第6回 住空間の快適性 その1〜センサーで開閉するゴミ箱を使う工夫〜
住空間の快適性には、空気の清浄性やにおい、風の質、温度や湿度、自然の光や照明の光、明るさやまぶしさや影、室内外の音、部屋の床や壁の配色、家具などの色彩や質感など、様々な環境の要素が関わっています。一日の大半を居室内で過ごす高齢者の場合には、季節変化に合わせ年間を通じて住空間の快適性を保つための工夫が必要です。
そこで、第6回、第7回の2回にわたり、このような住空間の快適性に注目した住まいの工夫をご紹介します。
そこで、第6回、第7回の2回にわたり、このような住空間の快適性に注目した住まいの工夫をご紹介します。
住まいの工夫の内容
着替えや排泄介助のときに体を拭いた使い捨てウェットシートなどを入れる専用のゴミ箱を使っていました。この介護用ではないゴミ箱はセンサーで感知して開閉するもので、寝室・トイレ・浴室のどの場所からも行きやすい脱衣所の脇に置いていました。
住まいの工夫を行った理由・ねらい
感染症を予防することために、汚れもの専用のゴミ箱を用意する必要であった、とのことでした。
(家族から見て)住まいの工夫が役立つと感じる理由
手を近付けるとセンサーが感知してゴミ箱の蓋が開くので、汚れた手でゴミ箱の蓋を開けなくて済み、清潔が保たれていました。また、このゴミ箱を使い始めてから、排泄物のにおいも気にならなくなったということでした。
専門家からみたひとこと
この事例の方は、車いすに乗って移動している方で、ベッドから車いすへの移乗、入浴などに介助が必要でした。そのため、複数の訪問介護のサービス(介護保険外の自費の訪問介護も含まれていました)を利用されていました。どのホームヘルパーが行っても、汚れものはビニールに入れ専用のゴミ箱に捨てるということを徹底してもらい、感染症を予防し、認知症の方の健康状態を維持されていました。
また、排泄物のにおいへの対策としても密閉性の高い自動開閉のゴミ箱は効果を発揮していました。もちろん汚れものはビニールに入れて捨てる、ということが徹底されていたためでもあると思います。
このように、非常に細かい配慮を積み重ねて住空間の空気の質を良好に保つことで、住空間の快適性と認知症の方の健康を守っていました。
認知症の方の場合、一般的に自分にとって居心地の良い環境、快適な環境の選択が難しくなると言われています。また、身体と環境の不具合に気づいてSOSを発したり、快適な環境になるよう環境に働きかけて変えていくことが難しいと言われています。
どのような環境を心地がよいと感じるかは個人の感じ方の違いもあり、一概に「このような環境がよい」と明言することは難しいのですが、冒頭で挙げたような住空間の快適性に関しては、認知症の有無に関わらず共通であるものも少なくないと思います。
したがって、特に住空間の快適性に関しては、自ら働きかけにくい状況であることを理解して住まいの工夫を行っていくことが大切であると思います。
また、排泄物のにおいへの対策としても密閉性の高い自動開閉のゴミ箱は効果を発揮していました。もちろん汚れものはビニールに入れて捨てる、ということが徹底されていたためでもあると思います。
このように、非常に細かい配慮を積み重ねて住空間の空気の質を良好に保つことで、住空間の快適性と認知症の方の健康を守っていました。
認知症の方の場合、一般的に自分にとって居心地の良い環境、快適な環境の選択が難しくなると言われています。また、身体と環境の不具合に気づいてSOSを発したり、快適な環境になるよう環境に働きかけて変えていくことが難しいと言われています。
どのような環境を心地がよいと感じるかは個人の感じ方の違いもあり、一概に「このような環境がよい」と明言することは難しいのですが、冒頭で挙げたような住空間の快適性に関しては、認知症の有無に関わらず共通であるものも少なくないと思います。
したがって、特に住空間の快適性に関しては、自ら働きかけにくい状況であることを理解して住まいの工夫を行っていくことが大切であると思います。