第11回 脱水(症)に対して
脱水症とは
毎年夏になると、高齢者の熱中症や脱水症が話題になります。特に今年は、連日の猛暑のため熱中症で命を落とした高齢者のニュースを耳にしない日はありません。
脱水症は、水分を失う量が、摂取する水分の量より多くなることによって起ります。
猛暑の夏では、大量の汗によって水分を失うために脱水症が起こります。これが熱中症を引き起こすのです。
また、発汗によって、水分だけではなく、電解質も失われます。電解質とは、水に溶かしたときにできあがった液体(水溶液)が電気を通す物質のことをいい、身近な例でいうと、食塩がそれにあたります。食塩を水に溶かした食塩水は電気を通します。電解質は体の機能を維持するために大切な役割を果たしています。たとえば、「ナトリウム」は体の水分を調節しますし、「カリウム」は体内をよい状態に保つために必要です。また、「カルシウム」は神経の働きや筋肉運動といった、生命の維持、活動に重要な役割を果たしています。
なお、発汗のほかに、脱水を起こす要因は発熱・下痢・嘔吐などが考えられます。
脱水症は、水分を失う量が、摂取する水分の量より多くなることによって起ります。
猛暑の夏では、大量の汗によって水分を失うために脱水症が起こります。これが熱中症を引き起こすのです。
また、発汗によって、水分だけではなく、電解質も失われます。電解質とは、水に溶かしたときにできあがった液体(水溶液)が電気を通す物質のことをいい、身近な例でいうと、食塩がそれにあたります。食塩を水に溶かした食塩水は電気を通します。電解質は体の機能を維持するために大切な役割を果たしています。たとえば、「ナトリウム」は体の水分を調節しますし、「カリウム」は体内をよい状態に保つために必要です。また、「カルシウム」は神経の働きや筋肉運動といった、生命の維持、活動に重要な役割を果たしています。
なお、発汗のほかに、脱水を起こす要因は発熱・下痢・嘔吐などが考えられます。
脱水症への対応
脱水状態におちいったときは、水分だけではなく電解質をあわせて補うことが大切です。軽症で口からの摂取が可能であれば、電解質を含んだ水分を経口で摂取させます。
スポーツドリンクはナトリウムの濃度が低いため、あまりふさわしいとはいえません。もっともよいのは経口補水液(ORS)を使用することです。
また、味噌汁などは血液とほぼ塩分濃度が同じため、発汗による塩分減少を補うには便利です。
全身状態が悪く、口から飲めない場合や電解質の異常が著しい場合は、点滴などの輸液が必要となります。医師と連絡をとり、適切に行う必要があります。
スポーツドリンクはナトリウムの濃度が低いため、あまりふさわしいとはいえません。もっともよいのは経口補水液(ORS)を使用することです。
また、味噌汁などは血液とほぼ塩分濃度が同じため、発汗による塩分減少を補うには便利です。
全身状態が悪く、口から飲めない場合や電解質の異常が著しい場合は、点滴などの輸液が必要となります。医師と連絡をとり、適切に行う必要があります。
経口補水液とは
経口補水液(ORS)は、水分と電解質をすばやく補給できるようにナトリウムとブドウ糖のバランスを上手く調整した飲料水です。
1970年代にコレラ感染による下痢に伴う脱水状態時に、WHOが経口補水液の使用を推奨して以来、発展途上国を中心に大きな成果を上げてきました。軽度から中等度までの脱水状態への使用が可能です。
脱水状態を起こしたときは水分の補給がかかせませんが、ただの水やスポーツドリンクでは電解質を十分に補給できずに体内の電解質を薄めてしまい、低ナトリウム血症といった症状を招くこともあるので注意が必要です。
・オーエスワン(大塚製薬株式会社)
非常に身近な成分でつくられています。
水:1リットルに砂糖:40g(大さじ4と1/2杯)と塩:3g(小さじ1/3杯)
・アクアライト(和光堂株式会社)
乳幼児用で、浸透圧を200mOsm/Lと他のイオン飲料よりも低く調整してあります。イオン飲料には、多くの糖分が含まれており、乳幼児の虫歯との関係が問題とされています。そこで、PHを5.5に上げることにより虫歯にも配慮してあります。
1970年代にコレラ感染による下痢に伴う脱水状態時に、WHOが経口補水液の使用を推奨して以来、発展途上国を中心に大きな成果を上げてきました。軽度から中等度までの脱水状態への使用が可能です。
