第8回 認知症ってどんな病気?(8)
完全に治ることはないけれど…
「どのような治療ができるのだろうか。」
家族が認知症になった時、誰でも最初に考えることでしょう。これまでに認知症の中にたくさんの種類があることを説明してきました。アルツハイマー型認知症のように脳細胞に物質がたまるものと、脳血管性認知症のように脳内の細かな血管が詰まって生じるものでは、治療が異なります。現在のところ、認知症の発症前のように完全に戻るという治療法はありません。その代わり、さまざまな認知症に対して効果的なことが見つかり、積極的に取り入れられています。
家族が認知症になった時、誰でも最初に考えることでしょう。これまでに認知症の中にたくさんの種類があることを説明してきました。アルツハイマー型認知症のように脳細胞に物質がたまるものと、脳血管性認知症のように脳内の細かな血管が詰まって生じるものでは、治療が異なります。現在のところ、認知症の発症前のように完全に戻るという治療法はありません。その代わり、さまざまな認知症に対して効果的なことが見つかり、積極的に取り入れられています。
自信を保つことで進行を遅らせる
第一選択としての治療法は、薬による治療以外のものです。意外に思われるかもしれませんが、薬による治療だけで治る病気とはいえないのが現実です。認知症を慢性の病気としてとらえて治療を考えること、そして長い年月にわたってその病気とつきあっていくことが大切です。
「そんなことをしていると間に合わなくなる。大切な家族の認知症がどんどん悪くなっていく」と訴える家族の気持ちは痛いほどわかります。でも、大切なのは「認知症ではないか」と本人もしくは家族が感じ始めた初期段階で自信喪失を少なくすることだと、私は考えています。初期であるほど、自信を保つことで認知症の進行を遅らせることができるからです。
「自信を保つ方法」とは何か。迷うかもしれませんが、私はその人が「自分は今、認知症になっているけれど、それでもこのようなことはできる」と自負してもらう心理的サポート、そしてこれまでに成し遂げたことを振り返り、今一度、自分に対する自信を回復する事が最も大切なことだと思っています。
心理療法では、回想法といって昔を振り返りながら自己評価を今一度あげるような治療を行います。作業療法によって改善を試みることもあります。その治療法と平行しながら、その人に合った薬物療法があると考えてください。認知症が始まったと思われる初期からいくつか療法を組み合わせることで、思っていたよりも病気の進行を遅らせることができます。
次回はアルツハイマー型、脳血管性の治療法について説明しましょう
「そんなことをしていると間に合わなくなる。大切な家族の認知症がどんどん悪くなっていく」と訴える家族の気持ちは痛いほどわかります。でも、大切なのは「認知症ではないか」と本人もしくは家族が感じ始めた初期段階で自信喪失を少なくすることだと、私は考えています。初期であるほど、自信を保つことで認知症の進行を遅らせることができるからです。
「自信を保つ方法」とは何か。迷うかもしれませんが、私はその人が「自分は今、認知症になっているけれど、それでもこのようなことはできる」と自負してもらう心理的サポート、そしてこれまでに成し遂げたことを振り返り、今一度、自分に対する自信を回復する事が最も大切なことだと思っています。
心理療法では、回想法といって昔を振り返りながら自己評価を今一度あげるような治療を行います。作業療法によって改善を試みることもあります。その治療法と平行しながら、その人に合った薬物療法があると考えてください。認知症が始まったと思われる初期からいくつか療法を組み合わせることで、思っていたよりも病気の進行を遅らせることができます。
次回はアルツハイマー型、脳血管性の治療法について説明しましょう