第13回 盲導犬ユーザーにあなたができること……「色を伝えましょう♪」
さて、本日がお仕事納めの方もたくさんいらっしゃると思います。当会も本日で今年は終了〜。
今年はこのブログ企画のお話をいただいたり、UD(ユニバーサルデザイン)に関わるお仕事が広がりを見せたりと、当会にとって非常に実りある年となりました。来年も引き続き頑張りますので、是非、応援のほど宜しくお願いいたします♪
では、今年最後のブログは、「盲導犬ユーザーにあなたができること…」について考えてみましょう!
今年はこのブログ企画のお話をいただいたり、UD(ユニバーサルデザイン)に関わるお仕事が広がりを見せたりと、当会にとって非常に実りある年となりました。来年も引き続き頑張りますので、是非、応援のほど宜しくお願いいたします♪
では、今年最後のブログは、「盲導犬ユーザーにあなたができること…」について考えてみましょう!
自宅のベッドでくつろぐ聴導犬。
基本、お仕事時間以外は、普通のペットと同じです♪
年末年始、補助犬たちもユーザーさんとのんびり過ごします。
基本、お仕事時間以外は、普通のペットと同じです♪
年末年始、補助犬たちもユーザーさんとのんびり過ごします。
前々回、前回とご紹介した盲導犬ユーザーSさんとのやりとりの中で、こんなことがありました。
11年前の補助犬法成立の日(5月22日)、初対面のSさんのアテンドをすることになりました。国会議事堂までの道を誘導している途中、私は無我夢中で緊張を解くため(きっと、私自身の……)必死で楽しくお話ししていました。道の前には、ズラッと報道陣のカメラが並びます。
その時、Sさんが尋ねました。
「今日のTさん(関係者)の洋服はどんなのですか?」と。
私は必死にそのTさんの素敵さが伝わるよう、色から形から、印象から、様々な言葉を尽くして一生懸命に伝えました。その時ふと、「この方、目が見えないのだから、色を伝えてもわからないから、失礼かな〜?」と感じました。
でも、その後のお返事が、「そうですか〜水色ですか〜。いや〜、僕はテッキリ紺色かと予想してたんだけど〜」と笑いました。
それで、私の悩みは吹っ切れました。私の見たまま、感じたままに、私の言葉を尽くして伝えればいいんだ!と直感的に感じました。
その後も歩行を続けていると……連れていた盲導犬が、少し斜め前方にクイッと進みました。ただ歩いているだけではないその反応に、「ん?○○君(盲導犬の名前)どうした?」と優しく声をかけて確認されました。
すぐに盲導犬は通常の歩行に戻ったのですが、その時に何があったのか、ユーザーさんには目視することができませんので、私から
「ちょうど右斜め前方に、真っ黒なカラスがいて、それに少し興味があったみたいですよ」と伝えました。
すると、Sさんが、
「えー!カラスって真っ黒だったの〜!?僕はてっきり、カラスってキョロちゃん(とあるチョコレート菓子のキャラクター)みたいにくちばしが黄色だと思ってた〜!」とビックリ発言……
お話を聞くと、Sさんは子どもの頃弱視で、辛うじて色や明るさを感じておられた時期があったそうです。ただ、その後の事故で完全に失明をされたとのこと。ですので、「視覚障害者=色が分からない・色を知らない」という決めつけはよくないことに気づきました。
盲導犬は、色を教えてくれません。そう考えると、私たちにできることが、たくさんあることに気づきます。
私はこのお仕事を通じて、盲導犬ユーザー=視覚障害者、介助犬ユーザー=肢体不自由者、聴導犬ユーザー=聴覚障害者と接する機会があります。その中で最も大切にしていることは、「自分がこの方の立場だったら、どうして欲しいか?どうしたいか?」を常日頃考えることです。
これは誰にでも行うことができます。そして、これは障がい者に限ったことではなく、被災地の方々、街で見かける高齢者、ベビーカーを押すお母さん、お腹に赤ちゃんのいるお母さん、外国の方……さらに、お友達、家族等、すべての人に置き換えてできることです。
少しの想像力で結構です。「相手の立場に立って考えてみる」を実行してみてください。日本国民全員が実行できれば、それは大きな思いやりの気持ちがある『すべての人に優しい社会』の実現に繋がると思います。
今年の流行語大賞にもなった「お・も・て・な・し」は、まさに思いやりの気持ちがなくてはできないと思います。ぜひ難しく考えず、まずは「考えてみる」ところから始めてください。考えてみる機会が増えれば増えるほど、実践できるチャンスも増えていき、最終的には「当たり前」のこととして実践できるようになります♪
来年の目標=『当たり前に思いやれる人』を目指してみてはいかがでしょうか?
