第4回 現役時代からのプレ地域社会活動
Cさんの体験談―森林作り講座に参加
2年前、ある製薬会社を定年退職したCさん(男性)のお話です。
Cさんは、会社での仕事が廃棄物処理や排水の処理など環境に関することであったこともあり、自然環境問題に日ごろから興味を持っていました。今から4年ほど前に、森林作り体験や農山村との交流に取り組むボランティア団体を友人に紹介され、森林作り体験講座に参加しました。
この講座の募集チラシには、“勤労者のためのボランティア入門講座”とも書かれていて、「どんな体験をするのだろう」「他社の人達とも交流できて楽しそう」と思ったので申し込みをしました。行き先と体験内容は、相模湖の湖畔の国有林での間伐と、下草刈り。当日までに、体験する場所の案内や、持ち物などの講座参加に必要な注意事項が一式送られてきました。
「間伐作業や下草刈とは何をやるのか」初めての体験なので多少不安もありましたが、当日、集合場所である西新宿に8時30分に行きました。そこには、実行委員の方々がいて、受付をしたら表紙に「秋の森林作り体験ボランティア」と書かれたテキストと名札を渡されました。
中を見ると、2日間の予定表と、参加者名簿があり、そこには班割りや宿泊場所での部屋割りなどが書かれてありました。また、間伐や下草刈とはどういうものなのか、森林の機能についてや森林の手入れ作業、間伐や下草刈についての説明などが書かれてありました。
Cさんは、会社での仕事が廃棄物処理や排水の処理など環境に関することであったこともあり、自然環境問題に日ごろから興味を持っていました。今から4年ほど前に、森林作り体験や農山村との交流に取り組むボランティア団体を友人に紹介され、森林作り体験講座に参加しました。
この講座の募集チラシには、“勤労者のためのボランティア入門講座”とも書かれていて、「どんな体験をするのだろう」「他社の人達とも交流できて楽しそう」と思ったので申し込みをしました。行き先と体験内容は、相模湖の湖畔の国有林での間伐と、下草刈り。当日までに、体験する場所の案内や、持ち物などの講座参加に必要な注意事項が一式送られてきました。
「間伐作業や下草刈とは何をやるのか」初めての体験なので多少不安もありましたが、当日、集合場所である西新宿に8時30分に行きました。そこには、実行委員の方々がいて、受付をしたら表紙に「秋の森林作り体験ボランティア」と書かれたテキストと名札を渡されました。
中を見ると、2日間の予定表と、参加者名簿があり、そこには班割りや宿泊場所での部屋割りなどが書かれてありました。また、間伐や下草刈とはどういうものなのか、森林の機能についてや森林の手入れ作業、間伐や下草刈についての説明などが書かれてありました。
いよいよ出発!
9時になって、参加者50名がそろったのでバスが出発しました。Cさんは初めての参加なので、隣に座った人に「Cです、初めての参加なのでよろしく」とあいさつしたところ、隣のDさん(男性)も、「私も初めてなのでよろしく」ということでした。
バスが高速道路に乗ったころから、実行委員長のあいさつや2日間の日程説明があり、自己紹介が行われました。参加者名簿を見ながら「いろいろな企業から参加しているのだなあ」「サラリーマンもこうした体験ボランティアに興味があるのだ」と感じました。
バスが高速道路に乗ったころから、実行委員長のあいさつや2日間の日程説明があり、自己紹介が行われました。参加者名簿を見ながら「いろいろな企業から参加しているのだなあ」「サラリーマンもこうした体験ボランティアに興味があるのだ」と感じました。
Cさんの班は、7名で17本切りました。木を育てるのには適度に間伐(間引き)が必要なこと、また、間伐することによって、地面に太陽の光が差し込み、草が生えるようにすることが大切なのだそうです。
初めての経験でしたがとても気持ちの良い作業で、一緒の班の人達も皆、同じ思いであることを話していました。
宿舎に着いて夕食になりましたが、皆さんとても和やかで随分前から付き合っていたような雰囲気で食事をされていることに気づきました。考えてみると、今朝8時半に集合してバスのなかで「初めまして」と自己紹介し、午後から間伐を体験したばかりの者同士にもかかわらず、「みんな、なぜこんなに和やかなのか」と、不思議な気がしました。初めての体験でしたが「きっと、大変な間伐を皆でやったことで自然と仲間意識がわいたのかもしれない」とCさんは考えました。
2日目は、下草刈をしました。植林して8年ほどしか経っていない桧の周辺にはさまざまな草が茂っています。この草を鎌で刈るのが下草刈で、小さな桧の育成を助けてやるためにする作業なのだそうです。長い柄のついた大きな鎌での作業もなかなか大変でした。
こうして、2日間の日程が無事終了し、反省会をして帰路につきましたが、とても充実した、楽しい2日間でした。皆さんそれぞれに何かを感じていたようです。
