第15回 インフルエンザとは?
ほとんどの微生物は、私たちにとって無害ですが、なかには私たちに有害にはたらく微生物もあって、これを病原微生物といいます。
微生物は大きさや生きていける環境などから、スピロヘータ、細菌、リケッチア、クラミジア、ウイルス、などに分類されますが、「インフルエンザ」は、ウイルスに分類され、病原微生物のなかで、一番小さな微生物で、このウイルスが私たちのからだの中で増え、有害な症状を引き起こし、重篤になると命をうばうこともあるのです。
目にみえない微生物といっても、分かりにくいと思いますので、人間のからだを地球サイズに例えてみましょう!
人間が地球だとすると、細菌は「かば〜象」の大きさ、ウイルスは「米粒〜ねずみ」の大きさといわれています。
人間という地球の中で、ウイルスというねずみがまさに「ねずみ算」のように増殖し、悪さをするわけです。
昨年(2009年)は新型インフルエンザ(A型、H1N1型)という種類のインフルエンザが世界的に流行し、6月12日には、WHOが世界的流行病(パンデミック)を宣言し、警戒水準をフェーズ6に引き上げました。
昨年の新型インフルエンザは、4月にメキシコで流行が確認されてから、世界的に拡大していきました。豚と豚のあいだで感染していたウイルスが、農場などで型を変えて(変異)、豚から人に感染し、そこから感染が広まったと考えられています。
「新型インフルエンザ」の今までの流行
過去にも、いくつかの「インフルエンザ」の大流行が、多くの人々の命を奪っていきました。
1918年から1919年にかけて、「スペインかぜ」(スペインの王室が罹患したことが報じられたため、この呼び名がつきました)が大流行しました。このとき、人類は初めてインフルエンザの恐ろしい世界的な大流行に遭遇しました。感染者数は6億人、世界の人口の約半分の数です。死者は4,000〜5,000万人といわれ、この数は第二次世界大戦で亡くなった人の1.5倍といわれています。しかしこの頃まだウイルスは発見されていませんでした。
そして、1957年には「アジアかぜ」が、1968年には「香港かぜ」が世界的に大流行しました。
1977年には「スペインかぜ」と同じ型の「ソ連かぜ」が流行し、「スペインかぜ」と同じ型のインフルエンザが残っていることに、ウイルスの生存力の強さをみせられました。
また、1997年には香港で、新型の高病原性インフルエンザウイルスが、トリからヒトに直接感染して死者が発生しました。「トリインフルエンザ」は人にはうつらないとされていましたし、「トリインフルエンザ」は感染力が強いといわれていましたので、世界中が不安に包まれました。しかし、幸い「トリインフルエンザ」は今のところ大流行の兆しはありません。
このようにインフルエンザは、「突然変異」を繰り返して、10年〜40年の周期で大流行し、免疫をもたない人から人へと感染していきます。
これまで、大流行した「インフルエンザ」は季節性のインフルエンザと抗原性が大きく異なっていたために、人類のほとんどが、ウイルスに対して免疫をもっていませんでした。したがって、世界的な大流行となったのです。「スペインかぜ」「アジアかぜ」「香港かぜ」のいずれも、その時代には「新型インフルエンザ」だったわけです。
1918年から1919年にかけて、「スペインかぜ」(スペインの王室が罹患したことが報じられたため、この呼び名がつきました)が大流行しました。このとき、人類は初めてインフルエンザの恐ろしい世界的な大流行に遭遇しました。感染者数は6億人、世界の人口の約半分の数です。死者は4,000〜5,000万人といわれ、この数は第二次世界大戦で亡くなった人の1.5倍といわれています。しかしこの頃まだウイルスは発見されていませんでした。
そして、1957年には「アジアかぜ」が、1968年には「香港かぜ」が世界的に大流行しました。
1977年には「スペインかぜ」と同じ型の「ソ連かぜ」が流行し、「スペインかぜ」と同じ型のインフルエンザが残っていることに、ウイルスの生存力の強さをみせられました。
また、1997年には香港で、新型の高病原性インフルエンザウイルスが、トリからヒトに直接感染して死者が発生しました。「トリインフルエンザ」は人にはうつらないとされていましたし、「トリインフルエンザ」は感染力が強いといわれていましたので、世界中が不安に包まれました。しかし、幸い「トリインフルエンザ」は今のところ大流行の兆しはありません。
このようにインフルエンザは、「突然変異」を繰り返して、10年〜40年の周期で大流行し、免疫をもたない人から人へと感染していきます。
これまで、大流行した「インフルエンザ」は季節性のインフルエンザと抗原性が大きく異なっていたために、人類のほとんどが、ウイルスに対して免疫をもっていませんでした。したがって、世界的な大流行となったのです。「スペインかぜ」「アジアかぜ」「香港かぜ」のいずれも、その時代には「新型インフルエンザ」だったわけです。
「インフルエンザ」の症状は?
