大変さばかり強調されることの多いケアマネジャーの仕事。でも、そのなかには、大変さ以上の魅力がつまっています。「難しい……」を「面白い!」に変えるヒントを一緒に探していきましょう。
第14回 モニタリングのABC
のっけから残念なお知らせですが、この連載は次回で最終回となります。そこで、まだしっかりと解説していなかった、ケアマネジャーにとってとても大切なモニタリングについて改めて考えてみたいと思います。モニタリングについては、第7回「支援のゴールはどこだろう」でも少し触れています。今回の内容とリンクするところもあるので、できれば第7回を読み直してください。
皆さんは、モニタリングをどのように考えていらっしゃいますか? 私は、ずばりアセスメントそのものだと思っています。モニタリングとアセスメントの違いは、プランやサービスの効果の評価が加わる点でしょう。再アセスメントの機会と考えれば、しっくりくるかもしれません。
もう少し丁寧にお話ししますね。第7回では、支援の形を「新たなケアプランを作成するとき」「プランの変更もなく状態も安定しているとき」「サービスの利用がない(していない)とき」と大きく3つに分類しました。まず、この第一の形(新たなケアプランを作成するとき)におけるモニタリングを考えてみましょう。この場合には、利用者や家族とともに考えた目標に添っていくことが基本です。そのため、プランを新しく作成したり見直した際に、短期目標をより具体的にして変化を捉えやすい形で作成しておくと、そのままモニタリングの項目とすることができます。
例えば、長期目標が「行動範囲を広げる」、短期目標が「トイレまで自分で行く」とか「食事を家族と一緒の部屋でする」などとなっていれば、これらを実現できたかどうかが、モニタリングの第一の確認すべきポイントとなります。そして次のポイントは、結果をもたらした要因の確認となります。つまりできたとすれば、プランの内容が良かったからなのか、本人の機能が向上したからなのか、あるいは他者の努力の結果なのかを見極めるということです。目標が達成できていたとしても、その要因によっては、プランの内容を見直したり、あるいは目標そのものを検討しなければならないので、この見極めは重要です。
次に、第二の形(プランの変更もなく状態も安定しているとき)の場合には、どんな点をモニタリングするのでしょうか? これは最も専門性を問われるものとも言えます。すなわち、現在の安定した状態に変化が起こるとすればどのようなことなのかを予測し、その変化を見逃さないための準備をしておくということです。変化には、望ましいものとそうでないものがあります。私たちケアマネジャーは、どうも問題を発見することは得意ですが、望ましい変化を見つけるのは苦手な傾向があるように思います。だからこそ、利用者と一緒に、プランに沿って好ましい変化を予測しておき、なるべく小さなゴールを具体的にたくさん示しましょう。そうすれば成功体験が多くなって自己肯定感につながり、一緒に喜ぶチャンスも増えますよ!
一方、望ましくない変化に関する予測については利用者との共有は避け、サービス事業者と一緒に拾い上げておくことをお勧めします。そうすれば変化が小さな内に連絡をもらえることに繋がり、早めに対応することが可能になるからです。つまりこの段階のモニタリングの大きなポイントは、予測に添った変化の有無ということになります。
さて、では第三の形(サービスの利用がない(していない)とき)のモニタリングとはどんなことを指しているのでしょうか。かかわりも疎遠になりがちで、更新の時期でもないと存在自体が頭の隅っこに取り残されたままになっていることもありますよね。定期的に訪問するのが理想的ですが、現実としてそうもいかないことも多いでしょう。モニタリングの時期は更新時でも構いませんから、事前にこの方に起こりうる変化を予測し、その変化に対応できる用意をしておくことが大事です。簡単に言えば、出番になってから慌てないようにしっかり準備をしておく、ということです。ですから、ケアマネにどんな出番があるのかを考えることがモニタリング項目といえるかもしれませんね。
