Vol.10 結晶知能を高める方法3:批評する!
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☆<結晶知能>☆
脳の成長が止まったシニア期以降でも、経験と深い思考を積み重ねることでグングン伸びる脳力。若者にはない、大人の英知のもとになる知能。困難に直面したときに高い水準で解決できる、まさにシニアの知能。
★<流動知能>★
パソコンゲームを競ったり、単純な計算をすばやく行ったりするような脳の「性能」。青年期までは急速に成長するが、シニア期以降、急激に衰えてしまう。シニアは苦手だが、社会的・対人的な問題の対処には役立たない。
脳の成長が止まったシニア期以降でも、経験と深い思考を積み重ねることでグングン伸びる脳力。若者にはない、大人の英知のもとになる知能。困難に直面したときに高い水準で解決できる、まさにシニアの知能。
★<流動知能>★
パソコンゲームを競ったり、単純な計算をすばやく行ったりするような脳の「性能」。青年期までは急速に成長するが、シニア期以降、急激に衰えてしまう。シニアは苦手だが、社会的・対人的な問題の対処には役立たない。
「結晶知能を高める方法」の第3回目は「批評する!」です。
結晶知能は、経験を積み重ねることによって高まりますが、単に経験するだけで高まるわけではありません。経験した事実を批判的に振り返ってみることによって、自然に思考する力が高まってくるのです。そこで、まずは、あなたの「生活批評」をしてみましょう。
結晶知能は、経験を積み重ねることによって高まりますが、単に経験するだけで高まるわけではありません。経験した事実を批判的に振り返ってみることによって、自然に思考する力が高まってくるのです。そこで、まずは、あなたの「生活批評」をしてみましょう。
【実践法3】超簡単メンタルテスト「○△×」法で、あなたの1日を評価する
反省することで高まる結晶知能
「今日の仕事は予想以上にうまくいったなあ」とか「今日はちょっと友人ともめちゃった」など、私たちは無意識に今日の出来事を反省しています。この内省力のあることが、人間を人間たらしめている根本のひとつです。この人間の本質的なチカラである内省力を使えば、結晶知能もおのずと高まります。
仕事によっては、日誌に記録することが義務づけられているほど、一日の振り返りを行うことは大事なことなのです。一日を振り返ること、すなわち「自己評価」が仕事のレベルアップにとても重要であることがわかります。仕事のレベルアップに有効な方法が、個人のレベルアップに役立たないはずはありません。一日の振り返りを仕事だけで終わりにしてしまうのは、とてももったいないことです。自分の振り返りをすれば、仕事以外の個人的な思考力をも磨くことができるはずです。
とはいっても、仕事ならするべきことがわかっているので、反省をすることはそう難しくはありません。しかし、私的な体験はいろいろなレベルのことがあるので、反省といっても重要なことから取るに足らないことまでさまざまです。どうすれば効率よく評価ができるか、そのポイントを考えてみましょう。
仕事によっては、日誌に記録することが義務づけられているほど、一日の振り返りを行うことは大事なことなのです。一日を振り返ること、すなわち「自己評価」が仕事のレベルアップにとても重要であることがわかります。仕事のレベルアップに有効な方法が、個人のレベルアップに役立たないはずはありません。一日の振り返りを仕事だけで終わりにしてしまうのは、とてももったいないことです。自分の振り返りをすれば、仕事以外の個人的な思考力をも磨くことができるはずです。
とはいっても、仕事ならするべきことがわかっているので、反省をすることはそう難しくはありません。しかし、私的な体験はいろいろなレベルのことがあるので、反省といっても重要なことから取るに足らないことまでさまざまです。どうすれば効率よく評価ができるか、そのポイントを考えてみましょう。
「情報呼吸」をするコツ
私たちは、日々、「情報呼吸」をしています。
情報呼吸とは、空気のように私たちを取り巻いている膨大な量の情報を、あたかも呼吸するように吸い込み、必要な成分だけを取り込み、老廃物をはき出す行為です。
これがうまくできると、無意識のうちに必要な情報を選び、吸収し、活用することができます。したがって、何か問題が起きたとき、あるいは目標を達成しようとするとき、日頃から情報呼吸ができているかどうかが、最適な解決法や最適な手段を見いだせるか否かの分かれ道なのです。
では、いったいどうすれば情報呼吸がうまくできるようになるのでしょうか。
膨大な量の情報の渦のなかから、瞬時に必要な情報を判別し、自分のものにするには、その情報に対する批評能力が欠かせません。あるいはまた、すでに手元にあるさまざまな情報のなかから、不要な情報を廃棄するにも、やはり批評能力が必要です。つまり、批評能力を高めることが、うまく情報呼吸をするコツなのです。
情報呼吸とは、空気のように私たちを取り巻いている膨大な量の情報を、あたかも呼吸するように吸い込み、必要な成分だけを取り込み、老廃物をはき出す行為です。
