大変さばかり強調されることの多いケアマネジャーの仕事。でも、そのなかには、大変さ以上の魅力がつまっています。「難しい……」を「面白い!」に変えるヒントを一緒に探していきましょう。
第11回 こんなことしていませんか?(4)「同意を得ていたはずなのに……」
今回は、皆さんの仕事のヒントとして、私の失敗談をお話したいと思います。
介護保険の怒濤のスタートから少し過ぎ、ちょっと余裕も出てきた平成12年の秋、ちょうど今頃のことでした。新しく認定がおりた利用者のアセスメントも終わり、ケアプランに沿ってサービスを開始した直後、サービス事業所から1本の電話がありました。
「○○さんに、今日ヘルパーが来るなんて知らなかったと言われてしまいました。利用日のことは、ちゃんと説明してくださいましたよね?」。──利用者には居宅サービス計画書も利用票もお渡ししてあり、その日はヘルパーさんが行くことになっているということも説明したつもりでした。
なぜ、こんなことが起きてしまったのか? 一つには、早口という私の話し方の癖でした。初めてお話しする際には、気をつけてゆっくりと話すようにしていましたが、慣れてくるといつもの早口になってしまいがちです。そのため、サービスに関する説明のなかでいつから開始になるのか、理解できていなかった(聞き漏らした)ようです。
もう一つの理由は、少し慣れてきた頃という時期にあったと思います。ケアマネジャーという全く初めての仕事に対して緊張して取り組んでいたのが少し余裕も出てきて、手順や段取りがわかってきたために、相手の方もわかっているように錯覚してしまったのです。「説明した」だけで終わってしまい、「理解できたか確認する」ことをおろそかにしていたのです。
振り返って考えてみると、この利用者が同意してくださったのは私が提示したプラン全体に対してであって、利用票の中身すなわちサービスがいつからどのように提供されるかに関しては、同意なさっていなかったのです。いえ、同意する機会もなかったのです。介護保険の利用という初めての体験のなか、たくさんの書類を渡されて署名を求められ、何がなんだかわからないなかで、他人が家にやってきたという思いだったのだろうなと、今になってわかります。
私たちの仕事は初めが肝心です。充分に時間をかけ、利用者・家族に配慮をしながら説明をしてください。そして、ご理解いただけたか、自己決定したうえの同意であるかを見極めていただきたいと思います。皆さんは、くれぐれも私の失敗の轍を踏みませんように……。
介護保険の怒濤のスタートから少し過ぎ、ちょっと余裕も出てきた平成12年の秋、ちょうど今頃のことでした。新しく認定がおりた利用者のアセスメントも終わり、ケアプランに沿ってサービスを開始した直後、サービス事業所から1本の電話がありました。
「○○さんに、今日ヘルパーが来るなんて知らなかったと言われてしまいました。利用日のことは、ちゃんと説明してくださいましたよね?」。──利用者には居宅サービス計画書も利用票もお渡ししてあり、その日はヘルパーさんが行くことになっているということも説明したつもりでした。
なぜ、こんなことが起きてしまったのか? 一つには、早口という私の話し方の癖でした。初めてお話しする際には、気をつけてゆっくりと話すようにしていましたが、慣れてくるといつもの早口になってしまいがちです。そのため、サービスに関する説明のなかでいつから開始になるのか、理解できていなかった(聞き漏らした)ようです。
もう一つの理由は、少し慣れてきた頃という時期にあったと思います。ケアマネジャーという全く初めての仕事に対して緊張して取り組んでいたのが少し余裕も出てきて、手順や段取りがわかってきたために、相手の方もわかっているように錯覚してしまったのです。「説明した」だけで終わってしまい、「理解できたか確認する」ことをおろそかにしていたのです。
振り返って考えてみると、この利用者が同意してくださったのは私が提示したプラン全体に対してであって、利用票の中身すなわちサービスがいつからどのように提供されるかに関しては、同意なさっていなかったのです。いえ、同意する機会もなかったのです。介護保険の利用という初めての体験のなか、たくさんの書類を渡されて署名を求められ、何がなんだかわからないなかで、他人が家にやってきたという思いだったのだろうなと、今になってわかります。
私たちの仕事は初めが肝心です。充分に時間をかけ、利用者・家族に配慮をしながら説明をしてください。そして、ご理解いただけたか、自己決定したうえの同意であるかを見極めていただきたいと思います。皆さんは、くれぐれも私の失敗の轍を踏みませんように……。