第12回 山での緊急対応法
備えあれば憂いなし
「備えあれば憂いなし」――先人たちはうまくいったもので、山歩きの場合もまさにその言葉どおりです。山は下界と違い、相手が自然であるため、いつ、どのようなアクシデントに見舞われるかもわかりません。さらに、シニア世代ともなれば、気力はともかく、体力は確実に、しかも年々落ちていっています。いくら親しい仲間と一緒でも、油断は禁物です。
どんなに低い山や通い慣れた山でも、また、日帰りの計画だとしても、ガーゼや三角巾、包帯、絆創膏、傷薬、内服薬などの救急用品や医薬品はもとより、携帯電話やトランシーバー、携帯ラジオ、懐中電灯、ろうそく、新聞紙なども持参するようにしましょう。
水を飲む場合は、たとえ水場のものでも、上流に山小屋やキャンプ場があれば、大腸菌で汚染されていることも考えられます。そこで、なるべく持参し、現地の水は飲まないようにしましょう。食料も傷みやすいので要注意です。
また、小枝などでけがをしないよう、帽子をかぶり、長袖と長ズボンのスタイルに徹しましょう。このほか、夏場の高山は気温が低くて快適でも、紫外線がことのほか強いため、日焼け止めクリームを塗ったり、サングラスをかけたりしたりします。
どんなに低い山や通い慣れた山でも、また、日帰りの計画だとしても、ガーゼや三角巾、包帯、絆創膏、傷薬、内服薬などの救急用品や医薬品はもとより、携帯電話やトランシーバー、携帯ラジオ、懐中電灯、ろうそく、新聞紙なども持参するようにしましょう。
水を飲む場合は、たとえ水場のものでも、上流に山小屋やキャンプ場があれば、大腸菌で汚染されていることも考えられます。そこで、なるべく持参し、現地の水は飲まないようにしましょう。食料も傷みやすいので要注意です。
また、小枝などでけがをしないよう、帽子をかぶり、長袖と長ズボンのスタイルに徹しましょう。このほか、夏場の高山は気温が低くて快適でも、紫外線がことのほか強いため、日焼け止めクリームを塗ったり、サングラスをかけたりしたりします。
急病の際の対応法
さて、急病の際の対応法ですが、仲間がけがをしたり、事故に遭ったら、医療班を中心に、みんなで協力し、冷静、かつ機敏に対処しましょう。
具体的なケースを考えてみましょう。
足にマメや水泡ができて歩けなくなった場合には、赤くなっているところに絆創膏やテープを貼って対処します。しかし、本来はそのようにならないよう、日ごろから登山靴を履き慣らしておいたり、靴ずれをしやすい個所には事前に石鹸を入念に塗って滑りやすくしておきます。マメができてしまったら、つぶさずに化膿止めを塗り、滅菌用のガーゼを当ててテーピングをします。他の擦り傷や切り傷の場合も同様に、外傷用の軟膏と携帯用の絆創膏で手当てをしましょう。
熱中症の症状が出たら衣服をゆるめ、涼しい所で頭を高くして仰向けに寝かせ、水分や塩分を補給します。
骨折してしまった場合、傷や出血の個所を消毒するなどの手当てをしたあと、小枝を2〜3本使って副木にして固定し、ただちに医師に診てもらいましょう。ちなみに、多くの登山者が訪れる夏の北アルプスなどの高山の山小屋では、診療所が臨時に開設されるため、場所や診察の時間をあらかじめ調べておくことが大切です。
具体的なケースを考えてみましょう。
足にマメや水泡ができて歩けなくなった場合には、赤くなっているところに絆創膏やテープを貼って対処します。しかし、本来はそのようにならないよう、日ごろから登山靴を履き慣らしておいたり、靴ずれをしやすい個所には事前に石鹸を入念に塗って滑りやすくしておきます。マメができてしまったら、つぶさずに化膿止めを塗り、滅菌用のガーゼを当ててテーピングをします。他の擦り傷や切り傷の場合も同様に、外傷用の軟膏と携帯用の絆創膏で手当てをしましょう。
