第23回 わかりやすさを助ける工夫 その4〜トイレの電気を点けたままにする〜
これまで数回にわたり、主にリモコンや電灯のスイッチなど機器類の操作をわかりやすくし、認知症の方が使いこなせるようにした工夫を取り上げてきました。
今回は、わかりやすさを助ける工夫のうち、場所のわかりやすさを助けるため工夫として、トイレの電気を点けたままにする、という単純な暮らし方レベルの工夫をご紹介します。
今回は、わかりやすさを助ける工夫のうち、場所のわかりやすさを助けるため工夫として、トイレの電気を点けたままにする、という単純な暮らし方レベルの工夫をご紹介します。
住まいの工夫の内容
住まいの工夫を行った理由・ねらい
夜間にトイレに立つときに、トイレの場所が分からなくなり、迷っているうちにトイレでないところで用をたしてしまったことがあり、トイレの場所を一目でわかりやすくする必要がありました。
(家族から見て)住まいの工夫が役立つと感じる理由
この住まいの工夫を行ったあとは、迷わずに、そして慌てることなくトイレに行くことができている、ということでした。
専門家からみたひとこと
夜間のトイレに立つ際の転倒リスクは、認知症のあるなしに関わらず留意すべき点のひとつであると思います。睡眠途中の寝起きのために、いつもは躓かない場所でも躓きやすくなることもあるでしょうし、暗がりのなかではトイレの方向がわからなくなることもあると思います。
トイレまでの道筋をわかりやすくする住まいの工夫の実践事例は数多くあります。例えば、廊下に目印になる明かり・フットライトなどを付け、足元を明るくしながら明かりを頼りに誘導する工夫、廊下の電灯をセンサー付きのものに交換して、安定した歩行に必要な明るさを整える工夫などが代表的です。
これらの工夫で、成功する例も勿論ありますが、認知症の方の場合、自分の意志と関係なく勝手に点灯して自分で思うように消せない明かりが戸惑いの原因になった例、見慣れない光・フットライトが気になって落ち着けないために使用をとりやめた例もありました。
住まいの環境を変える際、適応力のある周りの者にとっては小さな変化であっても、認知症の方には脅、受け止めがたい大きな変化となる場合もあります。第3回のトイレの場所、電化製品のランプにカバーをする工夫でも取り上げたように、特に光や音などの刺激に関しては、刺激の質や量を本人に会わせて調整しないと、思わぬところで戸惑いや混乱の原因となる可能性もあります。
ですから、認知症の方は何がどうなっているとわかりやすくなるかを見極めながら住まいの工夫に取り組む必要があります。新しい器具を導入する前に、まずはトイレの電気を点けたままにしてみるという既存環境の使い方レベルの工夫から始めて、段階的にフットライトなどの器具を導入する、という手順方法(手順)も考えられるのではないでしょうか。
この工夫は、電気が点けっぱなしであることを気にされる方には向きませんし、電気代がかさむ、扉を開けておくと臭いや冬場の寒さなどの課題もあります。しかし、既存の環境を生かしながら場所のわかりやすさを助ける工夫として、最も実行が容易で、単純かつ次の住まいの工夫につながる可能性を持つ工夫のひとつであると思います。
トイレまでの道筋をわかりやすくする住まいの工夫の実践事例は数多くあります。例えば、廊下に目印になる明かり・フットライトなどを付け、足元を明るくしながら明かりを頼りに誘導する工夫、廊下の電灯をセンサー付きのものに交換して、安定した歩行に必要な明るさを整える工夫などが代表的です。
これらの工夫で、成功する例も勿論ありますが、認知症の方の場合、自分の意志と関係なく勝手に点灯して自分で思うように消せない明かりが戸惑いの原因になった例、見慣れない光・フットライトが気になって落ち着けないために使用をとりやめた例もありました。
住まいの環境を変える際、適応力のある周りの者にとっては小さな変化であっても、認知症の方には脅、受け止めがたい大きな変化となる場合もあります。第3回のトイレの場所、電化製品のランプにカバーをする工夫でも取り上げたように、特に光や音などの刺激に関しては、刺激の質や量を本人に会わせて調整しないと、思わぬところで戸惑いや混乱の原因となる可能性もあります。
ですから、認知症の方は何がどうなっているとわかりやすくなるかを見極めながら住まいの工夫に取り組む必要があります。新しい器具を導入する前に、まずはトイレの電気を点けたままにしてみるという既存環境の使い方レベルの工夫から始めて、段階的にフットライトなどの器具を導入する、という手順方法(手順)も考えられるのではないでしょうか。
この工夫は、電気が点けっぱなしであることを気にされる方には向きませんし、電気代がかさむ、扉を開けておくと臭いや冬場の寒さなどの課題もあります。しかし、既存の環境を生かしながら場所のわかりやすさを助ける工夫として、最も実行が容易で、単純かつ次の住まいの工夫につながる可能性を持つ工夫のひとつであると思います。