ここまで述べてきたように、モニタリングは単にケアプランの効果測定や利用者・家族の満足度を確かめるのみならず、ケアプランを見直すためのアセスメントそのものだと私は考えています。ケアマネジャーが行うケアマネジメントとは、介護保険の利用によって利用者に最大の効果をもたらすことを求めるものです。「今」の満足あるいは充足だけではダメなのです。将来を見据え、利用者の自立を目指していくものです。そのために欠かせないのがモニタリング。ポイントを踏まえてしっかり実践していきましょう。
皆さんは、モニタリングをどのように考えていらっしゃいますか? 私は、ずばりアセスメントそのものだと思っています。モニタリングとアセスメントの違いは、プランやサービスの効果の評価が加わる点でしょう。再アセスメントの機会と考えれば、しっくりくるかもしれません。
もう少し丁寧にお話ししますね。第7回では、支援の形を「新たなケアプランを作成するとき」「プランの変更もなく状態も安定しているとき」「サービスの利用がない(していない)とき」と大きく3つに分類しました。まず、この第一の形(新たなケアプランを作成するとき)におけるモニタリングを考えてみましょう。この場合には、利用者や家族とともに考えた目標に添っていくことが基本です。そのため、プランを新しく作成したり見直した際に、短期目標をより具体的にして変化を捉えやすい形で作成しておくと、そのままモニタリングの項目とすることができます。
例えば、長期目標が「行動範囲を広げる」、短期目標が「トイレまで自分で行く」とか「食事を家族と一緒の部屋でする」などとなっていれば、これらを実現できたかどうかが、モニタリングの第一の確認すべきポイントとなります。そして次のポイントは、結果をもたらした要因の確認となります。つまりできたとすれば、プランの内容が良かったからなのか、本人の機能が向上したからなのか、あるいは他者の努力の結果なのかを見極めるということです。目標が達成できていたとしても、その要因によっては、プランの内容を見直したり、あるいは目標そのものを検討しなければならないので、この見極めは重要です。
次に、第二の形(プランの変更もなく状態も安定しているとき)の場合には、どんな点をモニタリングするのでしょうか? これは最も専門性を問われるものとも言えます。すなわち、現在の安定した状態に変化が起こるとすればどのようなことなのかを予測し、その変化を見逃さないための準備をしておくということです。変化には、望ましいものとそうでないものがあります。私たちケアマネジャーは、どうも問題を発見することは得意ですが、望ましい変化を見つけるのは苦手な傾向があるように思います。だからこそ、利用者と一緒に、プランに沿って好ましい変化を予測しておき、なるべく小さなゴールを具体的にたくさん示しましょう。そうすれば成功体験が多くなって自己肯定感につながり、一緒に喜ぶチャンスも増えますよ!
一方、望ましくない変化に関する予測については利用者との共有は避け、サービス事業者と一緒に拾い上げておくことをお勧めします。そうすれば変化が小さな内に連絡をもらえることに繋がり、早めに対応することが可能になるからです。つまりこの段階のモニタリングの大きなポイントは、予測に添った変化の有無ということになります。
さて、では第三の形(サービスの利用がない(していない)とき)のモニタリングとはどんなことを指しているのでしょうか。かかわりも疎遠になりがちで、更新の時期でもないと存在自体が頭の隅っこに取り残されたままになっていることもありますよね。定期的に訪問するのが理想的ですが、現実としてそうもいかないことも多いでしょう。モニタリングの時期は更新時でも構いませんから、事前にこの方に起こりうる変化を予測し、その変化に対応できる用意をしておくことが大事です。簡単に言えば、出番になってから慌てないようにしっかり準備をしておく、ということです。ですから、ケアマネにどんな出番があるのかを考えることがモニタリング項目といえるかもしれませんね。
ここまで述べてきたように、モニタリングは単にケアプランの効果測定や利用者・家族の満足度を確かめるのみならず、ケアプランを見直すためのアセスメントそのものだと私は考えています。ケアマネジャーが行うケアマネジメントとは、介護保険の利用によって利用者に最大の効果をもたらすことを求めるものです。「今」の満足あるいは充足だけではダメなのです。将来を見据え、利用者の自立を目指していくものです。そのために欠かせないのがモニタリング。ポイントを踏まえてしっかり実践していきましょう。