第1回 認知症ってどんな病気?(1)
認知症のことを正しく理解しよう
みなさんは認知症という病気をどのように理解していますか。歳をとると誰でも認知症になると思ってはいませんか? 認知症を理解する上で一番大切なのは、「認知症は病気である」ということを介護家族や地域がしっかりと理解することです。私は地域に招かれて講演会をすることがありますが、その際、最も多いのが「誰でも歳をとると認知症になるんでしょうか?」との質問です。
そうではありません。認知症は明らかな「病気」です。私は地域で開業医をしている老年期専門の精神科医として、誰でもなる一般的な「健忘」と病的な物忘れである認知症は、必ず区別して考える必要があることを常々患者さんや家族の人に説明しています。
歳をとると誰でも、もの忘れが出てきますが、ごく普通のもの忘れを「健忘」と呼びます。たとえば、昨日の会食で出た5品のうち1つがどうしても思い出せなかったり、着替えの際についその辺に置いた携帯電話をうっかりとして置き忘れ、後でどこに置いたのかわからなくなることなど、私たちの日常生活には多くの「もの忘れ」が存在しています。
そうではありません。認知症は明らかな「病気」です。私は地域で開業医をしている老年期専門の精神科医として、誰でもなる一般的な「健忘」と病的な物忘れである認知症は、必ず区別して考える必要があることを常々患者さんや家族の人に説明しています。
歳をとると誰でも、もの忘れが出てきますが、ごく普通のもの忘れを「健忘」と呼びます。たとえば、昨日の会食で出た5品のうち1つがどうしても思い出せなかったり、着替えの際についその辺に置いた携帯電話をうっかりとして置き忘れ、後でどこに置いたのかわからなくなることなど、私たちの日常生活には多くの「もの忘れ」が存在しています。
誰もが認知症になるわけではない
でも、そのような「うっかりミス」は、認知症とは関係なく誰にでも起きる健忘であることを知っておいてください。認知症は明らかに健忘の範囲を超えて病的な症状が進むものを指しています。「歳をとると誰でも認知症になる」といった考えは間違いなのです。
たとえば、大まかに理解していただくために大まかに説明すると、85歳の人100人に集まってもらうと、そのうち認知症である人は25人、およそ25%です。その割合は85歳から5年若返るごとに半減します。すなわち80歳ではおよそ12%、75歳では6%といった割合です。言い換えれば認知症は誰にでも起きるものではなく、明らかに病気として脳が小さくなるか(萎縮)、あるいは脳内の細い血管が詰まることで脳が変化していく病気です。病気である限り、認知症は予防することができ、認知症になったとしても進行を抑えることや症状の改善などをすることができます。
たとえば、大まかに理解していただくために大まかに説明すると、85歳の人100人に集まってもらうと、そのうち認知症である人は25人、およそ25%です。その割合は85歳から5年若返るごとに半減します。すなわち80歳ではおよそ12%、75歳では6%といった割合です。言い換えれば認知症は誰にでも起きるものではなく、明らかに病気として脳が小さくなるか(萎縮)、あるいは脳内の細い血管が詰まることで脳が変化していく病気です。病気である限り、認知症は予防することができ、認知症になったとしても進行を抑えることや症状の改善などをすることができます。