熱中症の症状が出たら衣服をゆるめ、涼しい所で頭を高くして仰向けに寝かせ、水分や塩分を補給します。
骨折してしまった場合、傷や出血の個所を消毒するなどの手当てをしたあと、小枝を2〜3本使って副木にして固定し、ただちに医師に診てもらいましょう。ちなみに、多くの登山者が訪れる夏の北アルプスなどの高山の山小屋では、診療所が臨時に開設されるため、場所や診察の時間をあらかじめ調べておくことが大切です。
悪天の際の対応法
次に、悪天候に見舞われた場合です。
雷に襲われたら、バラバラになって尾根から下り、くぼ地や山小屋などに身を寄せます。道に迷ったら、間違った地点に引き返しましょう。日没が近いときやガス(霧)に巻かれて道がわからないときは、沢へ下りず、尾根に出るか、大木や岩の陰、くぼみなどでビバーク(緊急露営)しましょう。
具体的には、大木や岩の陰、くぼみをポンチョやツェルト(簡易テント)、ビニールシートで覆います。そのあと、ザックの中身を出して着込んだり、お尻の下に敷いたりして寒さで凍死しないようにします。また、新聞紙を背中やお腹に巻きつけると結構温かいものです。トイレもなるべく我慢します。適当な場所がなければ、ハイマツの群落などに身を潜めます。
そして、携帯電話やトランシーバーなどで地元の警察署や山小屋、留守家族などに緊急事態の発生を連絡します。サブリーダーなど、経験のある仲間を伝令に出したり、旗や笛、呼び子、大声、鏡、灯火、焚き火などで遭難を知らせたりして天気の回復や救助を待ちましょう。また、夜間は交代で起きてランプや懐中電灯、ロウソクを灯し、酸欠や虫刺され、野犬やクマなどの動きに備えることも忘れないようにします。
いずれにしても、このような万一の事態に備え、入山するときに、以前お話ししたように登山計画書を提出するほか、国内旅行傷害保険や山岳保険に加入しておきたいものです。
なお、冬山では周りの雪を集め、雪国のかまくらのような雪洞(せつどう)をつくりますが、ここでは無雪期における山歩きを前提としているのでまたの機会にお話しできると思います。
次回は「山の写真の楽しみ方」についてお伝えします。
雷に襲われたら、バラバラになって尾根から下り、くぼ地や山小屋などに身を寄せます。道に迷ったら、間違った地点に引き返しましょう。日没が近いときやガス(霧)に巻かれて道がわからないときは、沢へ下りず、尾根に出るか、大木や岩の陰、くぼみなどでビバーク(緊急露営)しましょう。
具体的には、大木や岩の陰、くぼみをポンチョやツェルト(簡易テント)、ビニールシートで覆います。そのあと、ザックの中身を出して着込んだり、お尻の下に敷いたりして寒さで凍死しないようにします。また、新聞紙を背中やお腹に巻きつけると結構温かいものです。トイレもなるべく我慢します。適当な場所がなければ、ハイマツの群落などに身を潜めます。
そして、携帯電話やトランシーバーなどで地元の警察署や山小屋、留守家族などに緊急事態の発生を連絡します。サブリーダーなど、経験のある仲間を伝令に出したり、旗や笛、呼び子、大声、鏡、灯火、焚き火などで遭難を知らせたりして天気の回復や救助を待ちましょう。また、夜間は交代で起きてランプや懐中電灯、ロウソクを灯し、酸欠や虫刺され、野犬やクマなどの動きに備えることも忘れないようにします。
いずれにしても、このような万一の事態に備え、入山するときに、以前お話ししたように登山計画書を提出するほか、国内旅行傷害保険や山岳保険に加入しておきたいものです。
なお、冬山では周りの雪を集め、雪国のかまくらのような雪洞(せつどう)をつくりますが、ここでは無雪期における山歩きを前提としているのでまたの機会にお話しできると思います。
次回は「山の写真の楽しみ方」についてお伝えします。