転倒事故を防ごう!(最終回)
第4回 知っておきたい転倒時の対応方法
いかに予防に努めていても、転倒事故が生じてしまうことはあります。
そこで最終回の今回は、転倒時にどうしたらよいか、その対応方法を考えます。
そこで最終回の今回は、転倒時にどうしたらよいか、その対応方法を考えます。
応急処置の原則は
出血を伴わないけがの場合の応急処置は、以下に示す「RICE」が基本となります。
R | Rest(安静) |
↓ | |
I | Icing(冷却) |
↓ | |
C | Compression(圧迫) |
↓ | |
E | Elevation(挙上) |
●安静
最も大切なのは、安静です。骨折やけがを負ってしまったと思われる部位は、無理に動かしてはいけません。炎症を起こして余計な痛みを生じさせてしまうだけでなく、その後の経過にも影響することがあります。
●冷却
患部やその周囲を冷却すると、痛みが軽くなり、内出血や炎症を抑えることができます。ビニール袋の中に氷を入れて患部に当てるという方法が一般的です。
ただし、冷やしすぎると凍傷になる危険もあるため、タオルに巻いてから冷やすなどの配慮が必要です。
●圧迫
患部を圧迫することにより、内出血や腫れの予防につながります。特に、足首のねんざなどは、腫れがひどいと痛みが強くなり、治るのにも時間がかかってしまいます。弾性包帯を巻いたりテーピングによって、患部に適度の圧迫を与えるようにしましょう。なお、強く圧迫しすぎると、血流が悪くなるので要注意です。
●挙上
患部を心臓より上の位置に挙上します。これによって内出血を防ぐことができ、痛みも軽くなります。クッションや枕など、身の回りにあるものを用いて、患部をのせるとよいでしょう。
最も大切なのは、安静です。骨折やけがを負ってしまったと思われる部位は、無理に動かしてはいけません。炎症を起こして余計な痛みを生じさせてしまうだけでなく、その後の経過にも影響することがあります。
●冷却
患部やその周囲を冷却すると、痛みが軽くなり、内出血や炎症を抑えることができます。ビニール袋の中に氷を入れて患部に当てるという方法が一般的です。
ただし、冷やしすぎると凍傷になる危険もあるため、タオルに巻いてから冷やすなどの配慮が必要です。
●圧迫
患部を圧迫することにより、内出血や腫れの予防につながります。特に、足首のねんざなどは、腫れがひどいと痛みが強くなり、治るのにも時間がかかってしまいます。弾性包帯を巻いたりテーピングによって、患部に適度の圧迫を与えるようにしましょう。なお、強く圧迫しすぎると、血流が悪くなるので要注意です。
●挙上
患部を心臓より上の位置に挙上します。これによって内出血を防ぐことができ、痛みも軽くなります。クッションや枕など、身の回りにあるものを用いて、患部をのせるとよいでしょう。
救急車の要請
頭を打った可能性がある症状(ぼんやりしている、反応がいつもと比べて不自然など)の場合には、硬膜下血腫などの後々重篤な傷害が発生していることも考えられますので、安静の状態で救急車を呼びましょう。もちろん、出血を伴う開放骨折や脱臼も同様です。ただし、前述のように出血がない場合にはRICEが基本的な応急処置となりますが、大量の出血を伴っている場合には、止血を優先させます。
また、大腿骨の骨折の場合には、絶対に立つことができませんので、無理やり立たせたり、動かさないようにしてください。内出血など炎症を促し、その後の治療に悪影響を及ぼすとともに、何より本人に苦痛を与えることとなります。
また、大腿骨の骨折の場合には、絶対に立つことができませんので、無理やり立たせたり、動かさないようにしてください。内出血など炎症を促し、その後の治療に悪影響を及ぼすとともに、何より本人に苦痛を与えることとなります。
転倒を防ぐアイテム
どうしても転倒を防ぐことが難しい場合は、ヒッププロテクター(写真)を使用するのも1つの方法です。ヒッププロテクターとは、転倒した時に股関節を守り、大腿骨近位部骨折を防ぐための下着です。大転子(足の付け根)の部分にパッド式のプロテクターがついているので、転倒しても骨折を防ぐことができるのです。
ただし、履くと窮屈に感じること、見た目に違和感があること、トイレに間に合わなくなる可能性がある、といった問題から、使用には難しさもあるようです。使用すべきかどうかよく見極めながら、転倒予防のための対策として考えてみてください。
ただし、履くと窮屈に感じること、見た目に違和感があること、トイレに間に合わなくなる可能性がある、といった問題から、使用には難しさもあるようです。使用すべきかどうかよく見極めながら、転倒予防のための対策として考えてみてください。
おわりに
転倒は、その後の生活を大きく変えてしまう危険があるアクシデントです。しかし、だからといって、安全だけを優先し、あらゆる活動を制限してしまうと、本来の人間らしい生活から大きく遠ざかってしまいます。確かに、寝た状態で生活をしていれば、ほとんど転倒事故は起こりませんが、本人にとって、それが望ましい生活といえるでしょうか。
転倒を防ぐために十分配慮しながら、本人が尊厳をもっていきいきと生活できるよう、周囲の人たちが協力して支えていきたいものです。
転倒を防ぐために十分配慮しながら、本人が尊厳をもっていきいきと生活できるよう、周囲の人たちが協力して支えていきたいものです。
ご協力いただいた方
上岡洋晴さん(東京農業大学 地域環境科学部 教授)