それでは皆様、良いお年をお迎えください。また来年もよろしくお付き合い願います♪
11年前の補助犬法成立の日(5月22日)、初対面のSさんのアテンドをすることになりました。国会議事堂までの道を誘導している途中、私は無我夢中で緊張を解くため(きっと、私自身の……)必死で楽しくお話ししていました。道の前には、ズラッと報道陣のカメラが並びます。
その時、Sさんが尋ねました。
「今日のTさん(関係者)の洋服はどんなのですか?」と。
私は必死にそのTさんの素敵さが伝わるよう、色から形から、印象から、様々な言葉を尽くして一生懸命に伝えました。その時ふと、「この方、目が見えないのだから、色を伝えてもわからないから、失礼かな〜?」と感じました。
でも、その後のお返事が、「そうですか〜水色ですか〜。いや〜、僕はテッキリ紺色かと予想してたんだけど〜」と笑いました。
それで、私の悩みは吹っ切れました。私の見たまま、感じたままに、私の言葉を尽くして伝えればいいんだ!と直感的に感じました。
その後も歩行を続けていると……連れていた盲導犬が、少し斜め前方にクイッと進みました。ただ歩いているだけではないその反応に、「ん?○○君(盲導犬の名前)どうした?」と優しく声をかけて確認されました。
すぐに盲導犬は通常の歩行に戻ったのですが、その時に何があったのか、ユーザーさんには目視することができませんので、私から
「ちょうど右斜め前方に、真っ黒なカラスがいて、それに少し興味があったみたいですよ」と伝えました。
すると、Sさんが、
「えー!カラスって真っ黒だったの〜!?僕はてっきり、カラスってキョロちゃん(とあるチョコレート菓子のキャラクター)みたいにくちばしが黄色だと思ってた〜!」とビックリ発言……
お話を聞くと、Sさんは子どもの頃弱視で、辛うじて色や明るさを感じておられた時期があったそうです。ただ、その後の事故で完全に失明をされたとのこと。ですので、「視覚障害者=色が分からない・色を知らない」という決めつけはよくないことに気づきました。
盲導犬は、色を教えてくれません。そう考えると、私たちにできることが、たくさんあることに気づきます。
私はこのお仕事を通じて、盲導犬ユーザー=視覚障害者、介助犬ユーザー=肢体不自由者、聴導犬ユーザー=聴覚障害者と接する機会があります。その中で最も大切にしていることは、「自分がこの方の立場だったら、どうして欲しいか?どうしたいか?」を常日頃考えることです。
これは誰にでも行うことができます。そして、これは障がい者に限ったことではなく、被災地の方々、街で見かける高齢者、ベビーカーを押すお母さん、お腹に赤ちゃんのいるお母さん、外国の方……さらに、お友達、家族等、すべての人に置き換えてできることです。
少しの想像力で結構です。「相手の立場に立って考えてみる」を実行してみてください。日本国民全員が実行できれば、それは大きな思いやりの気持ちがある『すべての人に優しい社会』の実現に繋がると思います。
今年の流行語大賞にもなった「お・も・て・な・し」は、まさに思いやりの気持ちがなくてはできないと思います。ぜひ難しく考えず、まずは「考えてみる」ところから始めてください。考えてみる機会が増えれば増えるほど、実践できるチャンスも増えていき、最終的には「当たり前」のこととして実践できるようになります♪
来年の目標=『当たり前に思いやれる人』を目指してみてはいかがでしょうか?
それでは皆様、良いお年をお迎えください。また来年もよろしくお付き合い願います♪
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