脱水状態を起こしたときは水分の補給がかかせませんが、ただの水やスポーツドリンクでは電解質を十分に補給できずに体内の電解質を薄めてしまい、低ナトリウム血症といった症状を招くこともあるので注意が必要です。
・オーエスワン(大塚製薬株式会社)
非常に身近な成分でつくられています。
水:1リットルに砂糖:40g(大さじ4と1/2杯)と塩:3g(小さじ1/3杯)
・アクアライト(和光堂株式会社)
乳幼児用で、浸透圧を200mOsm/Lと他のイオン飲料よりも低く調整してあります。イオン飲料には、多くの糖分が含まれており、乳幼児の虫歯との関係が問題とされています。そこで、PHを5.5に上げることにより虫歯にも配慮してあります。
高齢者が脱水症を引き起こす原因
高齢者が脱水症を起こす原因は、次のようにいろいろなものが考えられます。
1.水分の摂取量が少ない
・ 嚥下障害によって
・ 食欲の低下によって
・ のどの渇きを感じにくいため
・ 疾病によって飲水量が制限されているため
・ 尿失禁・頻尿の症状によって、自主的に飲水量を制限しているため
・ 食欲の低下によって
・ のどの渇きを感じにくいため
・ 疾病によって飲水量が制限されているため
・ 尿失禁・頻尿の症状によって、自主的に飲水量を制限しているため
2.外部環境を整えられない
・ 室温が高くても、空調を上手く使えないため
・ 衣服による、温度調節ができない(厚着など)ため
・ 衣服による、温度調節ができない(厚着など)ため
3.加齢に伴う、体内環境の変化
組織・細胞などの備蓄水分量の減少のため
4.腎臓でのナトリウム保持能力の低下
・ 抗利尿ホルモンの減少
・ 尿の濃縮能力の低下
・ 尿の濃縮能力の低下
5.薬剤による影響
・ 利尿薬
・ 食欲低下を起こす薬の服用
脱水(症)の治療には、その要因の除去と、同時に経口補水液の摂取が必要です。
・ 食欲低下を起こす薬の服用
脱水(症)の治療には、その要因の除去と、同時に経口補水液の摂取が必要です。
「経口補水療法」という考え方
軽度から中等度の脱水状態時の対応として、経口補水液を飲むという療法があります。これが最近いわれている「経口補水療法」です。
経口補水液には、水に加えて数種類の電解質とブドウ糖などがバランス良く含まれています。重要な電解質であるナトリウムは、適度のブドウ糖があると体に取り込まれやすくなります。ここで大切なのは、それぞれの電解質の比率です。経口補水液の場合、ちょうど良いバランスでつくられており、吸収に優れています。
経口補水療法は、失った分を補ってあげるのが基本的な考え方で、点滴のような特別な器具や技術は不要です。状態が安定していて口から飲める場合は、この経口補水療法が適しています。しかし、脱水状態になったからといって、あわてて一度にたくさん飲むとかえって気分が悪くなるときもあります。経口補水液は少しずつ、ゆっくり時間をかけて飲ませることが大切です。
○1日当たりの目安 500ml〜1000ml
嚥下障害のある高齢者には、ゼリーも発売されています。
なお、「経口補水液」は薬ではありませんが、含まれている塩分の量などが多く、体にも大きな影響があります。使用に当たっては、医師や薬剤師に必ず相談してください。
経口補水液には、水に加えて数種類の電解質とブドウ糖などがバランス良く含まれています。重要な電解質であるナトリウムは、適度のブドウ糖があると体に取り込まれやすくなります。ここで大切なのは、それぞれの電解質の比率です。経口補水液の場合、ちょうど良いバランスでつくられており、吸収に優れています。
経口補水療法は、失った分を補ってあげるのが基本的な考え方で、点滴のような特別な器具や技術は不要です。状態が安定していて口から飲める場合は、この経口補水療法が適しています。しかし、脱水状態になったからといって、あわてて一度にたくさん飲むとかえって気分が悪くなるときもあります。経口補水液は少しずつ、ゆっくり時間をかけて飲ませることが大切です。
○1日当たりの目安 500ml〜1000ml
嚥下障害のある高齢者には、ゼリーも発売されています。
なお、「経口補水液」は薬ではありませんが、含まれている塩分の量などが多く、体にも大きな影響があります。使用に当たっては、医師や薬剤師に必ず相談してください。