第6回 山と地図
地図のいろいろ
「地図」というと、多くの方はおそらく山歩きのガイドブックや観光パンフレット、あるいは新聞・雑誌の山歩きの記事や旅行・鉄道・バス会社のハイキングツアーのチラシに載っているものを想像されるのではないでしょうか。しかし、実は一口に地図といってもいろいろな種類があります。
まず、私たちのふだんの生活のなかで最も身近なものに市街地図や住宅地図、道路地図があります。これらは買い物やアパート探し、ドライブなどのときに便利なものです。もっとも、ドライブの場合、最近は人工衛星で、現在地や行き先の道路を瞬時に教えてくれるカーナビ(カーナビゲーションシステム)が普及しているため、道路地図はあまり利用されなくなってきつつあります。
次に、上述したガイドブックやパンフレット、新聞・雑誌の記事やチラシのものですが、これらは所詮は観光地図です。それも略図やイラスト程度のものが圧倒的に多く、実際の山歩きでは参考程度にしかなりません。その意味でも、山の地図といえば国土地理院が発行している地形図を活用しましょう。
まず、私たちのふだんの生活のなかで最も身近なものに市街地図や住宅地図、道路地図があります。これらは買い物やアパート探し、ドライブなどのときに便利なものです。もっとも、ドライブの場合、最近は人工衛星で、現在地や行き先の道路を瞬時に教えてくれるカーナビ(カーナビゲーションシステム)が普及しているため、道路地図はあまり利用されなくなってきつつあります。
次に、上述したガイドブックやパンフレット、新聞・雑誌の記事やチラシのものですが、これらは所詮は観光地図です。それも略図やイラスト程度のものが圧倒的に多く、実際の山歩きでは参考程度にしかなりません。その意味でも、山の地図といえば国土地理院が発行している地形図を活用しましょう。
山の地形図の読み方
地形図は、上が北、下が南、右が東、左が西をそれぞれ示しており、これに神社や寺、学校、病院、警察署、田畑、森林、山や丘陵地、海岸、市街の道路や林道、登山路、水場、山小屋などが併記されています。そして、等高線が一定の間隔ごとに記入されています。
このうち、等高線はその間隔が狭いほど傾斜が急であるのに対し、広いほど傾斜も緩やかになっています。山頂は丸くて小さな等高線で囲まれているほか、展望の効く周囲の平地に三角点が設けられており、南に向けて山の名前(山名)が書き添えられているため、磁石を忘れたり、紛失したりしても東西南北がわかるようになっています。
〈等高線と実際の地図の関係〉
このうち、等高線はその間隔が狭いほど傾斜が急であるのに対し、広いほど傾斜も緩やかになっています。山頂は丸くて小さな等高線で囲まれているほか、展望の効く周囲の平地に三角点が設けられており、南に向けて山の名前(山名)が書き添えられているため、磁石を忘れたり、紛失したりしても東西南北がわかるようになっています。
〈等高線と実際の地図の関係〉
また、地形図で実際の距離を測るには、「2万5000分の1」のものの場合、図上の1センチは現地の2万5000センチ、すなわち、250メートルとなります。そこで、コンパスを使うと簡単に計測できますが、現地に入ったら絶えず地形図で現在地を確認します。また、行き会ったハイカーや山小屋の従業員などと情報交換し、最新の情報を入手して安全登山に努めることも大切です。
地形図は「見る」のではなく、「読む」
なお、地形図は全国の主要な書店や登山用品店で手に入れることができます。ガイドブックのなかには、地形図にハイカーや山小屋、森林組合、市町村、森林管理署、警察署などの情報を盛り込んだものもありますが、作成日に十分注意しましょう。あまり古いものの場合、山・崖崩れや地震、雪崩、あるいはダムの整備や林道の改修などで登山路が寸断されていたり、変更されたりしていて現地で計画の変更を余儀なくされることもあるからです。
ともあれ、地形図は「見る」のではなく、あくまでも「読む」ものです。このため、山歩きの計画の時点でガイドブックなどと照らし合わせたり、現地では休憩のときに必ず現在地を地形図で確認したりするなどして、地形の記号や等高線を見ただけで現地の地形や様子が一目で俯瞰することができるようにしたいものです。
次回は「山と天気」についてお伝えします。
ともあれ、地形図は「見る」のではなく、あくまでも「読む」ものです。このため、山歩きの計画の時点でガイドブックなどと照らし合わせたり、現地では休憩のときに必ず現在地を地形図で確認したりするなどして、地形の記号や等高線を見ただけで現地の地形や様子が一目で俯瞰することができるようにしたいものです。
次回は「山と天気」についてお伝えします。