第2回 退職後の男たちは夜間部から全日制へ
―もう一つの生き方を考える
団塊の世代が退職を迎えることになりました。この人達の退職は、60歳定年制のもとによるものであります。いいかえれば、企業にとっては60歳を過ぎた人達は「必要ない」ということになるのです。つまり、これから退職を迎える人達、特に男たちにとって、定年退職後の働く場所はごく限られたものになることを意味しているのです。
これから退職する人達の多くは、地域社会での生活者になります。これまでは仕事が第一の生活であり、地域社会ではいわば「夜間部」の存在でしたが、これからは「全日制」、昼間の生活が主体となり昼間の地域人口は増えることになるのです。
かくして、数年たつと60歳以上が4000万人という高齢社会の時代を迎えます。まさに、高度成長期を支えて仕事に明け暮れ、バブル時代には中流の生活をし、リストラを経験し勝ち組、負け組みに振り分けられてきた人達なのです。
これから退職する人達の多くは、地域社会での生活者になります。これまでは仕事が第一の生活であり、地域社会ではいわば「夜間部」の存在でしたが、これからは「全日制」、昼間の生活が主体となり昼間の地域人口は増えることになるのです。
かくして、数年たつと60歳以上が4000万人という高齢社会の時代を迎えます。まさに、高度成長期を支えて仕事に明け暮れ、バブル時代には中流の生活をし、リストラを経験し勝ち組、負け組みに振り分けられてきた人達なのです。
“余生”というには長すぎる…
地域社会では、小泉政権が進めた三位一体の改革と行き過ぎた規制緩和がさまざまな格差を生み出し、市民の生活にも大きな課題が山積し、弱者にはさらに厳しい社会となっています。政府や行政が頼りにならないのなら、「市民生活に関わる課題は市民が自らの活動によって解決する」市民活動がNPOや市民団体によって取り組まれていますが、この必要性は今後ますます拡大していくことになるでしょう。
だが、企業社会の中にどっぷりとつかり、仕事以外考えたこともないこの世代の男たちは、地域社会にそう簡単になじめるものではないのも現実です。地域のことは全て奥さん任せであったから、親しいお友達が何人もいないなかで、地域社会でのコミュニケーション作りは苦手でしょう。しかし、この男たちは企業社会で鍛えられた、技術や知識、経験を持っているのです。これを社会資源として活用しないのは、それこそ「もったいない」ことではないでしょうか。
そこで、市民が担う公共や公益事業が拡大してくるときに、この分野を市民事業として、団塊の世代が担うことができれば、地域社会の活性化と新しいまちづくりができるではありませんか。コミュニケーション作りはさほどうまくできなくとも、仕事となれば、それぞれのもつ得意分野で力を発揮することはできるにちがいありません。仕事の形態はNPOでも、ワーカーズ・コレクティブでも良い。企業を退職し、地域社会で生活する「新しい居住者」としての男たちが、地域力となることによって、地域が活性化し、安心して生活できる社会が実現できれば、改めて、男たちの働き方が評価され、地域の主役にもなれるのではないでしょうか。
高齢者としてふけこむのはまだ早すぎます。“のんびりしたい”などと横着している場合ではありません。超高齢社会が目前に迫り、否が応でも高齢者が当事者として地域社会を支えていかなければならないのです。後世代が面倒見られるような高齢者数ではないのです。男たちよ、もう一度、地域社会の住人として、当事者として、主役になろうではありませんか。日本の社会を支えてきた、知恵も、技術も、経験も持っているのです。今度は地域社会で期待される男たちになりましょう。そうすることにより、改めて団塊世代の男たちの実力を示す時代となるのです。
皆さんも、社会参加と有意義なセカンド・ライフを実現するために、もう一つの生き方を積極的に、前向きに考えていこうではありませんか。
(2008年3月26日)
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