第17回 山とグルメ
必要な分だけ買い、煮炊きをして持参する
「名物にうまい物なし」などという諺がありますが、山歩きの楽しみの一つに食べ物があることも事実です。
そこで、今回は、山とグルメについてお話したいと思います。とはいっても、決してかしこまることはなく、基本的には、下界で心得ていることを実行すれば、どうこういうこともないのではないかと思います。
具体的には、食料は、あらかじめ仲間と食料班を決め、全員でそれぞれの好みや希望、栄養バランスを考えながらメニューを決め、必要な人数分だけを買います。というと、当たり前のようですが、スーパーやデパートなどでパックの総菜を買い求めたら、量も予算もオ−バーということになりかねません。このため、近所の青果店で最小限の人数分だけ買うようにします。最近人気の“無人スタンド”で、小まめに買い出しをするのもいいでしょう。
次に、これらの必要な分だけを買ったら自宅で煮炊きをし、安心して保存できるポリ袋などに入れて持参します。あとは、現地でコッヘル(携帯用容器)に入れ替え、ガスバーナーで温めれば、コンビニのおにぎりやサンドイッチ、インスタント食品やレトルト食品にはない、下界と同様の味、いえ、山の新鮮な空気も味付けされ、下界以上の美味を楽しむことができます。
そこで、今回は、山とグルメについてお話したいと思います。とはいっても、決してかしこまることはなく、基本的には、下界で心得ていることを実行すれば、どうこういうこともないのではないかと思います。
具体的には、食料は、あらかじめ仲間と食料班を決め、全員でそれぞれの好みや希望、栄養バランスを考えながらメニューを決め、必要な人数分だけを買います。というと、当たり前のようですが、スーパーやデパートなどでパックの総菜を買い求めたら、量も予算もオ−バーということになりかねません。このため、近所の青果店で最小限の人数分だけ買うようにします。最近人気の“無人スタンド”で、小まめに買い出しをするのもいいでしょう。
次に、これらの必要な分だけを買ったら自宅で煮炊きをし、安心して保存できるポリ袋などに入れて持参します。あとは、現地でコッヘル(携帯用容器)に入れ替え、ガスバーナーで温めれば、コンビニのおにぎりやサンドイッチ、インスタント食品やレトルト食品にはない、下界と同様の味、いえ、山の新鮮な空気も味付けされ、下界以上の美味を楽しむことができます。
山菜や川魚は勝手に取らず、郷土の味を楽しむのも
ところで、食料は現地で調達したいという人もいるかもしれませんが、山菜の取れる場所は入会権が必要であったり、私有地であったりする所が大半です。
また、川魚は、漁業権を認め合って生活の糧にしている所がほとんどですので、これまた、勝手に取ることはもとより、足を踏み入れることもしてはいけません。
このほか、国立公園や国定公園は、国や都道府県などが管理している所ですので、“国民の財産”だからといって、無断で採取することも許されません。何よりも、そこで暮らしている土地の人々や動植物に多大な影響を与え、自然の生態系を壊しかねません。
ところで、昨今、クマやシカ、イノシシなどの食害や、里山での出没が取り沙汰されています。しかしその原因は、元を正せば、われわれ人間が彼らのテリトリーに侵入し、貴重な食料を採取したり、残飯を捨てたりして人間の食べ物の味を覚えさせたため、やむを得ず里山に現れて田畑を荒らしたり、山菜取りにきた不心得者に反撃を企てているにすぎません。
そこで、食料の現地調達は原則としてせず、許可を得て採取できる場合でも人数分だけにし、「お裾分けをいただく」といった謙虚さが必要です。
どうしても、という場合でも、郷土料理や名物の味を楽しみ、売り上げに協力するくらいのゆとりを持ちたいものです。なかには長野、群馬県境の碓氷峠の力餅のように「名物にうまい物あり」に遭遇することもあります。そのようなときは土地の素朴な人情や歴史に触れ、感動することでしょう。
また、川魚は、漁業権を認め合って生活の糧にしている所がほとんどですので、これまた、勝手に取ることはもとより、足を踏み入れることもしてはいけません。
このほか、国立公園や国定公園は、国や都道府県などが管理している所ですので、“国民の財産”だからといって、無断で採取することも許されません。何よりも、そこで暮らしている土地の人々や動植物に多大な影響を与え、自然の生態系を壊しかねません。
ところで、昨今、クマやシカ、イノシシなどの食害や、里山での出没が取り沙汰されています。しかしその原因は、元を正せば、われわれ人間が彼らのテリトリーに侵入し、貴重な食料を採取したり、残飯を捨てたりして人間の食べ物の味を覚えさせたため、やむを得ず里山に現れて田畑を荒らしたり、山菜取りにきた不心得者に反撃を企てているにすぎません。
そこで、食料の現地調達は原則としてせず、許可を得て採取できる場合でも人数分だけにし、「お裾分けをいただく」といった謙虚さが必要です。
どうしても、という場合でも、郷土料理や名物の味を楽しみ、売り上げに協力するくらいのゆとりを持ちたいものです。なかには長野、群馬県境の碓氷峠の力餅のように「名物にうまい物あり」に遭遇することもあります。そのようなときは土地の素朴な人情や歴史に触れ、感動することでしょう。
決められた場所で楽しむ場合
最後に、どうしても調理をしたいときの場所選びですが、こちらも山中であろうと、渓谷であろうと、勝手に煮炊きをしたりすることはできないので、必ず指定された所で行いましょう。
たとえば、キャンプ場では炊事場やバーベキューコーナー、トイレなどが用意されているので、安心して楽しめます。場所によっては、麓の青果店や特設の売店で、人数分をセットにした食料を売っている場合もあるので、事前に現地の役場や観光協会などをインターネットで調べておくとよいでしょう。
また、調理で重要なものに水がありますが、水場の有無を事前に調べておくとともに、ある場合でも台風や山・崖崩れなどで崩壊していないかどうか、めざす山の登山記録をインターネットなどで確認するのも方法の一つです。その際、水場があるからといっても安心せず、上流に集落やキャンプ場がないかどうかもチェックしましょう。
なお、ゴミを持ち帰ることは常識ですが、そのためにはゴミになりそうな物は持ち込ないことが先決です。また、調理や食器洗いの際、合成洗剤を使用することも厳禁です。
次回は「山と文学」についてお伝えします。
たとえば、キャンプ場では炊事場やバーベキューコーナー、トイレなどが用意されているので、安心して楽しめます。場所によっては、麓の青果店や特設の売店で、人数分をセットにした食料を売っている場合もあるので、事前に現地の役場や観光協会などをインターネットで調べておくとよいでしょう。
また、調理で重要なものに水がありますが、水場の有無を事前に調べておくとともに、ある場合でも台風や山・崖崩れなどで崩壊していないかどうか、めざす山の登山記録をインターネットなどで確認するのも方法の一つです。その際、水場があるからといっても安心せず、上流に集落やキャンプ場がないかどうかもチェックしましょう。
なお、ゴミを持ち帰ることは常識ですが、そのためにはゴミになりそうな物は持ち込ないことが先決です。また、調理や食器洗いの際、合成洗剤を使用することも厳禁です。
次回は「山と文学」についてお伝えします。