第15回 検証 サラリーマンの退職後(下)
退職したサラリーマンが、積極的に社会参加しようとしないのはなぜでしょうか。今回は、その理由を、「男性、男」に焦点をおいて、具体的に検証してみましょう。
検証の第一
企業を退職した、その多くの人達に共通している価値観は、「仕事が全て100%」ということです。ですから、仕事を離れれば、その人の頭の中はゼロ、趣味を持っている人でも、趣味に没頭などという人はごく一部です。退職をするとその日から何をしたら良いのか思いもつかないので、当分のんびりぶらぶらしている、ということになるのです。
ましてや、地域の情報となると全くの音痴と言ってよいでしょう。日常のことは全て奥さん任せでしたから、いきなり地域での生活者などと言われても、地域社会のことは何がどうなっているのか、さっぱり分からないのというのが現状です。
ましてや、地域の情報となると全くの音痴と言ってよいでしょう。日常のことは全て奥さん任せでしたから、いきなり地域での生活者などと言われても、地域社会のことは何がどうなっているのか、さっぱり分からないのというのが現状です。
検証の第二
企業での仕事は、責任分担が明確で、役職に応じてやる仕事が決まっているから、いわば、上司からの命令によって働けばよいことになっていたし、それが習慣化してしまっていました。ですから、決められた仕事には全力を尽くし、良い成績を上げれば出世もすることになるから一生懸命働きます。
それが、退職をして地域社会で何かをするということになれば、全てを自分ひとりで考え、行動しなければならないから、何から手をつけたらよいか、考えもつかないということになります。
それが、退職をして地域社会で何かをするということになれば、全てを自分ひとりで考え、行動しなければならないから、何から手をつけたらよいか、考えもつかないということになります。
検証の第三
長い間のサラリーマン生活で、その企業の仕事には精通しているのだが、他分野のことについては不得意という人達が多いのです。同じ営業でも自動車のセールスマンと食品のセールスマンでは基礎知識から違いがあるように、経理マンが営業マンに転進するのも簡単ではないことでしょう。
ましてや異業種になるともっと大変でしょう。出版関係で働いていた人が電気関係の製造部門で働くことなどそう簡単に出来るものではないでしょう。その上、一定の年齢に達していればなおさら難しいことになります。
それと、企業というチームでの働き方もあって、一人で何かを考えるということに不慣れなこともあります。いくら長い間企業で積み上げた経験があるからといって、それがすぐに地域社会で役立つことにはならないのです。
ましてや異業種になるともっと大変でしょう。出版関係で働いていた人が電気関係の製造部門で働くことなどそう簡単に出来るものではないでしょう。その上、一定の年齢に達していればなおさら難しいことになります。
それと、企業というチームでの働き方もあって、一人で何かを考えるということに不慣れなこともあります。いくら長い間企業で積み上げた経験があるからといって、それがすぐに地域社会で役立つことにはならないのです。
検証の第四
これは時間の問題です。企業の中では勤務時間が決まっていて、忙しいときには残業もありますが、通常は9時から6時までとか決められています。ですからその時間帯の中で働き、あるいは何月までにこの仕事を終わらせるというような計画的働き方をしています。
ところが退職をすると、誰も管理をする人がいないので、いつでも自由に時間取れる−つまりは、毎日が日曜日となりますから、時間的緊張感がなくなります。
そんな中で「好きなことを好きなように自由に出来るものはないですか」と言われても、そんな簡単に何かが見つかるわけはないのです。いくら市民活動だからといって自由気ままなものがそうあるわけではありません。
これがサラリーマンの実態として要約できるものです。皆さんの中には反論があるかもしれません。歓迎します。是非、皆で議論してみたいものです。
ところが退職をすると、誰も管理をする人がいないので、いつでも自由に時間取れる−つまりは、毎日が日曜日となりますから、時間的緊張感がなくなります。
そんな中で「好きなことを好きなように自由に出来るものはないですか」と言われても、そんな簡単に何かが見つかるわけはないのです。いくら市民活動だからといって自由気ままなものがそうあるわけではありません。
これがサラリーマンの実態として要約できるものです。皆さんの中には反論があるかもしれません。歓迎します。是非、皆で議論してみたいものです。
地域社会の一員として
かくして、サラリーマンが自然に社会参加を希望するようになるには、こうした現役で培った様々な仕事の習慣、仕事の仕方、仕事に対する考え方、労働に対する哲学などが薄れてきて、地域生活にもなれ、溶け込んできたときに社会参加の第一歩が始まるといわれています。
それには退職後、5年ほどの歳月を必要とし、65歳前後からといわれています。この期間を短縮できた人は、もっと早く地域社会の一員になり、高齢社会の中でその人の役割を果たしていくことになるでしょう。
そして、その活動に責任感や充足感を覚えるとき、生き甲斐も感じ、人生の喜びへと発展していくことになります。こうした市民活動は、地域社会の中に身を置いてこそ実現できるものであり、地域社会を支えていく大きな力となるものです。
人生85歳時代をむかえ、あなたにとって第2の人生か、第3の人生かを有意義に価値あるものとするために、あらためて生き方を考えてみてはいかがでしょうか。
それには退職後、5年ほどの歳月を必要とし、65歳前後からといわれています。この期間を短縮できた人は、もっと早く地域社会の一員になり、高齢社会の中でその人の役割を果たしていくことになるでしょう。
そして、その活動に責任感や充足感を覚えるとき、生き甲斐も感じ、人生の喜びへと発展していくことになります。こうした市民活動は、地域社会の中に身を置いてこそ実現できるものであり、地域社会を支えていく大きな力となるものです。
人生85歳時代をむかえ、あなたにとって第2の人生か、第3の人生かを有意義に価値あるものとするために、あらためて生き方を考えてみてはいかがでしょうか。
(2008年8月11日)
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