッチングは野鳥の行動が比較的活発になるとみられている春や初夏だけでなく、夏や秋、あるいは冬でも楽しむことができます。
これは、北海道の利尻・礼文島や小笠原、伊豆七島、奄美大島、沖縄などを除けば緯度的に温帯地方に属し、四季折々の変化に恵まれている日本ならではの気候風土のおかげといっていいでしょう。その意味で、日本はバードウォッチングに格好の国というわけです。
なお、バードウォッチングの際、双眼鏡や望遠レンズを装着したカメラ、ラジオカセット、テープレコーダー、観察ノート、野鳥観察の図鑑、季節や時間によっては防寒具なども必須のアイテムです。
また、観察するときには、所定のコースから外れて踏み入れたり、携帯ラジオや電話、鈴などで騒音を出したりして野鳥に必要以上の刺激を与えないことは常識ですが、野鳥の観察を楽しんでいる仲間やグループが同じ場所に集まって威圧感を与えたりしないよう、気を配りたいものです。
この野鳥、実は一口にいっても、一年中、日本に生息している「留鳥」もいれば、繁殖のために春から夏にかけて日本にやってくる「夏鳥」もいます。また、シベリアなどから避寒のために日本に飛んでくる「冬鳥」、さらには、繁殖や越冬のため、春と秋、日本を中継してシベリアや東南アジア、中近東などへと移動する「旅鳥」もいます。
このほか、その種類によって樹林を好む野鳥もいれば、高山や湿原、草原、あるいは水辺や里山を好む野鳥もおり、まさに“色鳥々”です。しかも、その生態もまちまちなため、バードウォッチングは野鳥の行動が比較的活発になるとみられている春や初夏だけでなく、夏や秋、あるいは冬でも楽しむことができます。
これは、北海道の利尻・礼文島や小笠原、伊豆七島、奄美大島、沖縄などを除けば緯度的に温帯地方に属し、四季折々の変化に恵まれている日本ならではの気候風土のおかげといっていいでしょう。その意味で、日本はバードウォッチングに格好の国というわけです。
なお、バードウォッチングの際、双眼鏡や望遠レンズを装着したカメラ、ラジオカセット、テープレコーダー、観察ノート、野鳥観察の図鑑、季節や時間によっては防寒具なども必須のアイテムです。
また、観察するときには、所定のコースから外れて踏み入れたり、携帯ラジオや電話、鈴などで騒音を出したりして野鳥に必要以上の刺激を与えないことは常識ですが、野鳥の観察を楽しんでいる仲間やグループが同じ場所に集まって威圧感を与えたりしないよう、気を配りたいものです。
日本三大野鳥生息地はここ
最後に、このようなバードウォッチングが楽しめる「日本三大野鳥生息地」を紹介しましょう。
北から順に、まずは栃木県・奥日光です。その数は18目、43科、175種類といわれているほど日本有数の探鳥地です。とくにハイカーに人気の戦場ヶ原の自然研究路はメッカで、5〜6月の早朝には、ホウジロやアオジ、モズ、夏はカッコウやアカハラ、冬はハギマシコやオオジシギなどが見られます。近くの湯元や金精(こんせい)峠、光徳(こうとく)牧場でも楽しめます。
次は長野県の軽井沢です。昭和初期、中西悟堂によって紹介されたことで有名ですが、近年では日本野鳥の会のモデル地区として指定されているほどです。とくに中軽井沢の「野鳥の森」は国設で、カラマツやドングリの森、沢や丘などもある変化に富んだ所で、初夏がトップシーズンです。冬場はかなり寒くなるため、人影もまばらとなりますが、山の冷気に張り詰めたなか、シジュウカラやキツツキに交じり、シベリアから渡ってくるアトリやシメ、ベニマシコなど30種類の野鳥を見ることができます。
そして、最後は山梨県側の富士山麓です。富士河口湖町(旧足和田村)の青木ヶ原樹海の一角に「野鳥の森公園」が設けられており、毎年4〜5月の春先や初夏、森林浴がてらヤマガラやコガラ、ホトトギス、ジュウイチ、ミソサザイなどの姿を見届けることができます。また、北部の西湖(さいこ)や東海自然歩道の紅葉台では富士山の勇姿を正面に仰ぎ見ながらバードウォッチングが楽しめます。
なお、これらの地域のほか、福島県の裏磐梯高原も野鳥が多く、北塩原村の山中にやはり「野鳥の森」が整備されています。
次回は「山小屋」についてお伝えします。
北から順に、まずは栃木県・奥日光です。その数は18目、43科、175種類といわれているほど日本有数の探鳥地です。とくにハイカーに人気の戦場ヶ原の自然研究路はメッカで、5〜6月の早朝には、ホウジロやアオジ、モズ、夏はカッコウやアカハラ、冬はハギマシコやオオジシギなどが見られます。近くの湯元や金精(こんせい)峠、光徳(こうとく)牧場でも楽しめます。
次は長野県の軽井沢です。昭和初期、中西悟堂によって紹介されたことで有名ですが、近年では日本野鳥の会のモデル地区として指定されているほどです。とくに中軽井沢の「野鳥の森」は国設で、カラマツやドングリの森、沢や丘などもある変化に富んだ所で、初夏がトップシーズンです。冬場はかなり寒くなるため、人影もまばらとなりますが、山の冷気に張り詰めたなか、シジュウカラやキツツキに交じり、シベリアから渡ってくるアトリやシメ、ベニマシコなど30種類の野鳥を見ることができます。
そして、最後は山梨県側の富士山麓です。富士河口湖町(旧足和田村)の青木ヶ原樹海の一角に「野鳥の森公園」が設けられており、毎年4〜5月の春先や初夏、森林浴がてらヤマガラやコガラ、ホトトギス、ジュウイチ、ミソサザイなどの姿を見届けることができます。また、北部の西湖(さいこ)や東海自然歩道の紅葉台では富士山の勇姿を正面に仰ぎ見ながらバードウォッチングが楽しめます。
なお、これらの地域のほか、福島県の裏磐梯高原も野鳥が多く、北塩原村の山中にやはり「野鳥の森」が整備されています。
次回は「山小屋」についてお伝えします。