第18回 脳卒中と薬
前回は高血圧のお話をしましたが、今回は高血圧を長く放置しているとおこりやすくなる脳卒中についてお話します。今年は、夏から急に冬を迎えたかのような季節の移ろいですが、屋内(寝室⇔トイレ、浴室⇔脱衣室など)、屋内外での寒暖差が大きくなる冬には脳卒中がおきやすくなる心配があります。
脳卒中とは
脳卒中の症状
主な症状には、次のようなものがあります。
運動麻痺: | 片麻痺(左右の脳から出た神経は、首のあたりで交差して全身に伸びています。そのため、手足の麻痺や感覚の障害は脳梗塞をおこした反対側の体に症状が現れます) |
感覚障害: | 視覚、聴覚、味覚障害 |
意識障害: | 思考、判断、記憶障害 |
失 語: | 発語障害、言葉の理解の障害 |
失 認: | 物の認識障害 |
失見当識: | 状況の認識障害 |
脳卒中の危険因子
脳卒中の危険因子には、高血圧・脂質異常症・糖尿病などがあります。
加齢と共に、発症の可能性が増しますので、薬物治療などにより常に正常値を維持するようにします。
加齢と共に、発症の可能性が増しますので、薬物治療などにより常に正常値を維持するようにします。
脳卒中の治療
脳梗塞の治療は、急性期と慢性期に分けられます。
在宅で療養している高齢者は、慢性期の治療のために薬を服用しています。
また、危険因子についてお話しましたが、脳梗塞の高齢者は、高血圧、糖尿病、脂質異常症等の基礎疾患をもっている場合が多いので、まず基礎疾患の治療が行われます。
在宅で療養している高齢者は、慢性期の治療のために薬を服用しています。
また、危険因子についてお話しましたが、脳梗塞の高齢者は、高血圧、糖尿病、脂質異常症等の基礎疾患をもっている場合が多いので、まず基礎疾患の治療が行われます。
慢性期に通常使われる薬には、次のようなものがあります。
脳代謝賦活薬: | 脳の代謝をよくして脳の働きを活発にしたり、脳の神経細胞に必要な物質が脳の中に取り込まれるのを助ける |
脳循環改善薬: | 脳血管を拡張させて血行障害を改善させる |
抗血小板薬や経口抗凝固薬: 血液の凝固を抑える |
慢性の脳梗塞の治療には、下記の薬を同時に何種類か投与することが多くあります。
これらの薬は、長期間に渡って服用することになります。
抗血小板薬や経口抗凝固薬は、下記のような注意が必要です。
これらの薬は、長期間に渡って服用することになります。
抗血小板薬や経口抗凝固薬は、下記のような注意が必要です。
1. | 出血傾向が強くなりますので、抜歯など出血の可能性がある場合は、1週間前から服薬を中止します。 |
2. | ワーファリン等の抗凝固薬を服用中は、納豆やクロレラ等、ビタミンKを多く含む食品は避けます。 |