第1回 定年退職後は毎日が日曜日ってホント?
「あと一か月で無事、退職」待ちに待った日がいよいよ来るのだ。
Aさんは大学を卒業していまの大手メーカーに就職した。高度成長をひたすら走りつづける時期であった。先輩たちに教えられ、企業戦士と呼ばれ、家庭も犠牲にし、日に夜に必死に働き続け60歳となったことが昨日のように思い出される。「それも後一か月、いよいよ会社ともお別れか」と感慨深く過去をふりかえり、さまざまなことを思い出しながら、退職の準備を進めてきた。10月31日、社長から長年会社で働いてきた労をねぎらい、退職辞令を渡された。
11月1日遅めに目覚めた。「ようし、今日からは自由人になったんだ。どんなに暑い日でもネクタイを締め、汗をダクダクかきながら、満員電車でゆられ、雪が降ろうが寒かろうが通勤した生活ともおさらばだ」「これからは、何時に起きようがいくら遅くまでテレビを見ようが、どこに行っても、何をやろうとも俺の勝手なのだ。定年後は毎日が日曜日、“サンデー毎日”とはよく言ったもんだ」
Aさんは大学を卒業していまの大手メーカーに就職した。高度成長をひたすら走りつづける時期であった。先輩たちに教えられ、企業戦士と呼ばれ、家庭も犠牲にし、日に夜に必死に働き続け60歳となったことが昨日のように思い出される。「それも後一か月、いよいよ会社ともお別れか」と感慨深く過去をふりかえり、さまざまなことを思い出しながら、退職の準備を進めてきた。10月31日、社長から長年会社で働いてきた労をねぎらい、退職辞令を渡された。
11月1日遅めに目覚めた。「ようし、今日からは自由人になったんだ。どんなに暑い日でもネクタイを締め、汗をダクダクかきながら、満員電車でゆられ、雪が降ろうが寒かろうが通勤した生活ともおさらばだ」「これからは、何時に起きようがいくら遅くまでテレビを見ようが、どこに行っても、何をやろうとも俺の勝手なのだ。定年後は毎日が日曜日、“サンデー毎日”とはよく言ったもんだ」
時の過ぎゆくままが…
Aさんは、退職してから1週間、「自由とは本当にいいもんだ」を味わっていた。だが、それが過ぎ、「朝になると、今日はどうやって1日を過ごそうか」と悩み始めたのである。新聞は何回も読み返してみる。テレビ番組も何度も見るのでほぼ覚えてしまう。しかし、なかなか時間が経過しない。
「まだ11時か」うちの時計は進み方が遅いのではないかと疑いたくなることもある。もちろん、手紙も来なければ、電話もかかってこない。来るのは妻宛のものばかりである。家の中にいるのは、妻と、5歳になる犬だけである。もちろん話し相手も妻と犬だけである。時はただ過ぎていくだけである。「この調子で過ごしていくとどうなるのか、1、2年後はぼけてしまうのではないか」とふと心配になったりする。
「まだ11時か」うちの時計は進み方が遅いのではないかと疑いたくなることもある。もちろん、手紙も来なければ、電話もかかってこない。来るのは妻宛のものばかりである。家の中にいるのは、妻と、5歳になる犬だけである。もちろん話し相手も妻と犬だけである。時はただ過ぎていくだけである。「この調子で過ごしていくとどうなるのか、1、2年後はぼけてしまうのではないか」とふと心配になったりする。
「買い物にいってくるといえば、俺も暇だから一緒に行くよって、ついてくるのよ」「留守番でもしててくれれば良いのにねえ」「昨日は、サークル活動にいってくるから、留守を頼んだわよって、いったら、なんていったと思う」「お前は行くところがあっていいなあって、嫌味よね」「毎日この調子だもの、疲れちゃうわよ、自分で何かやることを見つけてくれないかしら」
この会話を聞いたAさんは、行き場のない腹立ちを感じながら、「じゃあ、どこへ行けばいいんだってんだ、何をすれば良いのか」「誰が相手をしてくれるのか」と一人でグチる。そして「毎日が日曜日だなんて、とんでもない、嘘っぱちを言った奴は誰だ」と怒り出した(が、すでに奥さんはいなかった)。
全国のサラリーマンの諸君、誰かさんもこうした経験がおありではないでしょうか。仕事が全ての人ほど、仕事が100%だという価値観だった人生をいかにお考えでしょうか。人生85年、退職後25年間の人生を豊かに、充実したものにするかは、退職前に自分で退職後のライフスタイル、人生設計をつくっておくことが大切であることを考えましょう。
(2008年3月12日)
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