第14回 山の植物
山の花々
山歩きの楽しみにはいろいろなものがあります。しかも、それは人により、山によりさまざまです。そのような山歩きの楽しみの代表的なものの一つに、山の花々があります。あえて、「花」と言わず、「花々」というのはほかでもありません。それだけ山の花の種類が多いからです。
たとえば、春なら、ピンクのヤマザクラからユキノツバキ、黄色のロウバイ、純白のコブシ、ニリンソウ、ヒトリシズカ、夏から秋にかけてなら、ピンクのイワカガミやヤナギラン、オレンジ色のクルマユリ、純白のワタスゲ、ミズバショウ、紫のミヤマリンドウ、黄色のキンコウカ、ニッコウキスゲ、クロユリ、紫のイワギキョウ、ピンクのコマクサなど、彩りも加わってさまざまな花を見ることができます。
もっとも、これらの花々を一堂に鑑賞するには、現地の山岳博物館や植物図鑑、山岳写真集に頼らなければ不可能です。そこで、目当ての花々の名所から山を選ぶことになります。
たとえば、コブシなら軽井沢、ワタスゲやミズバショウなら尾瀬、ニッコウキスゲミなら長野の霧ケ峰、クロユリやハクサンチドリなら石川の白山、シャクナゲなら伊豆の天城山、コマクサなら群馬の本白根山などといった具合です。
いずれにしても、コースによっては体力を消耗させられる山歩きですが、登山道に咲く可憐な花々の姿に安らぎを覚えたり、励まされたりするのは、山でしか味わえない喜びです。
たとえば、春なら、ピンクのヤマザクラからユキノツバキ、黄色のロウバイ、純白のコブシ、ニリンソウ、ヒトリシズカ、夏から秋にかけてなら、ピンクのイワカガミやヤナギラン、オレンジ色のクルマユリ、純白のワタスゲ、ミズバショウ、紫のミヤマリンドウ、黄色のキンコウカ、ニッコウキスゲ、クロユリ、紫のイワギキョウ、ピンクのコマクサなど、彩りも加わってさまざまな花を見ることができます。
もっとも、これらの花々を一堂に鑑賞するには、現地の山岳博物館や植物図鑑、山岳写真集に頼らなければ不可能です。そこで、目当ての花々の名所から山を選ぶことになります。
たとえば、コブシなら軽井沢、ワタスゲやミズバショウなら尾瀬、ニッコウキスゲミなら長野の霧ケ峰、クロユリやハクサンチドリなら石川の白山、シャクナゲなら伊豆の天城山、コマクサなら群馬の本白根山などといった具合です。
いずれにしても、コースによっては体力を消耗させられる山歩きですが、登山道に咲く可憐な花々の姿に安らぎを覚えたり、励まされたりするのは、山でしか味わえない喜びです。
山の木々
次に山の木々ですが、春なら新芽の緑も鮮やかなカラマツからケヤキ、コメツガ、トチノキ、ホウノキ、ブナ、秋を黄色に彩るシラカバやミズナラ、カツラ、ダケカンバ、真紅のカエデ、赤い実をつけたナナカマドなどが代表的です。
もっとも、これらの木々に混じり、トドマツやハイマツ、ゴヨウマツなど常緑の針葉樹がたたずむ風情もまた、筆舌に尽くしがたいものです。山やコースによっては地元の小中学校の児童生徒や森林管理署(旧営林署)、自然保護団体などが、それぞれの木々に種類や太さ、植生帯上、貴重な由来を記した立て札を取り付けたものもあるため、参考になります。
もちろん、上記した花々と同様、これらの木々を一堂に鑑賞するには、現地の山岳博物館や植物図鑑、山岳写真集にでも頼らなければ不可能なため、それぞれの木々の豊富なコースの山を選ぶことになります。
たとえば、カラマツやシラカバなどの新緑や紅葉を楽しむなら北海道・大雪山や十和田湖、奥日光、富士山麓、軽井沢、草津、志賀高原、那須、箱根、長野の上高地、乗鞍、御岳、白山、立山、鳥取の大山、岡山の蒜山高原、宮崎のえびの高原、鹿児島の霧島などですが、コメツガやトチノキ、ホウノキ、ミズナラ、カツラ、ダケカンバなら立山、ブナなら青森の白神山地や白山などがベストでしょう。
いずれにしても、これらの木々にオオルリやアオゲラ、イワヒバリ、ライチョウなどの野鳥やテンなどの小動物が愛らしい姿を見せれば、山の興趣は一層増すことでしょう。
