第25回 離婚問題について<4>
夫が離婚調停を起こそうとしているのですが…
【Q】
夫と家庭内別居を始めて3年の主婦ですが、夫が離婚調停を申し立てました。どのような準備をするといいでしょうか。私はパートで月9万円の収入しかなく、離婚するつもりはありません。
なお、子どもはそれぞれ独立しています。夫は自分名義の築20年の住居を売りに出すかもしれませんが、家を購入する際、私は400万円を出しています。
【A】
まずは、調停の心得を考えましょう。
【解説】
まず、ご主人は裁判覚悟のうえの離婚を決意されているのでしょうか。
あなたは離婚したくないとすれば、「円満調停」といって結婚生活の改善の申し立てができます。ただ、本当にやり直したいのか、今後の生活不安のためなのか、じっくり考えることがいいでしょう。
また、離婚調停のなかで「離婚したくない」理由を述べ、相手との意見の調整をしてもらうことも可能です。ただ、調停はお互いの気持ちの整理・整頓でもありますので、自分の意見の味方をしてもらおうというのは無理です。それはご主人も同様です。
最終的には双方の意見の合意が調停で、調停で話し合いがまとまらなければ裁判となります。ただ、あなたは離婚したくなければ今の状況が続く可能性もあります。その際、あなたが婚姻費用の分担(あなたの生活費)を申し立てすることもできます。
調停は、申立人と相手側がそれぞれの待合室で待ち、交代で話を聞いてもらいます。最初の調停の説明や最後の合意の際は同席しますが、その他は基本的に別々に話を聞いてもらいます。自分の話の内容は基本的に相手に伝えられます。その繰り返しから、問題の争点や核心の部分を明らかにしていきます。これは相手に伝えてほしくないときはそのむねを調停委員に述べます。
あなたたちの場合、ここまでに至るまでのお互いの言い分や混乱があるようですので、調停は1回では終わらないかもしれません。逆に、あなたたちがあとで後悔しないよう、納得できる話し合いをする場ととらえることはできます。
調停は基本的には約1か月に1回程度開かれます。そして、その日の調停の最後に次回の日時を決まります。
調停の準備では以下の点に注意して下さい。
(1)話を前もって整理しておく。時系列に今回のいきさつも含め、説明できるようにする
(2)筆記用具の準備とメモを取る
(3)言い分に合わせて生活状況を示すもの、たとえば家計簿や貯金・借金といったお金の流れ、裏づけできる証拠品などもあれば準備する。
(4)次回の期日をその日の終わりに決めるため、少し先のスケジュールの把握や手帳を持参する。
(5)自分の味方をしてくれる代理人に相談してみると、今後の調停の目安や見通しをアドバイスしてくれる。
次に、あなたが心配している住居について考えましょう。
ところで、あなたは当面、住み続ける方法はありますが、最終的には明け渡すことになる可能性もあります。住居は夫婦で協力して形成した財産で、かつあなたが負担した400万円という事実は大きいです。その時のお金の出し入れの流れの記録はあるでしょうか。登記ではご主人1人だけの名義になっているということは、ご主人が勝手に家を売却し、移転登記することもあり得ますが、ご主人が勝手に売却する前、あなたの権利を守るための法的な仮処分や仮押えの方法をとることができます。
また、ご主人が家を出ていけば住宅のローンの支払いを止める可能性もあります。その場合、あなたが権利を買い取る方法もありますが、資金がない場合は問題です。ご主人は、あなたが家を出て行くことを望むかもしれません。このようなときは代理人に相談し、調停の中で話し合いを進めることもできます。
そこで、調停中であることは相手の勝手な暴走を控えるメリットもあります。あなたの今後の生活設計も視野に入れながら優先順位を考えて意見を述べ、調停で上手に相手と交渉しましょう。
夫と家庭内別居を始めて3年の主婦ですが、夫が離婚調停を申し立てました。どのような準備をするといいでしょうか。私はパートで月9万円の収入しかなく、離婚するつもりはありません。
なお、子どもはそれぞれ独立しています。夫は自分名義の築20年の住居を売りに出すかもしれませんが、家を購入する際、私は400万円を出しています。
埼玉県・A子
【A】
まずは、調停の心得を考えましょう。
【解説】
まず、ご主人は裁判覚悟のうえの離婚を決意されているのでしょうか。
あなたは離婚したくないとすれば、「円満調停」といって結婚生活の改善の申し立てができます。ただ、本当にやり直したいのか、今後の生活不安のためなのか、じっくり考えることがいいでしょう。
また、離婚調停のなかで「離婚したくない」理由を述べ、相手との意見の調整をしてもらうことも可能です。ただ、調停はお互いの気持ちの整理・整頓でもありますので、自分の意見の味方をしてもらおうというのは無理です。それはご主人も同様です。
最終的には双方の意見の合意が調停で、調停で話し合いがまとまらなければ裁判となります。ただ、あなたは離婚したくなければ今の状況が続く可能性もあります。その際、あなたが婚姻費用の分担(あなたの生活費)を申し立てすることもできます。
調停は、申立人と相手側がそれぞれの待合室で待ち、交代で話を聞いてもらいます。最初の調停の説明や最後の合意の際は同席しますが、その他は基本的に別々に話を聞いてもらいます。自分の話の内容は基本的に相手に伝えられます。その繰り返しから、問題の争点や核心の部分を明らかにしていきます。これは相手に伝えてほしくないときはそのむねを調停委員に述べます。
あなたたちの場合、ここまでに至るまでのお互いの言い分や混乱があるようですので、調停は1回では終わらないかもしれません。逆に、あなたたちがあとで後悔しないよう、納得できる話し合いをする場ととらえることはできます。
調停は基本的には約1か月に1回程度開かれます。そして、その日の調停の最後に次回の日時を決まります。
調停の準備では以下の点に注意して下さい。
(1)話を前もって整理しておく。時系列に今回のいきさつも含め、説明できるようにする
(2)筆記用具の準備とメモを取る
(3)言い分に合わせて生活状況を示すもの、たとえば家計簿や貯金・借金といったお金の流れ、裏づけできる証拠品などもあれば準備する。
(4)次回の期日をその日の終わりに決めるため、少し先のスケジュールの把握や手帳を持参する。
(5)自分の味方をしてくれる代理人に相談してみると、今後の調停の目安や見通しをアドバイスしてくれる。
次に、あなたが心配している住居について考えましょう。
ところで、あなたは当面、住み続ける方法はありますが、最終的には明け渡すことになる可能性もあります。住居は夫婦で協力して形成した財産で、かつあなたが負担した400万円という事実は大きいです。その時のお金の出し入れの流れの記録はあるでしょうか。登記ではご主人1人だけの名義になっているということは、ご主人が勝手に家を売却し、移転登記することもあり得ますが、ご主人が勝手に売却する前、あなたの権利を守るための法的な仮処分や仮押えの方法をとることができます。
また、ご主人が家を出ていけば住宅のローンの支払いを止める可能性もあります。その場合、あなたが権利を買い取る方法もありますが、資金がない場合は問題です。ご主人は、あなたが家を出て行くことを望むかもしれません。このようなときは代理人に相談し、調停の中で話し合いを進めることもできます。
そこで、調停中であることは相手の勝手な暴走を控えるメリットもあります。あなたの今後の生活設計も視野に入れながら優先順位を考えて意見を述べ、調停で上手に相手と交渉しましょう。
ソーシャルワーカー・翼 都子
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(アクティブシニア編集部)