心の健康が身体の健康を創る（生きがいのあるボランティア生活）

　昔から健全な身体に健全な精神が宿る、という言葉がありますが、私は逆だと思うのです。


　健全な心があれば健全な身体を保っていくことができるのではないでしょうか。いくら身体が丈夫でも、そこに今日一日いかに自分が今生きているという実感を持ち、感謝の気持ちを持たなければ、有意義な日を送ることができないと思います。


　それが今日という日を大切に過ごし、何かひとつでも誰かのために何かをすることができた、と（たとえささやかなことでも）満足できれば、自分が健康で働けたことに感謝できます。そして、明日は今日よりももっとすばらしい日になるという希望を持って、毎日その連続で過ごしていけたら,、充実した日々を送ることができるでしょう。今日よりすばらしい明日を迎えるために、健康な身体を保っていくには具体的に、食事・運動などよりよい生活習慣に積極的に気をつけるようになり、毎日を明るく過ごしていくことができると思っています。

　私がこのような考えを持つようになったのは、二つの出会いがあったからです。


　ひとつは、私が少女のころであった一冊の本『喜びの少女パレアナ』です。この少女パレアナは自分の身に起こること、すべてを喜びとして受け入れることのできる不思議な心を持つ少女なのです。例えば、人が不幸だと思えることもそれを受け止める心の持ち方によって、これは自分にとって幸せなことだと思い変え、喜びとして受け入れるのです。いつも人に優しくし、思いやりの心を忘れず明るく振舞っているので、パレアナの言葉一つ一つが人を幸せにし、相手の心をまで明るくして周りの人々に喜びをもたらしていく少女なのです。


　この本が私の心に深くしみこみ、少しでもパレアナのようになりたいと思って育ち、今も何か悲しいことや辛いこと苦しいことが起こったとき「パレアナのように」と心の中で呪文のようにささやくと自分の考えを明るいほうに思いかえることができるのです。そして、自分の人生の決まっている持ち時間を、いつでも辛い思いに使うことをもったいないと思い、考え方を切り替えるのです。


　もうひとつの出会いは、私の人生で一番重要な意味を持つ出会いが敬愛申し上げる日野原先生との出会いなのです。


　今から35年ぐらい前に子育てを終わり、ホッとしたとき、「友の会」の友人に誘われて受講したのがライフ・プランニング・センターの講座ホームケアアソシエトでした。その開講の日に初めて日野原先生のお話をお聴きしたとき、この先生こそ私の求めていたすべてだと直感しました。先生のお言葉のひとつひとつが私の心の琴線に触れたのです。それ以来、30数年ライフ・プランニング・センターとの関わりを持ち、ボランティアとしての生活が始まり今に至っています。それが私の心身の健康を保っていく上での重要な意味を持っているのです。


　

　人が健康に過ごしていくには、はじめに申し上げたようにまず心の健康が必要だと思うのです。五体満足でも心の健康がなければ、その人は毎日快適に過ごしていけません。逆にたとえ何か身体に障害があっても、心が健康であれば自分の生きている意味を感謝して受け入れ、毎日を満たされた思いで過ごすことができ、人にも愛を与えて生きていくことができるのです。


　健康で毎日を前向きにボランティア生活を生きがいに歩ませていただいています。時々直接日野原先生のお話をお聴きする機会に恵まれ、そのたびに先生のオーラを浴び、元気を頂き、先生のお言葉一つ一つが身体の中に刻まれて、心の健康を保つことができることを心から感謝しています。健康に感謝し、今ある自分が周りのすべての方から支えられていることに喜びを感じてすごすことができる日々です。


　終わりにこの健康な心身の資質を私に与え、この世に生を与えてくれた今は亡き両親に心から感謝をささげたいと思います。