高熱、倦怠感、頭痛、関節痛などの全身症状が主で、熱は2〜3日で下がることが多いのですが、その後、咳、咽頭痛に加えて、鼻汁・鼻閉等のかぜ症状が目立ってきます。
インフルエンザウイルスは、低い気温と低い湿度を好みます。また、人の体は気温や湿度が低くなると、鼻やのど、気管の抵抗力が低下するため、吸い込んだウイルスを排除しにくくなります。こうした理由から、インフルエンザは毎年冬場の11月から12月にかけて流行がはじまり、1〜3月にピークを迎えます。日本では、毎年数百万人〜一千万人前後の人がかかるといわれています。しかし近年、季節に関係なく流行がはじまっています。
インフルエンザウイルスは、低い気温と低い湿度を好みます。また、人の体は気温や湿度が低くなると、鼻やのど、気管の抵抗力が低下するため、吸い込んだウイルスを排除しにくくなります。こうした理由から、インフルエンザは毎年冬場の11月から12月にかけて流行がはじまり、1〜3月にピークを迎えます。日本では、毎年数百万人〜一千万人前後の人がかかるといわれています。しかし近年、季節に関係なく流行がはじまっています。
感染経路は?
「インフルエンザ」の感染経路は、咳やくしゃみで飛び出したウイルスを吸い込むことによっておこる『飛沫感染』と、ウイルスが付いたものにさわったあと、目・鼻・口などに触れることで、粘膜や結膜などを通して感染する『接触感染』が考えられます。
ただしウイルスは、生物のなかでしか生きることができませんので、生物外では長く生きることができません。
ただしウイルスは、生物のなかでしか生きることができませんので、生物外では長く生きることができません。
「インフルエンザ」の予防法は?
手洗い:
接触感染の予防には最も効果的です。
「かぜ」の予防の基本ですから、習慣づけるようにしたいですね。アルコール消毒や石けんの使用はさらに効果的です。感染を防ぐには、石けんでよく手を洗い、うがいをしっかりすることです。
うがい:
のどについたウイルスを洗い流すことはむずかしいですが、のどに湿り気を与え、のどの粘膜の抵抗力の低下を防ぐとされます。
マスク:
マスクで空気中のウイルスから身を守ることはできませんが、人の咳やくしゃみからの飛沫感染を防ぐことはできます。
加 湿:
インフルエンザウイルスは低温、低湿の環境を好みますので、部屋では加湿して湿度を維持します。室温を20〜25度くらい、湿度は50〜60%に保つようにして下さい。部屋のなかに、ぬれたバスタオルを干すだけでも効果があります。
また、予防接種(ワクチン)も大切です。
特に、介護に当たる介護職員、家族は感染予防のために予防接種を受けることを勧めます。
今年は、予防接種も新型インフルエンザのみのものと、季節性と新型インフルエンザが三種混合されているものの、2パターンのなかから選ぶことになります。
接触感染の予防には最も効果的です。
「かぜ」の予防の基本ですから、習慣づけるようにしたいですね。アルコール消毒や石けんの使用はさらに効果的です。感染を防ぐには、石けんでよく手を洗い、うがいをしっかりすることです。
うがい:
のどについたウイルスを洗い流すことはむずかしいですが、のどに湿り気を与え、のどの粘膜の抵抗力の低下を防ぐとされます。
マスク:
マスクで空気中のウイルスから身を守ることはできませんが、人の咳やくしゃみからの飛沫感染を防ぐことはできます。
加 湿:
インフルエンザウイルスは低温、低湿の環境を好みますので、部屋では加湿して湿度を維持します。室温を20〜25度くらい、湿度は50〜60%に保つようにして下さい。部屋のなかに、ぬれたバスタオルを干すだけでも効果があります。
また、予防接種(ワクチン)も大切です。
特に、介護に当たる介護職員、家族は感染予防のために予防接種を受けることを勧めます。
今年は、予防接種も新型インフルエンザのみのものと、季節性と新型インフルエンザが三種混合されているものの、2パターンのなかから選ぶことになります。
「新型インフルエンザ」の治療法は?
安静にしているのは、もちろんですが、抗インフルエンザウイルス薬(タミフル内服薬・リレンザ吸入薬・イナビル吸入薬【新薬】)の投与による治療です。服薬は発熱後、48時間以内の投与が必須です。また、対処療法になりますが、解熱鎮痛薬・去痰薬・鎮咳薬・抗ヒスタミン薬なども処方されます。ただし、解熱鎮痛薬の使用には、注意が必要ですので医師の指示に従いましょう。
抗インフルエンザウイスル薬は、医師の診断後、医師からの処方箋が必要です。
加えて、インフルエンザに罹っている高齢者は食欲不振によって、栄養状態が悪化し、免疫力が落ち、肺炎などの二次感染に罹りやすくなっています。高栄養の口当たりの良い食事を用意するようにして下さい。また、高熱によって、脱水になりやすくなっているため、好みのお茶や吸収のよい飲料など、小まめに水分補給を行って下さい。
抗インフルエンザウイスル薬は、医師の診断後、医師からの処方箋が必要です。
加えて、インフルエンザに罹っている高齢者は食欲不振によって、栄養状態が悪化し、免疫力が落ち、肺炎などの二次感染に罹りやすくなっています。高栄養の口当たりの良い食事を用意するようにして下さい。また、高熱によって、脱水になりやすくなっているため、好みのお茶や吸収のよい飲料など、小まめに水分補給を行って下さい。