第27回 子・孫育て問題<4>
孫の世話と住まいについて
【Q】
長男夫婦(28歳)と2世帯住宅で暮らす予定です。孫は3歳と3か月の男児2人です。とくに上の孫は自分たちに甘えたい様子ですが、孫の世話を任せてくれません。先日、嫁は「私たちの子ですから子育ては黙って見ていて下さい。何かあったら私からお願いします」といい、これからの同居生活に向けて途方に暮れています。何かアドバイスがあればお願いします。
【A】
2世帯住宅での交流の工夫についてお話を!
【解説】
あなたは祖母として育児の大変さがわかるので、手助けをしたいのですね。しかし、若い夫婦が育児について自分たちで協力体制ができているのであれば、そのすすめ方を優先してあげて下さい。
お嫁さんは、しっかり夫婦単位で子育てを考えているようですね。同居はその境界があいまいになりやすい傾向があります。彼女は、最初が肝心だと割り切ってルールを示したようで賢いやり方だと思います。まずは、若夫婦のお手並みを拝見してはいかがですか。
2世帯住居は、独立した家計を営む世帯がそれぞれの立場を尊重し、空間や設備を共有する方法でいろいろな利点があります。たとえば祖父母側は、老後の不安に備えての安心感を得られることがあります。これに対し、若夫婦側は、親の敷地に家を立てることや、子育ての手助けが得られる等のメリットが考えられます。
しかし、今まで別の生活をしていた家族同士の同居にはデメリットもあります。若い世代との生活スタイルのギャップや子育て方針の年代の相違もみられます。そのことでトラブルが発生することもあります。このため、それに対応できるような将来を見据えた住まい方の工夫が必要になるといえるでしょう。
そこで、2世帯同居の大枠モデルの説明をしてみましょう。これらを参考にして、自分たちのライフスタイルのあり方もよく勘案して話し合い、適切な同居の形を検討してはいかがでしょうか。
1.同居型 衣食住の共同部分が多く、お互いのプライバシーの確保は難しいが、相互の経済的負担は軽くなる傾向がある。
2.共有型 部屋の一部は共有し、それぞれのプライバシーの部分も確保するスタイル。
3.分離型 住まいの部屋のすべての部分を分離するものの、必要に応じて交流ができる。この場合、区分登記もできるので税金面で有利である。
なお、資金の利点については、二世帯住居特別加算融資、もしくは高齢者特別加算の対象になりますので、詳しくは自治体で対象条件を聞くことが望ましいと思います。
このように利点が多い2世帯同居住宅ですが、家族内のだれかが不満をつのらせてトラブルになることも少なくありません。今回のことは、ある意味で、お嫁さんがトラブルになる前にお互いの生活スタイルのルールを事前に示したともいえます。
また、家計の収出等の経済面は同居した形の方が望ましいといわれています。トラブルになったときには神経質になっていますので、水道料金代でさえ喧嘩のタネになることをお忘れなく。さらに、できれば事前に相続や登記のことや先行きの介護等を協議しておくことも大切です。その他、兄弟がいれば、同居しない子どもも交えて話し合いをして、記録に残しておくことも兄弟間のトラブルを防ぐことになります。
お互いの満足度の高い2世帯同居住居というのは、(1)嫁や姑が働く等で家庭にいる時間が短いこと、(2)皆が決めた一定のルールを守り、その点においては自己主張を抑える配慮があること、(3)お互いの暮らしに基本的には干渉しないこと、(4)夫が中心になり、嫁や姑の関係を上手く取りもつ工夫をすること、(5)感謝の気持ちやお礼はお互いにきちんとできることなどが考えられます。
いずれにしても、住居は高い買い物です。家族の皆が後悔しないよう、十分に話し合いをし、柔軟に改善できるような工夫の住まいでありたいものです。また、あなたは「あくまでも、子どもの成長は親が主役」と自覚した方が得策です。ぜひ、あなたは「補助としての祖父母」に徹しましょう。
長男夫婦(28歳)と2世帯住宅で暮らす予定です。孫は3歳と3か月の男児2人です。とくに上の孫は自分たちに甘えたい様子ですが、孫の世話を任せてくれません。先日、嫁は「私たちの子ですから子育ては黙って見ていて下さい。何かあったら私からお願いします」といい、これからの同居生活に向けて途方に暮れています。何かアドバイスがあればお願いします。
旭川市・自営業(60歳)
【A】
2世帯住宅での交流の工夫についてお話を!
