第2回 山歩きの醍醐味
人はなぜ、山に魅せられるのか
今回からは、具体的な山歩きに関わるあれこれについて述べていきますが、その前に、人はなぜ、山に魅せられるのかを考えてみましょう。
そうはいっても、山に対する思いや憧れ、イメージ、夢などは俗に「十人十色」といわれるように、人それぞれですので実は大変難しい問題です。
なぜなら、一口に山といっても、国内の山から国外の山まであるうえ、ヒマラヤのように標高8,000メートル級もの高峰もあれば、地図にも載っていない丘陵地や里山などもあるからです。
しかし、「山、高きがゆえに貴からず」ともいわれるように、低い山や地図にも載っていないような丘陵地や里山でも、関係者にとっては古くから心のよりどころとなっている場合も少なくありません。そればかりか、その山のもたらす自然が麓の人々にさまざまな恵みをもたらし、生活を潤わせているのです。
そうはいっても、山に対する思いや憧れ、イメージ、夢などは俗に「十人十色」といわれるように、人それぞれですので実は大変難しい問題です。
なぜなら、一口に山といっても、国内の山から国外の山まであるうえ、ヒマラヤのように標高8,000メートル級もの高峰もあれば、地図にも載っていない丘陵地や里山などもあるからです。
しかし、「山、高きがゆえに貴からず」ともいわれるように、低い山や地図にも載っていないような丘陵地や里山でも、関係者にとっては古くから心のよりどころとなっている場合も少なくありません。そればかりか、その山のもたらす自然が麓の人々にさまざまな恵みをもたらし、生活を潤わせているのです。
高低にかかわることなく、揺すぶられる心
「ふるさとの山に向かひて いうことなし ふるさとの山はありがたきかな」
漂泊の詩人・石川啄木は、ふるさとの岩手山や姫神山に対する思いをこのような望郷あふれる詩に詠んでいます。
国土の7割が山からなる日本人であれば、だれかれなく、また、高低にかかわることなく、この詩のように心を揺すぶられるのではないでしょうか。
全国各地にふるさとの富士があることや、小学校や中学校の校歌、また、郷土の歌のなかにも多くの山が歌い込められたりしているからです。なかには、信仰の山として今なお崇拝されている霊山もあります。
そのような意味では、山は日々の生活にとってなくてはならないものであったり、信仰の対象であったりするわけですが、本連載の対象である山も地域によってはそのようにとらえられていることもあります。
漂泊の詩人・石川啄木は、ふるさとの岩手山や姫神山に対する思いをこのような望郷あふれる詩に詠んでいます。
国土の7割が山からなる日本人であれば、だれかれなく、また、高低にかかわることなく、この詩のように心を揺すぶられるのではないでしょうか。
全国各地にふるさとの富士があることや、小学校や中学校の校歌、また、郷土の歌のなかにも多くの山が歌い込められたりしているからです。なかには、信仰の山として今なお崇拝されている霊山もあります。
そのような意味では、山は日々の生活にとってなくてはならないものであったり、信仰の対象であったりするわけですが、本連載の対象である山も地域によってはそのようにとらえられていることもあります。
山歩きの醍醐味は達成感や開放感、満足感
しかし、山歩きの醍醐味といえば、やはり、山の頂に立ち、周囲の山並みや下界を見下ろしたときの達成感や開放感、満足感です。山の冷気や新鮮な空気は、登った者にしか味わえないのではないでしょうか。
石川、福井、岐阜県にまたがる早暁の白山のたたずまい。海岸線から島の中央に向かってせり上がり、孤高の峰を形づくっている高みから、広大な北海道の原野とオホーツクの海を望見できる利尻山は今でも忘れられません。
また、標高が4,000メートル級以上の高峰ともなれば、その神々しさや大らかさ、重厚さがあります。国外では、ヨーロッパアルプスのアイガーの重厚さや、ニュージーランドのサザンアルプスの盟主・マウントクック、カナディアンロッキーのマウント・ロブソンの圧巻も脳裏に焼きついて離れません。
このような山の醍醐味をみなさんにもぜひ味わっていただきたいと思います。
次回は「山歩きと服装」をお伝えします。
石川、福井、岐阜県にまたがる早暁の白山のたたずまい。海岸線から島の中央に向かってせり上がり、孤高の峰を形づくっている高みから、広大な北海道の原野とオホーツクの海を望見できる利尻山は今でも忘れられません。
また、標高が4,000メートル級以上の高峰ともなれば、その神々しさや大らかさ、重厚さがあります。国外では、ヨーロッパアルプスのアイガーの重厚さや、ニュージーランドのサザンアルプスの盟主・マウントクック、カナディアンロッキーのマウント・ロブソンの圧巻も脳裏に焼きついて離れません。
このような山の醍醐味をみなさんにもぜひ味わっていただきたいと思います。
次回は「山歩きと服装」をお伝えします。