第18回 安心・安全の確保 その3〜緊急時に持ち出せる吸引機セット〜
前々回から安心・安全の確保をテーマにした住まいの工夫を取り上げています。
住まいの安心と安全は、日々の生活を支えるタイプの工夫が多いですが、少し視点を変えると、非常時・緊急時の安全と安心を確保する住まいの工夫も必要です。
そこで、今回は、災害時や緊急時に的確に対応できるように必要なものをあらかじめ用意しておく、という住まいの工夫をご紹介します。
住まいの安心と安全は、日々の生活を支えるタイプの工夫が多いですが、少し視点を変えると、非常時・緊急時の安全と安心を確保する住まいの工夫も必要です。
そこで、今回は、災害時や緊急時に的確に対応できるように必要なものをあらかじめ用意しておく、という住まいの工夫をご紹介します。
住まいの工夫の内容
吸引機や関連器具、薬品などのセットを持ち手の付いている専用バッグに入れて、非常時にすぐに持ち出せるようベッドサイドに置いていました。(写真1)
住まいの工夫を行った理由・ねらい
事例の方は、重度の認知症でした。ひとりでベッドから起き上がることが難しい状態であったこともあり、家族(主介護者は妻)は地震などの災害時や夜間の体調急変時の対応に不安を感じていました。
そこで、不測の事態になるべく早く・的確に対応できるように、災害時、夜間の急変時などに備える専用バッグを用意し、持出しやすいかたちで、すぐに見える定位置に置いていました。
そこで、不測の事態になるべく早く・的確に対応できるように、災害時、夜間の急変時などに備える専用バッグを用意し、持出しやすいかたちで、すぐに見える定位置に置いていました。
(家族から見て)住まいの工夫が役立つと感じる理由
いまのところ、吸引機などが入っているバッグを持ち出す事態は起きていないということでした。このバッグを用意するという工夫によって、何か起きた時でも大丈夫、という安心感につながっているということでした。
専門家からみたひとこと
「備えあれば憂いなし」という言葉がありますが、今回のご紹介した住まいの工夫は、まさにこの言葉をあらわすものであったと思います。
このような工夫は他のお宅でも行われていました。例えば、急変時に必要な保険証や、既往歴を書いたメモ、診察券などを小さな専用バッグに入れて、すぐに持出せるようにベッドサイドの壁に吊るすという住まいの工夫でした。
認知症の方に限らず、在宅介護、特に医療的なケアが必要な場合の家族の負担感は非常に大きいと思います。様々な資源を活用して、もしもの時に備える体制を作っておくことが必要になると思います。
今回の事例では、もしもの時に備える住まいの工夫を講じることで、不測の事態が起きた時でも、家族や介助者が慌てずに対応できるようにしていた点が印象的でした。
加えて、不測の事態に備えるものを、誰にでも見える状態にしていたこともポイントであったと思います。必要なものを用意してどこかにしまっておくのではなく、常に目に見える場所に置くことによって、よりいっそう家族の安心感につながったのではないかと思います。
このような工夫は他のお宅でも行われていました。例えば、急変時に必要な保険証や、既往歴を書いたメモ、診察券などを小さな専用バッグに入れて、すぐに持出せるようにベッドサイドの壁に吊るすという住まいの工夫でした。
認知症の方に限らず、在宅介護、特に医療的なケアが必要な場合の家族の負担感は非常に大きいと思います。様々な資源を活用して、もしもの時に備える体制を作っておくことが必要になると思います。
今回の事例では、もしもの時に備える住まいの工夫を講じることで、不測の事態が起きた時でも、家族や介助者が慌てずに対応できるようにしていた点が印象的でした。
加えて、不測の事態に備えるものを、誰にでも見える状態にしていたこともポイントであったと思います。必要なものを用意してどこかにしまっておくのではなく、常に目に見える場所に置くことによって、よりいっそう家族の安心感につながったのではないかと思います。