第4回 認知症ってどんな病気?(4)
中核症状、周辺症状への対応は?
中核症状、周辺症状はともに病気の進み具合によって変わります。中核症状は最近のことを忘れることから始まり、少しずつ過去の記憶もなくなります。何度も何度も繰り返し同じことを聞くようになるので、介護する人にはストレスフルですね。
しかしそれ以上に認知症のケアを困難なものにしているのが、中等度以降の周辺症状です。いないはずの人が見える幻覚、あり得ないことを直感的に「真実である」と信じ込む妄想が出る人もいることを書きましたが、その症状こそ介護者にとって最もつらい体験です。
でも、考えてみてください。真実ではなくても、その人自身にとっては「今、まさに経験している」と思っていることなので、それを全面的に否定すれば信頼関係を築くことができなくなります。「お金を盗られた」と訴える人に、「そのようなことなどあるはずがない」と一蹴してしまうと、あなたはもうその人にとって「相談できる相手ではない」と信頼感を失います。かといって「そうですね、また盗みにきましたね」と、ありもしないことを肯定すると、今度はその人の中の幻覚・妄想が消えなくなります。
難しいですね。全面的に否定することなく、かといってすべてを肯定することなく対応することが求められます。
しかしそれ以上に認知症のケアを困難なものにしているのが、中等度以降の周辺症状です。いないはずの人が見える幻覚、あり得ないことを直感的に「真実である」と信じ込む妄想が出る人もいることを書きましたが、その症状こそ介護者にとって最もつらい体験です。
でも、考えてみてください。真実ではなくても、その人自身にとっては「今、まさに経験している」と思っていることなので、それを全面的に否定すれば信頼関係を築くことができなくなります。「お金を盗られた」と訴える人に、「そのようなことなどあるはずがない」と一蹴してしまうと、あなたはもうその人にとって「相談できる相手ではない」と信頼感を失います。かといって「そうですね、また盗みにきましたね」と、ありもしないことを肯定すると、今度はその人の中の幻覚・妄想が消えなくなります。
難しいですね。全面的に否定することなく、かといってすべてを肯定することなく対応することが求められます。
被害妄想はいつもケアしている人に向けられやすい
妄想には被害的なものが圧倒的に多く、その人をいつもケアしてくれる人に向けられるという特徴があります。時々やってくる親戚が半日、面会した時には何も混乱した発言などなかったにもかかわらず、その人が帰った後にいつものように夕食を作ってくれた息子の妻に対して「今日は私の食事に毒を盛っていないでしょうね」と被害感を表面化させるのが、認知症の特徴です。
日ごろから介護している人には病気の進み具合がわかりますが、時に会う人には何も症状を出さないために状態がわかりません。「病気が出している症状」と頭ではわかっているつもりでも、実際に目の前でこのような症状を見てしまうと、介護者は驚き、愕然としてしまいます。
次回はそのような周辺症状に対して、私たちがどのように対応すればよいのかを考えましょう。
日ごろから介護している人には病気の進み具合がわかりますが、時に会う人には何も症状を出さないために状態がわかりません。「病気が出している症状」と頭ではわかっているつもりでも、実際に目の前でこのような症状を見てしまうと、介護者は驚き、愕然としてしまいます。
次回はそのような周辺症状に対して、私たちがどのように対応すればよいのかを考えましょう。