第２回　ドラックストアの上手な使い方（医療用医薬品と一般用医薬品の違い）

　桜の花が咲き始め、世の中がお花見だ、宴会だと、心ウキウキしている頃、花粉症の患者さんには、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状にはじまり、辛い・もやのかかったような季節の到来となります。毎年花粉症にかかっている患者さんは、早めに耳鼻科を受診して予防薬を処方してもらいますが、すでに耳鼻科は花粉症の患者さんであふれており、長い時間待たされてから薬をもらうことになります。こんなに待たされて、次はいつ受診しようかな…と考え込んでしまう方も多いと思います。
　そんなときに、テレビのコマーシャルで、薬局で買える花粉症の薬の話を聞くと、一度買ってみようかな？効き目はどう違うのかな？と、関心を抱くのではないでしょうか？

　医療用医薬品とは、医師・歯科医師の診察を受け、医師から直接か、医師から出される処方箋によって、薬局でもらえる薬のことをいいます。
　一方、一般用医薬品は、セルフメディケーションといって自分の健康は自分の責任で守っていくという考えをもとに、薬局などで薬剤師や登録販売者のアドバイスを受けて自分の判断で、買う薬をいいます。医療用医薬品と比べると、比較的副作用も少なく、安全性の高い薬が多く、詳しい情報は薬についている文書（添付文書）や製品表示に書かれています。
　一般用医薬品は、医療用医薬品に比べると、薬の値段は高いのですが、病院を受診すれば、診察料、検査料、調剤料などの費用もかかりますし、時間的なロスもかなりあります。症状が軽いうちは、一般用医薬品を使い、それでも症状がよくならない場合には、医師を受診するという方法もあります。


　もう少し、一般用医薬品について詳しくお話すると、一般用医薬品は、リスクの特に高い第１類医薬品・リスクの比較的高い第２類医薬品・リスクの比較的低い第３類医薬品に分かれます。
第１類医薬品は、医療用医薬品と同じような成分が含まれているなど、よりよい効果を得ることができますが、逆にリスクが特に高いため、薬局での販売は薬剤師にしかできません。

分類	リスク	例	対応する専門家
第１類医薬品	特にリスクが高いもの 一般用医薬品としての使用経験が少ない等安全性上特に注意を要する成分を含むもの	Ｈ２ブロッカー含有薬、一部の毛髪用薬等	薬剤師
第２類医薬品	リスクが比較的高いもの まれに入院相当以上の健康被害が生じる可能性がある成分を含むもの	主なかぜ薬、解熱鎮痛薬、胃腸鎮痛鎮けい薬等	薬剤師または登録販売者
第３類医薬品	リスクが比較的低いもの 日常生活に支障を来す程度ではないが、身体の変調・不調が起こるおそれがある成分を含むもの	ビタミンＢ・Ｃ含有保健薬、主な整腸薬、消化薬等	薬剤師または登録販売者

　何類の医薬品であるか、使用期限はいつまでかなど、大切なことは外箱などに書かれています。
　花粉症の薬には、第１類医薬品、第２類医薬品があります。
　一般用医薬品の特長を知って、自分の健康を守るため、より適切に使うことをお進めします。

　先日、介護職の研修で、坐薬を座布団に座ってお飲みになった高齢者の話がでました。
　口の中が、油こくって大変だったというのです。
　アンケートをとってみると、まだ２割の患者さんが坐薬を座って飲む薬と思っているようです。
　小学生にこれはなに？と、坐薬をみせると、即座に“ケツロケット”と返事が返ってきます。
　とても分かりやすいですね！