第10回 ボツボツ何かやろうかな(下)
ボランティア施設を見学して
翌週の月曜日は、ボランティアを受け入れている施設の見学でした。3班に分かれ、1班は小学校の近くにある学童クラブ、2班は特別養護老人ホーム、3班は高齢者デイサービス施設で、Aさんは高齢者デイサービス施設に、Hさんは学童クラブに行くこととなりました。
次の水曜日には、見学した感想や、今後の展望を、5名ずつ4つのグループに分かれて話し合いましたが、この日あたりから、男性2名、女性1名の辞退者がではじめたことに、ほかの参加者からも、さまざまな反響がありました。
Aさんのグループは、学童クラブ2名、特養2名、デイサービス1名の構成で、司会者に選ばれたAさんは、「まず、自己紹介と見学した感想から述べてもらいましょう」と提案しました。
最初に、特養を見学したOさん(男性)の報告は、「私が見学した特養は、何か人間味のない、さびしい感じがしました。自分なら入所する気がしないし、ボランティアもあの施設ではしたくないですね」という、いきなりショックな内容で始まると、しばらく特養の話題で持ちきりになりました。
結局、みんなの意見は、「高齢化が進み、家庭介護が困難になれば、否応なく施設の世話にならなければならないのに、その施設さえも順番待ちの状態で、我々の世代には、特養にも入れなくなるのだろう」ということで一致しました。
次の水曜日には、見学した感想や、今後の展望を、5名ずつ4つのグループに分かれて話し合いましたが、この日あたりから、男性2名、女性1名の辞退者がではじめたことに、ほかの参加者からも、さまざまな反響がありました。
Aさんのグループは、学童クラブ2名、特養2名、デイサービス1名の構成で、司会者に選ばれたAさんは、「まず、自己紹介と見学した感想から述べてもらいましょう」と提案しました。
最初に、特養を見学したOさん(男性)の報告は、「私が見学した特養は、何か人間味のない、さびしい感じがしました。自分なら入所する気がしないし、ボランティアもあの施設ではしたくないですね」という、いきなりショックな内容で始まると、しばらく特養の話題で持ちきりになりました。
結局、みんなの意見は、「高齢化が進み、家庭介護が困難になれば、否応なく施設の世話にならなければならないのに、その施設さえも順番待ちの状態で、我々の世代には、特養にも入れなくなるのだろう」ということで一致しました。
最後に、Aさんが、デイサービスの様子を「一人暮らしの高齢者が安心して過ごすためには、デイサービスは必要です。とても親切にお世話していて、あれなら離れて暮らす家族も安心でしょう。ただ、ボランティアをするには事前の研修は絶対必要ですね」と報告しました。
結局、このグループの結論は、「高齢者や子供は、社会が支えていくことが不可欠で、いまの日本は、ボランティアの存在なくして、安心した市民生活を営むことも困難。だからといって、誰もがボランティアに参加できるのか、希望者の数はどれくらいかというと未知数である」ということで一致しました。このことをAさんが代表して、報告することになり、各グループの報告も、ほぼ同様でした。
みんなの気持ちがひとつになって…
各グループの報告を聞いた参加者は、同じような気持ちになっていたことが確かめられた様子です。気持ちが高まったなか、参加者のひとり、Kさんから、「講座終了後に、飲み会をやりませんか」という提案があがり、ほぼ全員一致で決定しました。その日の飲み会が、大いに盛り上がったことは言うまでもありません。
そして、いよいよ最後日。この日は、これからどのように市民活動やボランティアに関わっていこうと考えているかを、各自発表することになりました。一番多い意見は、「勉強したことを生かして何かやりたい」というものでしたが、その反面、「まだ、どうしようか決めていない」人も2割くらいいました。
その後、積極派であるKさんとIさん(女性)から、「講座終了後も、引き続き集まって、なにかやりましょう」という提案がありました。前回の飲み会でも、すでにそんな話で盛り上がったこともあったのでしょう。賛成者多数で、世話人にはこの2人がなり、改めてメールやFAX、電話で連絡し、集まることになったのです。
「こうした講座が機会で、受講者がグループを作ることはよくあり、やがて福祉や子育て支援のNPOに発展していったものもあります」とは、この講座の主催者の話です。
この講座の参加者も何かを期待しているようで、今後のグループの活動が楽しみだ、とAさんとHさんは帰り道一杯やりながら話し合いました。
そして、いよいよ最後日。この日は、これからどのように市民活動やボランティアに関わっていこうと考えているかを、各自発表することになりました。一番多い意見は、「勉強したことを生かして何かやりたい」というものでしたが、その反面、「まだ、どうしようか決めていない」人も2割くらいいました。
その後、積極派であるKさんとIさん(女性)から、「講座終了後も、引き続き集まって、なにかやりましょう」という提案がありました。前回の飲み会でも、すでにそんな話で盛り上がったこともあったのでしょう。賛成者多数で、世話人にはこの2人がなり、改めてメールやFAX、電話で連絡し、集まることになったのです。
「こうした講座が機会で、受講者がグループを作ることはよくあり、やがて福祉や子育て支援のNPOに発展していったものもあります」とは、この講座の主催者の話です。
この講座の参加者も何かを期待しているようで、今後のグループの活動が楽しみだ、とAさんとHさんは帰り道一杯やりながら話し合いました。
(2008年6月27日)
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