もっとも、これらの木々に混じり、トドマツやハイマツ、ゴヨウマツなど常緑の針葉樹がたたずむ風情もまた、筆舌に尽くしがたいものです。山やコースによっては地元の小中学校の児童生徒や森林管理署(旧営林署)、自然保護団体などが、それぞれの木々に種類や太さ、植生帯上、貴重な由来を記した立て札を取り付けたものもあるため、参考になります。
もちろん、上記した花々と同様、これらの木々を一堂に鑑賞するには、現地の山岳博物館や植物図鑑、山岳写真集にでも頼らなければ不可能なため、それぞれの木々の豊富なコースの山を選ぶことになります。
たとえば、カラマツやシラカバなどの新緑や紅葉を楽しむなら北海道・大雪山や十和田湖、奥日光、富士山麓、軽井沢、草津、志賀高原、那須、箱根、長野の上高地、乗鞍、御岳、白山、立山、鳥取の大山、岡山の蒜山高原、宮崎のえびの高原、鹿児島の霧島などですが、コメツガやトチノキ、ホウノキ、ミズナラ、カツラ、ダケカンバなら立山、ブナなら青森の白神山地や白山などがベストでしょう。
いずれにしても、これらの木々にオオルリやアオゲラ、イワヒバリ、ライチョウなどの野鳥やテンなどの小動物が愛らしい姿を見せれば、山の興趣は一層増すことでしょう。
自然との共生とセラピー
ところで、このような花々や木々の植物などの山の自然は、私たちの日々の生活にもさまざまな恵みをもたらしています。
たとえばブナの林は保水力にすぐれており、麓の住民を水害から守る「治山治水」のための、“緑のダム”として知られています。また、花々は単に目の保養になるだけでなく、ふだん何かと疲れ気味の私たちの心を癒してくれます。さらに、種類によっては観賞用として栽培され、地元の経済さえも潤してくれます。
木々も、住宅の建材や薪、炭などの燃料、また、木の実や葉は郷土料理の品や添え物などとして活用され、その道の通に喜ばれています。
このほか、最近では、自然との共生や森林浴には、山や森の持つ“癒しの力”が私たちの心身をリフレッシュさせるだけでなく、がんを抑制する免疫細胞を活性化させる効果もあることが証明されています。
これが「森林セラピー」と呼ばれるもので、現在、東京都檜原村の「檜原都民の森」などをはじめ、全国で24か所が森林セラピー実行委員会(事務局・社団法人国土緑化推進機構内)により「セラピー基地・ロード」として認定されており、その存在が知られつつあります。
ともあれ、このように山の花々や木々などの植物は、私たちのように山を愛する者だけでなく、国民全体の財産として大切にして後世に残したいものです。
次回は「紅葉の山歩き」についてお伝えします。
たとえばブナの林は保水力にすぐれており、麓の住民を水害から守る「治山治水」のための、“緑のダム”として知られています。また、花々は単に目の保養になるだけでなく、ふだん何かと疲れ気味の私たちの心を癒してくれます。さらに、種類によっては観賞用として栽培され、地元の経済さえも潤してくれます。
木々も、住宅の建材や薪、炭などの燃料、また、木の実や葉は郷土料理の品や添え物などとして活用され、その道の通に喜ばれています。
このほか、最近では、自然との共生や森林浴には、山や森の持つ“癒しの力”が私たちの心身をリフレッシュさせるだけでなく、がんを抑制する免疫細胞を活性化させる効果もあることが証明されています。
これが「森林セラピー」と呼ばれるもので、現在、東京都檜原村の「檜原都民の森」などをはじめ、全国で24か所が森林セラピー実行委員会(事務局・社団法人国土緑化推進機構内)により「セラピー基地・ロード」として認定されており、その存在が知られつつあります。
ともあれ、このように山の花々や木々などの植物は、私たちのように山を愛する者だけでなく、国民全体の財産として大切にして後世に残したいものです。
次回は「紅葉の山歩き」についてお伝えします。