第7回 認知症ってどんな病気?(7)
介護者の安堵のために
認知症の症状を目の前で見たとしても、介護者は心の段階が「否認」にあれば、その事実を認めようとしません。そのような無意識の否定(=否認)は終わりを告げる時がきます。その際、介護者の心には「怒り」が満ちてくるものですが、介護者の気持ちを理解し、耳を傾けてくれる誰かと出会うことで、介護者は何よりも安堵します。そしてこう思うかもしれません。
「この人は自分の介護を理解してくれる人だ」と。怒りの気持ちが激しい介護者の場合は時間がかかるかもしれませんが、それでも常に変わらぬ傾聴を心がけ、何度も共感をもって介護者の声に耳を傾ける人がいるとわかった時、その人の存在は介護者にとって大きな力になります。
でも、「怒り」の時期にある時、介護者は自分の怒りに気づいていないことがあります。むしろ気づいていないほうが当たり前とも言えるかもしれません。ですから、周囲の人がその怒りに気づいていたとしても、そのことを介護者に伝えるタイミングが大切です。無理やり事実に直面しても何も得られません。さりげなく介護者に気づいてもらってこそ、介護の状況は変化していきます。
「この人は自分の介護を理解してくれる人だ」と。怒りの気持ちが激しい介護者の場合は時間がかかるかもしれませんが、それでも常に変わらぬ傾聴を心がけ、何度も共感をもって介護者の声に耳を傾ける人がいるとわかった時、その人の存在は介護者にとって大きな力になります。
でも、「怒り」の時期にある時、介護者は自分の怒りに気づいていないことがあります。むしろ気づいていないほうが当たり前とも言えるかもしれません。ですから、周囲の人がその怒りに気づいていたとしても、そのことを介護者に伝えるタイミングが大切です。無理やり事実に直面しても何も得られません。さりげなく介護者に気づいてもらってこそ、介護の状況は変化していきます。
誰もが理解者になれる
そのためには、必要な時に、必要とする人の前に、誰か相談を受けてくれる人の存在が欠かせません。その人は何も専門家である必要はありません。認知症に対する正しい情報をもち、その介護者を「理解しよう」とする前向きな姿勢さえあれば、誰でも地域で介護者の理解者になることができます。具体的な支援があれば介護者の怒りは収まり、介護に「適応」していくと考えられます。その日々への支援は、長く介護を受ける人とその人の介護者にとってきわめて大事なポイントです。
そしていつの日か本人を見送った後にも、悲しみを乗り越えた介護者はその人を失った喪失感から立ち直ることができます。それが「再起」という心の段階です。介護者が介護体験を通して再び自らの人生を考え直す時期と言えるでしょう。
次回からは、もう一度それぞれの認知症に戻って、治療や介護のポイントを説明していくことにします。
そしていつの日か本人を見送った後にも、悲しみを乗り越えた介護者はその人を失った喪失感から立ち直ることができます。それが「再起」という心の段階です。介護者が介護体験を通して再び自らの人生を考え直す時期と言えるでしょう。
次回からは、もう一度それぞれの認知症に戻って、治療や介護のポイントを説明していくことにします。