【解説】
あなたは祖母として育児の大変さがわかるので、手助けをしたいのですね。しかし、若い夫婦が育児について自分たちで協力体制ができているのであれば、そのすすめ方を優先してあげて下さい。
お嫁さんは、しっかり夫婦単位で子育てを考えているようですね。同居はその境界があいまいになりやすい傾向があります。彼女は、最初が肝心だと割り切ってルールを示したようで賢いやり方だと思います。まずは、若夫婦のお手並みを拝見してはいかがですか。
2世帯住居は、独立した家計を営む世帯がそれぞれの立場を尊重し、空間や設備を共有する方法でいろいろな利点があります。たとえば祖父母側は、老後の不安に備えての安心感を得られることがあります。これに対し、若夫婦側は、親の敷地に家を立てることや、子育ての手助けが得られる等のメリットが考えられます。
しかし、今まで別の生活をしていた家族同士の同居にはデメリットもあります。若い世代との生活スタイルのギャップや子育て方針の年代の相違もみられます。そのことでトラブルが発生することもあります。このため、それに対応できるような将来を見据えた住まい方の工夫が必要になるといえるでしょう。
そこで、2世帯同居の大枠モデルの説明をしてみましょう。これらを参考にして、自分たちのライフスタイルのあり方もよく勘案して話し合い、適切な同居の形を検討してはいかがでしょうか。
1.同居型 衣食住の共同部分が多く、お互いのプライバシーの確保は難しいが、相互の経済的負担は軽くなる傾向がある。
2.共有型 部屋の一部は共有し、それぞれのプライバシーの部分も確保するスタイル。
3.分離型 住まいの部屋のすべての部分を分離するものの、必要に応じて交流ができる。この場合、区分登記もできるので税金面で有利である。
なお、資金の利点については、二世帯住居特別加算融資、もしくは高齢者特別加算の対象になりますので、詳しくは自治体で対象条件を聞くことが望ましいと思います。
このように利点が多い2世帯同居住宅ですが、家族内のだれかが不満をつのらせてトラブルになることも少なくありません。今回のことは、ある意味で、お嫁さんがトラブルになる前にお互いの生活スタイルのルールを事前に示したともいえます。
また、家計の収出等の経済面は同居した形の方が望ましいといわれています。トラブルになったときには神経質になっていますので、水道料金代でさえ喧嘩のタネになることをお忘れなく。さらに、できれば事前に相続や登記のことや先行きの介護等を協議しておくことも大切です。その他、兄弟がいれば、同居しない子どもも交えて話し合いをして、記録に残しておくことも兄弟間のトラブルを防ぐことになります。
お互いの満足度の高い2世帯同居住居というのは、(1)嫁や姑が働く等で家庭にいる時間が短いこと、(2)皆が決めた一定のルールを守り、その点においては自己主張を抑える配慮があること、(3)お互いの暮らしに基本的には干渉しないこと、(4)夫が中心になり、嫁や姑の関係を上手く取りもつ工夫をすること、(5)感謝の気持ちやお礼はお互いにきちんとできることなどが考えられます。
いずれにしても、住居は高い買い物です。家族の皆が後悔しないよう、十分に話し合いをし、柔軟に改善できるような工夫の住まいでありたいものです。また、あなたは「あくまでも、子どもの成長は親が主役」と自覚した方が得策です。ぜひ、あなたは「補助としての祖父母」に徹しましょう。
保育専門学校講師 白石京子
↓無料相談 随時受付中(詳細は下記)
- お問合せ
-
今回の無料相談の内容についてもっと詳しく知りたい!
あるいは別の内容だけど聞いてみたい!といった
質問・相談を随時、受け付けています。
なんでも無料相談はコチラまで
(アクティブシニア編集部)