Vol.22 結晶知能を高める方法9:洗練させる!
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☆<結晶知能>☆
脳の成長が止まったシニア期以降でも、経験と深い思考を積み重ねることでグングン伸びる脳力。若者にはない、大人の英知のもとになる知能。困難に直面したときに高い水準で解決できる、まさにシニアの知能。
★<流動知能>★
パソコンゲームを競ったり、単純な計算をすばやく行ったりするような脳の「性能」。青年期までは急速に成長するが、シニア期以降、急激に衰えてしまう。シニアは苦手だが、社会的・対人的な問題の対処には役立たない。
脳の成長が止まったシニア期以降でも、経験と深い思考を積み重ねることでグングン伸びる脳力。若者にはない、大人の英知のもとになる知能。困難に直面したときに高い水準で解決できる、まさにシニアの知能。
★<流動知能>★
パソコンゲームを競ったり、単純な計算をすばやく行ったりするような脳の「性能」。青年期までは急速に成長するが、シニア期以降、急激に衰えてしまう。シニアは苦手だが、社会的・対人的な問題の対処には役立たない。
「結晶知能を高める方法」の第9回目は「洗練させる!」です。
洗練させるとは、よけいな要素をそぎ落とし、シンプルにして本質をつかむことであり、1つのことを極める行為でもあります。目標の達成には欠かせない要素であるだけでなく、洗練の過程において集中力や洞察力も高まります。
洗練させるとは、よけいな要素をそぎ落とし、シンプルにして本質をつかむことであり、1つのことを極める行為でもあります。目標の達成には欠かせない要素であるだけでなく、洗練の過程において集中力や洞察力も高まります。
【実践法9】人にはあだ名を、メールにはタイトルをつけよう
メールにタイトルをつける習慣を
パソコンでも携帯電話でも、メールを書くときには、必ず宛先の次に「件名」を記入する欄が表示されます。誰かのメールに対する返事の場合は、「返信」を選ぶと自動的に「Re」に相手からのメールの件名が付いたものが、件名欄に表示されます。返信を書く際には、これをそのまま生かす方が、圧倒的に多数派だと思いますが、いかがでしょうか?
件名をいちいち考えるのは、確かにめんどうなものですが、返信であっても「Re:何々」をそのままにしておかず、削除して新たな件名を考え、件名欄に書き入れるようにしてみてください。そのような癖をつけることで、物事の本質をつかむための訓練が手軽にできます。
というのも、件名は、返信であっても新規であっても、まずメールの内容が簡潔にわかるものでなければいけません。と同時に、緊急なのか後回しでもよいのか、重要なのかそうでもないのかなどの、優先順位の判断がつくものでなければなりません。メールの本質が、シンプルに表現されていなければならないのです。つまり、件名を必ずつける習慣を身につけることによって、物事の本質をつかみ、洗練させる訓練が日常的にできるわけです。
実際につけてみるとよくわかるのですが、用件がある場合よりも、これといった用件のない場合のほうが、件名はつけにくいものです。気分や感想などが中心の、曖昧な内容のメールに件名をつけるのは、かなり難しいのです。ただ、難しいといってもごくわずかな時間でできる作業ですし、慣れてくればパッと件名が頭に浮かぶようになりますから、ぜひ習慣化してください。
また、件名をつける際には、一度書いたメールを読み直す必要があります。すると、書き放しで送ったときには気づかなかった誤字脱字や、言い回しのわかりにくさなどに気づくことにもなり、文章の上達にもつながります。
件名をいちいち考えるのは、確かにめんどうなものですが、返信であっても「Re:何々」をそのままにしておかず、削除して新たな件名を考え、件名欄に書き入れるようにしてみてください。そのような癖をつけることで、物事の本質をつかむための訓練が手軽にできます。
というのも、件名は、返信であっても新規であっても、まずメールの内容が簡潔にわかるものでなければいけません。と同時に、緊急なのか後回しでもよいのか、重要なのかそうでもないのかなどの、優先順位の判断がつくものでなければなりません。メールの本質が、シンプルに表現されていなければならないのです。つまり、件名を必ずつける習慣を身につけることによって、物事の本質をつかみ、洗練させる訓練が日常的にできるわけです。
