Vol.20 結晶知能を高める方法8:言語化する!
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☆<結晶知能>☆
脳の成長が止まったシニア期以降でも、経験と深い思考を積み重ねることでグングン伸びる脳力。若者にはない、大人の英知のもとになる知能。困難に直面したときに高い水準で解決できる、まさにシニアの知能。
★<流動知能>★
パソコンゲームを競ったり、単純な計算をすばやく行ったりするような脳の「性能」。青年期までは急速に成長するが、シニア期以降、急激に衰えてしまう。シニアは苦手だが、社会的・対人的な問題の対処には役立たない。
脳の成長が止まったシニア期以降でも、経験と深い思考を積み重ねることでグングン伸びる脳力。若者にはない、大人の英知のもとになる知能。困難に直面したときに高い水準で解決できる、まさにシニアの知能。
★<流動知能>★
パソコンゲームを競ったり、単純な計算をすばやく行ったりするような脳の「性能」。青年期までは急速に成長するが、シニア期以降、急激に衰えてしまう。シニアは苦手だが、社会的・対人的な問題の対処には役立たない。
「結晶知能を高める方法」の第8回目は「言語化する!」です。
人間は言語を獲得したことで、ほかの動物にはない極めて高度な思考能力を獲得しました。人間の思考を支える根本は言語であり、言語能力を高めることは、経験を知識として定着させ、結晶知能を高めることに直結します。
人間は言語を獲得したことで、ほかの動物にはない極めて高度な思考能力を獲得しました。人間の思考を支える根本は言語であり、言語能力を高めることは、経験を知識として定着させ、結晶知能を高めることに直結します。
【実践法8】1日1行でも1年なら365行―「ワンテーマ日記」を書こう―
“書く”ことで、脳に知識を定着させよう
Vol.15「言葉と結晶知能」で述べたとおり、人間だけがほかの動物にはない高度な知能を発達させることができた要因は、言語の獲得にあります。言語がなくても物事を記憶することはできますが、複雑な思考をしたり、経験や知識を脳に定着させたり、それを蓄積し、伝達するには言語が必要です。言語は思考能力と密接なつながりがあり、言語能力を高めることは、結晶知能を高めることに直結しているのです。
今回は、さまざまな事象を言語化することによって、知識として脳に定着させる方法をご紹介します。言語化とは、ふだん何気なくしている行為や、五感を通じて無意識のうちに感じていることを、意識の表面に浮かび上がらせ、それを言葉として表現することです。したがって「書く」ことと「話す」ことが手段になりますが、ここでは「書く」手段を使用して脳に定着させる方法をご紹介します。
今回は、さまざまな事象を言語化することによって、知識として脳に定着させる方法をご紹介します。言語化とは、ふだん何気なくしている行為や、五感を通じて無意識のうちに感じていることを、意識の表面に浮かび上がらせ、それを言葉として表現することです。したがって「書く」ことと「話す」ことが手段になりますが、ここでは「書く」手段を使用して脳に定着させる方法をご紹介します。
自分だけの「ワンテーマ日記」
私がお勧めするのは、「日記」です。とはいっても、単なる日記ではなく、テーマを1つに絞った「ワンテーマ日記」です。日記の場合、途中で挫折してしまう原因の多くは、いろいろなことを書こうとしすぎて面倒になってしまうか、書くことがなくなって筆が進まなくなってしまうかの、どちらかではないでしょうか。この2つの大きな悩みを解決してくれるのが、これからご紹介する方法です。
ワンテーマ日記では、自分が興味をひかれること、好きなことを1つ選んで、それをテーマに日記を書きます。気が向けばほかのことを書いてもよいのですが、基本的にはそのことのみを記します。
ワンテーマ日記では、自分が興味をひかれること、好きなことを1つ選んで、それをテーマに日記を書きます。気が向けばほかのことを書いてもよいのですが、基本的にはそのことのみを記します。
日記のテーマは、食ならば「蕎麦」や「ラーメン」のように絞り込んでもよいですし、単に「食べ歩き」と幅をもたせてもよいでしょう。また、読書や映画、音楽などカルチャー系のテーマや、特定の政党や企業の動向やそれに対する思いなど、政治・経済関連のテーマにすることもできます。
ほかの実践法との組み合わせも考えてみる
ワンテーマ日記は、「言語化」と深く結びついた方法ですが、Vol.10「実践法3 批評する!」やVol.12「実践法4 こだわる!」とも大いに関係があります。
「蕎麦の食べ歩き」でいえば、価格とボリュームのバランス、出汁や蕎麦のグレードなど、独自の評価項目を決めて、それを記すことにすれば「批評する」ことになりますし、うんちくを記せば「こだわり」に関連してきます。
あるいは、散歩術とリンクさせて、ワンテーマ日記を書くこともできます。街路樹にこだわって散歩をしている方は、散歩中に見かけた街路樹について毎日記せばよいわけですし、散歩中に見かけた物のなかから必ず何か1つ買うことにしている方は、買った物について記せばよいのです。
「蕎麦の食べ歩き」でいえば、価格とボリュームのバランス、出汁や蕎麦のグレードなど、独自の評価項目を決めて、それを記すことにすれば「批評する」ことになりますし、うんちくを記せば「こだわり」に関連してきます。
あるいは、散歩術とリンクさせて、ワンテーマ日記を書くこともできます。街路樹にこだわって散歩をしている方は、散歩中に見かけた街路樹について毎日記せばよいわけですし、散歩中に見かけた物のなかから必ず何か1つ買うことにしている方は、買った物について記せばよいのです。
継続することが何よりも大切
とにかく文章量よりも、続けることがポイントです。あまり欲張らず、1日に1行か2行、せいぜい3行ぐらい書くことにしておけば、書くことが負担になりませんし、ネタが尽ることもありません。1日に1行でも、365日続ければ365行ですし、1日に1つ何かを見たり考えたりしたとしても、365日では365の見聞や考えになるのです。
【結晶知能を高める方法8:言語化する!】のこれ以外の方法については,拙著「『結晶知能』革命─50歳からでも「脳力」は伸びる!」(小学館)を参照してください。
次回は11月17日(火)、更新予定です。
【結晶知能を高める方法8:言語化する!】のこれ以外の方法については,拙著「『結晶知能』革命─50歳からでも「脳力」は伸びる!」(小学館)を参照してください。
次回は11月17日(火)、更新予定です。
- 関連リンク
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佐藤眞一先生が会長を務める老年行動科学会のホームページは、こちらからご覧になれます。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsbse/
日本老年行動科学会は、高齢者心理の研究者、医療・看護等の専門家、高齢者ケアの実践者等、様々な人々が集い、高齢者の徘徊や行動障害など心の問題に根ざした課題の解明に努め、高齢者の行動・生活改善とケアの向上に取り組んでいます。
現在、月例の高齢者ケースワーク研究会(ACS)、ACSのノウハウを基にした老年行動科学講座を開設しています。