こうして、2日間の日程が無事終了し、反省会をして帰路につきましたが、とても充実した、楽しい2日間でした。皆さんそれぞれに何かを感じていたようです。
そして1月後…
それから1月ほどして、「森林体験のビデオを見る会」の案内が来ました。Cさんは体験講座がとても楽しかったので、ビデオを見る会にも参加することにしました。この会には、体験講座に参加した人がほとんどいました。ビデオを見ながらの思い出話は本当に楽しそうで、これなら、参加者同志のネットワークができるのでは、との思いを持ちました。
ビデオ上映終了後、実行委員長から、「この体験講座は5年前から開催していて、これからも続けていく」との話がありました。Cさんが話したなかで6〜7名の人は「来年も参加したいね」といっていました。これ以降、Cさんは毎年参加しています。
Cさんは、今まで漠然と「自然環境を守ることは必要だ」と考えていましたが、この体験講座に参加してからは、実際に自然を守ることについての必要性を痛感し、これからも機会があれば何らかの活動に参加したいと考えるようになりました。
翌年の体験講座にもCさんは参加しましたが、そこで、実行委員長から、「この講座に参加した人達で、里山の整備と農山村の人達との交流を目的とした、ボランティア団体を立ち上げるので、ぜひ参加してください」との呼びかけがありました。
ビデオ上映終了後、実行委員長から、「この体験講座は5年前から開催していて、これからも続けていく」との話がありました。Cさんが話したなかで6〜7名の人は「来年も参加したいね」といっていました。これ以降、Cさんは毎年参加しています。
Cさんは、今まで漠然と「自然環境を守ることは必要だ」と考えていましたが、この体験講座に参加してからは、実際に自然を守ることについての必要性を痛感し、これからも機会があれば何らかの活動に参加したいと考えるようになりました。
翌年の体験講座にもCさんは参加しましたが、そこで、実行委員長から、「この講座に参加した人達で、里山の整備と農山村の人達との交流を目的とした、ボランティア団体を立ち上げるので、ぜひ参加してください」との呼びかけがありました。
ボランティア団体に参加
2005年5月に里山と農山村との交流を目的としたボランティア団体「勤ボラの家」が発足。もちろんCさんも参加しましたが、メンバーの総勢23名中、体験講座に参加した人は実に19名いました。
この「勤ボラの家」は、メンバーの一人であるEさんの所有する茨城県那珂市にある家を拠点にし、近くにある「額田城跡」の整備と農業体験が主な活動で、毎月定例日を決めて1〜2回開催しています。
椎茸栽培やサツマイモ、ジャガイモ、白菜、キャベツなどを無農薬で作り、会員が家庭で食しています。また、この家には梅木が30本ほどあり、梅酒や梅干も自家製で作っています。定例日は1泊2日の日程なので夜の交流会は料理長(会員)のうまい料理でいつも盛り上がります。
Cさんは、退職後も「勤ボラの家」だけでなく、地域でデイサービス利用者の送り迎えなどのボランティアもやっていますが、「現役での体験講座の参加があって今日がある」と語っています。サラリーマンは退職してから地域での社会活動を考えるのではなく、現役のうちからいろいろな経験をしておくことが退職後のことを考えると必要であることをCさんは強調しています。
皆さんも参考になさってください。「備えあれば憂いなし」はライフスタイルにも忘れてはならないことの一つではないでしょうか。
この「勤ボラの家」は、メンバーの一人であるEさんの所有する茨城県那珂市にある家を拠点にし、近くにある「額田城跡」の整備と農業体験が主な活動で、毎月定例日を決めて1〜2回開催しています。
椎茸栽培やサツマイモ、ジャガイモ、白菜、キャベツなどを無農薬で作り、会員が家庭で食しています。また、この家には梅木が30本ほどあり、梅酒や梅干も自家製で作っています。定例日は1泊2日の日程なので夜の交流会は料理長(会員)のうまい料理でいつも盛り上がります。
Cさんは、退職後も「勤ボラの家」だけでなく、地域でデイサービス利用者の送り迎えなどのボランティアもやっていますが、「現役での体験講座の参加があって今日がある」と語っています。サラリーマンは退職してから地域での社会活動を考えるのではなく、現役のうちからいろいろな経験をしておくことが退職後のことを考えると必要であることをCさんは強調しています。
皆さんも参考になさってください。「備えあれば憂いなし」はライフスタイルにも忘れてはならないことの一つではないでしょうか。
(2008年4月25日)
- 「NPO事業サポートセンター」へのお問い合わせ先
-
特定非営利活動法人NPO事業サポートセンター
〒105-0014 東京都港区芝2-8-18 HSビル2階
TEL:03-3456-1611
FAX:03-6808-3788
ホームページ:http://www.npo-support.jp/