これがうまくできると、無意識のうちに必要な情報を選び、吸収し、活用することができます。したがって、何か問題が起きたとき、あるいは目標を達成しようとするとき、日頃から情報呼吸ができているかどうかが、最適な解決法や最適な手段を見いだせるか否かの分かれ道なのです。
では、いったいどうすれば情報呼吸がうまくできるようになるのでしょうか。
膨大な量の情報の渦のなかから、瞬時に必要な情報を判別し、自分のものにするには、その情報に対する批評能力が欠かせません。あるいはまた、すでに手元にあるさまざまな情報のなかから、不要な情報を廃棄するにも、やはり批評能力が必要です。つまり、批評能力を高めることが、うまく情報呼吸をするコツなのです。
○△×で一日を評価してみよう
そこで、ここでは、「今日の自分」を批評することを提案します。
寝る前に今日の一日を振り返って、「○△×」の3段階で評価するのです。例えば、その日にやりたいことを毎朝5つ考えます。メモをしておくとよいでしょう。寝る前にそれをチェックしてみます。全部できたら○、2つ以下だったら×、3つか4つだったら△をつけます。仕事に限らず、プライベートなことでも、他人のためになることを何か1つを実行する「一日一善」を含めてもかまいません。
朝のうちに何かを考えておく、ということが大変だったら、とにかく寝る前に、今日一日を振り返って、「まあ、良い一日だった」○、「ちょっと気になることが引っかかっている」△、「眠れそうにないほど悔しかったり、後悔したりしていることがある」×、というような基準で評価してもかまいません。
本当にこれで批評能力が付くのかと疑問に思うほど超簡単な方法ですが、実際に1週間か2週間、続けてみてください。何気ない日常が一変してしまうこと、請け合いです!
「○△×」という評価そのものは単純ですが、その評価に至る過程、すなわち今日一日を振り返るという行為に、批評能力、内省力、思考力などが要求されることを実感するはずです。
この「○△×」を手帳やカレンダーに記しておくこともお薦めします。できるだけ○の数を増やして、×を減らしたいという心理が働くため、毎日の過ごし方も徐々に変わっていくのです。
寝る前に今日の一日を振り返って、「○△×」の3段階で評価するのです。例えば、その日にやりたいことを毎朝5つ考えます。メモをしておくとよいでしょう。寝る前にそれをチェックしてみます。全部できたら○、2つ以下だったら×、3つか4つだったら△をつけます。仕事に限らず、プライベートなことでも、他人のためになることを何か1つを実行する「一日一善」を含めてもかまいません。
朝のうちに何かを考えておく、ということが大変だったら、とにかく寝る前に、今日一日を振り返って、「まあ、良い一日だった」○、「ちょっと気になることが引っかかっている」△、「眠れそうにないほど悔しかったり、後悔したりしていることがある」×、というような基準で評価してもかまいません。
本当にこれで批評能力が付くのかと疑問に思うほど超簡単な方法ですが、実際に1週間か2週間、続けてみてください。何気ない日常が一変してしまうこと、請け合いです!
「○△×」という評価そのものは単純ですが、その評価に至る過程、すなわち今日一日を振り返るという行為に、批評能力、内省力、思考力などが要求されることを実感するはずです。
この「○△×」を手帳やカレンダーに記しておくこともお薦めします。できるだけ○の数を増やして、×を減らしたいという心理が働くため、毎日の過ごし方も徐々に変わっていくのです。
人生をよりよく過ごすために
もしも寝る前の評価が×だった場合のことです。そのまま寝てしまうのも、眠れないほどあれこれと考えてしまうのも、どちらも精神的には良くありません。そこで、「結晶知能を高める方法2」で示した実践法の「自分にごほうびをあげる」をここでも実践してください。
本当に小さなごほうびでいいのです。「推理小説に没頭してみる」「香りの良い入浴剤でお風呂に入る」「高級ウイスキーを飲みながら、好きな音楽を聴く」「お笑い番組をみて大笑いをする」「ダビングしておいた映画をみる」。何でもかまいません。とにかく、自分が幸福感を味わえることをするのです。これで、×だった一日が○に変わります。一日の評価だけでなく、ハッピーに一日を終えることも、次の一日に備えるために重要です。結晶知能も知能ですから、感情に押し流されては高まってはくれません。感情は常にポジティブであること。これも結晶知能を高めるためには大事なことです。
【結晶知能を高める方法3:批評する!】のこれ以外の方法については、拙著「『結晶知能』革命─50歳からでも「脳力」は伸びる!」(小学館)を参照してください。
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佐藤眞一先生が会長を務める老年行動科学会のホームページは、こちらからご覧になれます。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsbse/
日本老年行動科学会は、高齢者心理の研究者、医療・看護等の専門家、高齢者ケアの実践者等、様々な人々が集い、高齢者の徘徊や行動障害など心の問題に根ざした課題の解明に努め、高齢者の行動・生活改善とケアの向上に取り組んでいます。
現在、月例の高齢者ケースワーク研究会(ACS)、ACSのノウハウを基にした老年行動科学講座を開設しています。