実際につけてみるとよくわかるのですが、用件がある場合よりも、これといった用件のない場合のほうが、件名はつけにくいものです。気分や感想などが中心の、曖昧な内容のメールに件名をつけるのは、かなり難しいのです。ただ、難しいといってもごくわずかな時間でできる作業ですし、慣れてくればパッと件名が頭に浮かぶようになりますから、ぜひ習慣化してください。
また、件名をつける際には、一度書いたメールを読み直す必要があります。すると、書き放しで送ったときには気づかなかった誤字脱字や、言い回しのわかりにくさなどに気づくことにもなり、文章の上達にもつながります。
思わず二ヤリなあだ名を考えよう
「件名」とは、言い換えれば「タイトル」ですが、タイトルはメールだけでなく、さまざまな事象につけることができます。例えば、人にあだ名をつけるのもタイトルの一種です。人となりやエピソードを、ひと言でみごとに言い表したあだ名に巡り会うと、思わず「うまいなあ」と感心させられます。
田中角栄元首相が、「コンピュータ付きブルドーザー」とあだ名されていたのはよく知られた事実ですが、これなども田中氏の人となりを言い得て妙ではないでしょうか。政治家のあだ名では、後藤田正晴氏の「カミソリ」もよく知られていますが、おもしろいところではサッチャー首相時代のイギリスの蔵相、ジョン・メージャー氏のあだ名「プードル」があります。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、その意味は「サッチャーの犬」だそうです。イギリス人らしい、皮肉のよく利いたあだ名だと思います。
田中角栄元首相が、「コンピュータ付きブルドーザー」とあだ名されていたのはよく知られた事実ですが、これなども田中氏の人となりを言い得て妙ではないでしょうか。政治家のあだ名では、後藤田正晴氏の「カミソリ」もよく知られていますが、おもしろいところではサッチャー首相時代のイギリスの蔵相、ジョン・メージャー氏のあだ名「プードル」があります。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、その意味は「サッチャーの犬」だそうです。イギリス人らしい、皮肉のよく利いたあだ名だと思います。
記憶に残る強力な言葉は結晶知能の賜物
今日一日にタイトルをつけることもできます。眠る前に、今日はどんな日だったかを思い出し、命名するのです。「大切な人と出会った日」とか、「顔で笑って心で泣いた日」といったやや抽象的なタイトルでもよいですし、「この秋に初めて柿を食べた日」のような具体的なタイトルでもよいでしょう。いずれにせよ、タイトルをつけることで、今日という一日の本質が見えてきます。
メールの件名もあだ名やタイトルも、あるいは広告の宣伝文句も、要は短い言葉で本質を突いているかが評価の判断基準になります。洗練された言語の機能は、きわめて強力です。いつまでも記憶に残るような強力な言葉を考えつくことができれば、あなたの結晶知能は非常に高度なレベルになっている証拠です。
【結晶知能を高める方法9:洗練させる!】のこれ以外の方法については、拙著「『結晶知能』革命─50歳からでも「脳力」は伸びる!」(小学館)を参照してください。
メールの件名もあだ名やタイトルも、あるいは広告の宣伝文句も、要は短い言葉で本質を突いているかが評価の判断基準になります。洗練された言語の機能は、きわめて強力です。いつまでも記憶に残るような強力な言葉を考えつくことができれば、あなたの結晶知能は非常に高度なレベルになっている証拠です。
【結晶知能を高める方法9:洗練させる!】のこれ以外の方法については、拙著「『結晶知能』革命─50歳からでも「脳力」は伸びる!」(小学館)を参照してください。
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佐藤眞一先生が会長を務める老年行動科学会のホームページは、こちらからご覧になれます。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsbse/
日本老年行動科学会は、高齢者心理の研究者、医療・看護等の専門家、高齢者ケアの実践者等、様々な人々が集い、高齢者の徘徊や行動障害など心の問題に根ざした課題の解明に努め、高齢者の行動・生活改善とケアの向上に取り組んでいます。
現在、月例の高齢者ケースワーク研究会(ACS)、ACSのノウハウを基にした老年行動科学講座を開設しています。