第22回 離婚問題について<3>
離婚をして交際している女性と再婚したいのですが…
【Q】
妻は56歳ですが、アルツハイマー病とパーキンソン病がひどくなり、特別養護老人ホームに入ってもらいました。1年間看病しましたが、体力的にも精神的にももう限界でした。見舞いに行っても妻はすでに私が夫だとは認識できないようです。そこで、子どもがいないので、新たな人生を考え、できれば離婚をして交際している女性と再婚したいと思います。離婚できるでしょうか。
【A】
離婚は不可能ではないが、妻への十分な配慮が必要
【解説】
これまで認知症などが離婚の理由になることはありませんでしたが、判例で「婚姻を継続しがたい重要な事由」に当たるとして認められた例はあります。この問題はだれにでも起こりうることとして、妻側の意見と夫側の意見の賛否両論で反響を呼びました。
そこで、まず確認ですが、もし、あなたに再婚相手が具体的にもういるとするならば、難しいかもしれません。精神疾患と同様、弱者である配偶者を放り出すことは認められないのです。理由は何であれ、縁あって夫婦になり、介護する反面、新しい女性との2重生活を送っていたとすればなおのことです。
また、不誠実な夫からの離婚請求は認められない可能性があります。夫婦の一方が婚姻中に結婚生活を十分に維持できない重病で夫婦の協力義務が果たせないことによって、直に離婚が認められるというわけではないのです。
このため、一度、専門家である代理人に相談してみるのもいいかもしれません。各弁護士会の法律相談センターや日本司法支援センター(法テラス)があります。
相談の際は電話で予約をし、時系列に順序よく説明できるようにすることも大切です。例えば、妻に婚姻費用を払い続け、別居する方法など、いろいろなアドバイスしてくれるでしょう。
また、妻の親族などにも意見を聞くことは必要でしょう。お子さんがいなければなおのことです。その件についても代理人に立ち合ってもらい、自分の誠意を伝えてみましょう。
その際、あなたが今までに相互に助け合い、妻を支えてきた実績があるか、今後の妻への経済的な生活扶助などの誠実さが求められるなど、どちらにしてもあなたの責任は大きいといえるでしょう。
なお、交際している女性のことをめぐる慰謝料の話も覚悟しておいた方がいいでしょう。
いずれにしても、やけになって実力行使で離婚届を勝手に出すことはあまりいい知恵ではないことも付け加えておきます。
妻は56歳ですが、アルツハイマー病とパーキンソン病がひどくなり、特別養護老人ホームに入ってもらいました。1年間看病しましたが、体力的にも精神的にももう限界でした。見舞いに行っても妻はすでに私が夫だとは認識できないようです。そこで、子どもがいないので、新たな人生を考え、できれば離婚をして交際している女性と再婚したいと思います。離婚できるでしょうか。
山梨・男性(48歳)
【A】
離婚は不可能ではないが、妻への十分な配慮が必要
【解説】
これまで認知症などが離婚の理由になることはありませんでしたが、判例で「婚姻を継続しがたい重要な事由」に当たるとして認められた例はあります。この問題はだれにでも起こりうることとして、妻側の意見と夫側の意見の賛否両論で反響を呼びました。
そこで、まず確認ですが、もし、あなたに再婚相手が具体的にもういるとするならば、難しいかもしれません。精神疾患と同様、弱者である配偶者を放り出すことは認められないのです。理由は何であれ、縁あって夫婦になり、介護する反面、新しい女性との2重生活を送っていたとすればなおのことです。
また、不誠実な夫からの離婚請求は認められない可能性があります。夫婦の一方が婚姻中に結婚生活を十分に維持できない重病で夫婦の協力義務が果たせないことによって、直に離婚が認められるというわけではないのです。
このため、一度、専門家である代理人に相談してみるのもいいかもしれません。各弁護士会の法律相談センターや日本司法支援センター(法テラス)があります。
相談の際は電話で予約をし、時系列に順序よく説明できるようにすることも大切です。例えば、妻に婚姻費用を払い続け、別居する方法など、いろいろなアドバイスしてくれるでしょう。
また、妻の親族などにも意見を聞くことは必要でしょう。お子さんがいなければなおのことです。その件についても代理人に立ち合ってもらい、自分の誠意を伝えてみましょう。
その際、あなたが今までに相互に助け合い、妻を支えてきた実績があるか、今後の妻への経済的な生活扶助などの誠実さが求められるなど、どちらにしてもあなたの責任は大きいといえるでしょう。
なお、交際している女性のことをめぐる慰謝料の話も覚悟しておいた方がいいでしょう。
いずれにしても、やけになって実力行使で離婚届を勝手に出すことはあまりいい知恵ではないことも付け加えておきます。
ソーシャルワーカー・翼 都子
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(アクティブシニア編集部)