第11回 山でのマナー
下界と山との違い
「公衆道徳」などというと古くさいせいか、最近はこれに代えて「マナー」という言葉がよく使われているようです。しかし、一般的な公衆道徳、マナーとはどのようなものでしょうか。
その答えは、人によって、場所によって微妙に違うようです。ちなみに『広辞苑』によれば、公衆道徳は「公衆の一人として守るべき道徳」、マナーは「行儀。作法」と説明されています。
いずれにしても、自己の権利を主張するだけでなく、その前提ともいえる義務も果たしてこそ、公共の福祉が図られることに変わりはないでしょう。その意味で、マナーは、『広辞苑』にいう「道徳、倫理、習俗」としてのモラルがあってのことであることがわかります。
とりわけ、山においては、このようなマナーが下界以上に強く求められます。なぜなら、山は、一歩間違えば命取りになりかねないほど、危険と背中合わせだからです。場合によっては自然の生態系に影響を与え、取り返しのつかない事態になりかねません。
その答えは、人によって、場所によって微妙に違うようです。ちなみに『広辞苑』によれば、公衆道徳は「公衆の一人として守るべき道徳」、マナーは「行儀。作法」と説明されています。
いずれにしても、自己の権利を主張するだけでなく、その前提ともいえる義務も果たしてこそ、公共の福祉が図られることに変わりはないでしょう。その意味で、マナーは、『広辞苑』にいう「道徳、倫理、習俗」としてのモラルがあってのことであることがわかります。
とりわけ、山においては、このようなマナーが下界以上に強く求められます。なぜなら、山は、一歩間違えば命取りになりかねないほど、危険と背中合わせだからです。場合によっては自然の生態系に影響を与え、取り返しのつかない事態になりかねません。
まずは常識的な事柄
まず、常識的なマナーですが、山では原則として上りの人が優先です。このため、下山するとき、上ってくる人たちと出会ったら道を譲ります。そして、その際、気軽に「こんにちは」などと挨拶をして、互いの無事を祈り、自然だけでなく、人とのふれあいも大切にしたいものです。しかし、挨拶できないほど疲労しているときは軽く会釈をしたり、頭を下げたりするだけでも気持ちは伝わります。
最近では、山に愛犬を連れてきたり、携帯ラジオを聴きながら歩いたり、喫煙したりしている人を見かけますが、いずれも非常識きわまりない行動です。なぜなら、犬は放し飼いにしないにせよ、人に吼えたり、かみついたりするおそれのあるほか、国の天然記念物であるライチョウやリス、オコジョなどの小動物に脅威を与えたり、貴重な高山植物を踏み荒らしたりするかもしれないからです。
また、携帯ラジオの音は、下界の喧騒から逃れ、自然に抱かれてリフレッシュしようと、山歩きを楽しんでいる人たちにとっては、単なる騒音となります。まして喫煙は「間接公害」、さらには山火事をも招きかねないので厳禁です。
最近では、山に愛犬を連れてきたり、携帯ラジオを聴きながら歩いたり、喫煙したりしている人を見かけますが、いずれも非常識きわまりない行動です。なぜなら、犬は放し飼いにしないにせよ、人に吼えたり、かみついたりするおそれのあるほか、国の天然記念物であるライチョウやリス、オコジョなどの小動物に脅威を与えたり、貴重な高山植物を踏み荒らしたりするかもしれないからです。
また、携帯ラジオの音は、下界の喧騒から逃れ、自然に抱かれてリフレッシュしようと、山歩きを楽しんでいる人たちにとっては、単なる騒音となります。まして喫煙は「間接公害」、さらには山火事をも招きかねないので厳禁です。
自己管理と謙虚な姿勢で
このほか、勝手に山菜や草花を摘むこと、歩道から外れて写真を撮ったり、スケッチをしたりすることもいけません。また、ゴミも勝手に捨てず、指定された場所に分別して捨てるべきですが、まずは自分の責任で持ち帰ることが基本です。汚物も、携帯用トイレや紙おむつなどを持参して持ち帰りましょう。
また、方角や測量の指標、山小屋、下山口などの位置を示す指導標(コースの案内板)や三角点、ケルン(積み石)が曲げられたり、削られたり、いたずら書きをされたりしたものをしばしば見かけますが、安全にも関わるので許されないことです。
さらに、電車や路線バスで山に向かう際、大きなザックを我が物顔で運び込み、他人のことなどお構いなく、仲間と大きな声で団欒している人たちも見かけます。いくつもの座席を占領し、まるで団体旅行の一行かのようなパーティーもいます。なかには自分や家族の職業や肩書きの自慢話する人もいるようですが、山歩きはあくまでも自然や他人との共生がベースにあるべきで、普段から謙虚な姿勢で臨みたいものです。
次回は「山での緊急対応法」についてお伝えします。
また、方角や測量の指標、山小屋、下山口などの位置を示す指導標(コースの案内板)や三角点、ケルン(積み石)が曲げられたり、削られたり、いたずら書きをされたりしたものをしばしば見かけますが、安全にも関わるので許されないことです。
さらに、電車や路線バスで山に向かう際、大きなザックを我が物顔で運び込み、他人のことなどお構いなく、仲間と大きな声で団欒している人たちも見かけます。いくつもの座席を占領し、まるで団体旅行の一行かのようなパーティーもいます。なかには自分や家族の職業や肩書きの自慢話する人もいるようですが、山歩きはあくまでも自然や他人との共生がベースにあるべきで、普段から謙虚な姿勢で臨みたいものです。
次回は「山での緊急対応法」についてお伝えします。