第7回 山と天気
平地と山の天気の違い
「女心と秋の空」に対し、「男心と秋の空」などと、ことわざにたとえられるほど、その真相(?)はともかくとして、天気は変わりやすいので、予報が難しいといわれています。
気圧の変化や気流の流れに加え、今日では地球温暖化の影響も受けるため、アメダス(地域気象観測システム)など最新の科学の粋を集めても、明日の天気をズバリと当てることすら並大抵のことではありません。
ましてや、複雑な地形も影響する山の天気となればなおさらです。平地の天気がよいからと山に入ったところ、「頂上はガス(雲・霧)に包まれていて展望がまったく利かなかった」、「土砂降りに遭って山歩きどころではなかった。無事に下山できたのがせめてのもの救い」などといった感想が聞かれることも決して珍しくはありません。
要するに、山はいくつもの川や谷を形成していたり、海岸線から延びて頂をつくったりなどと複雑な地形になっているため、天気が左右されやすいので、予報が難しいというわけです。
気圧の変化や気流の流れに加え、今日では地球温暖化の影響も受けるため、アメダス(地域気象観測システム)など最新の科学の粋を集めても、明日の天気をズバリと当てることすら並大抵のことではありません。
ましてや、複雑な地形も影響する山の天気となればなおさらです。平地の天気がよいからと山に入ったところ、「頂上はガス(雲・霧)に包まれていて展望がまったく利かなかった」、「土砂降りに遭って山歩きどころではなかった。無事に下山できたのがせめてのもの救い」などといった感想が聞かれることも決して珍しくはありません。
要するに、山はいくつもの川や谷を形成していたり、海岸線から延びて頂をつくったりなどと複雑な地形になっているため、天気が左右されやすいので、予報が難しいというわけです。
日本の気象と山の天気
そこで、まず日本の地形の基本的な知識を押さえておきましょう。日本列島は東西、南北ともに長く、国土の約7割を山が占めています。さらに上空には絶えず偏西風が吹いており、天気は西から次第に変わっていきます。
季節的には、中国大陸から移動性高気圧が日本海に張り出してくると春を迎えますが、やがて、南岸に前線が停滞し始めると梅雨入りとなります。その後、赤道や小笠原方面から太平洋高気圧が北上して梅雨前線を押し上げ、日本列島を覆うと真夏の猛暑となります。このころは1年で最も天気が安定しますが、午後は夕立や雷に見舞われやすいため、注意する必要があります。
この高気圧も東の海上に去り、大陸からの移動性高気圧に覆われると秋に変わります。もっとも、低気圧が列島をサンドイッチにするように居座ると山は大荒れとなり、降雪や突風となるなど冬山同然に一変します。
そして、シベリア方面から寒気団が南下すると冬になります。このため、よほどの経験者でもない限り、冬の山歩きは低いコースに変更し、安全登山を心がけることになります。
季節的には、中国大陸から移動性高気圧が日本海に張り出してくると春を迎えますが、やがて、南岸に前線が停滞し始めると梅雨入りとなります。その後、赤道や小笠原方面から太平洋高気圧が北上して梅雨前線を押し上げ、日本列島を覆うと真夏の猛暑となります。このころは1年で最も天気が安定しますが、午後は夕立や雷に見舞われやすいため、注意する必要があります。
この高気圧も東の海上に去り、大陸からの移動性高気圧に覆われると秋に変わります。もっとも、低気圧が列島をサンドイッチにするように居座ると山は大荒れとなり、降雪や突風となるなど冬山同然に一変します。
そして、シベリア方面から寒気団が南下すると冬になります。このため、よほどの経験者でもない限り、冬の山歩きは低いコースに変更し、安全登山を心がけることになります。
現地の情報や観天望気、動植物の様子も観察
最後に、実際に山に入るときの心得です。高い山では標高が100メートル増すごとに気温が0.6度下がるのに対し、風の強さは風速が1メートル増すごとに体感温度が1度下がります。このため、標高3000メートル級の日本アルプスなどでは、夏山といっても悪天候に見舞われると疲労凍死するおそれがあるため、注意が必要です。
そこで、入山する前に新聞やテレビ、ラジオ、インターネットなどで現地の天気予報に注意することになります。とりわけ、人気のある夏山については、期間中、毎日のように現地の天気の予報も行われていますが、これらの情報はあくまでも参考程度に止め、山中の行動では地元の住民や山小屋のご主人に天気の見通しを聞くのが一番です。
このほか、空の色や空気の澄み具合、山彦の利き具合などで観天望気を行い、天気の移り変わりを予想します。また、動物の行動や周りの植物の様子などをよく観察し、悪天候に見舞われそうな時間帯を想定したり、いざというとき、どのように避難すべきか、さらにはビバーク(緊急野営)の場所も考えながら行動しましょう。
いずれにしても、このような基本的な知識を習得し、天気予報を聞きながら自分で天気図を描けるようになれば理想的ですが、天気が悪くなったら計画を中止して引き返す“勇気”が何よりも大切です。
次回は「コースの選び方」についてお伝えします。
そこで、入山する前に新聞やテレビ、ラジオ、インターネットなどで現地の天気予報に注意することになります。とりわけ、人気のある夏山については、期間中、毎日のように現地の天気の予報も行われていますが、これらの情報はあくまでも参考程度に止め、山中の行動では地元の住民や山小屋のご主人に天気の見通しを聞くのが一番です。
このほか、空の色や空気の澄み具合、山彦の利き具合などで観天望気を行い、天気の移り変わりを予想します。また、動物の行動や周りの植物の様子などをよく観察し、悪天候に見舞われそうな時間帯を想定したり、いざというとき、どのように避難すべきか、さらにはビバーク(緊急野営)の場所も考えながら行動しましょう。
いずれにしても、このような基本的な知識を習得し、天気予報を聞きながら自分で天気図を描けるようになれば理想的ですが、天気が悪くなったら計画を中止して引き返す“勇気”が何よりも大切です。
次回は「コースの選び方」についてお伝えします。