大変さばかり強調されることの多いケアマネジャーの仕事。でも、そのなかには、大変さ以上の魅力がつまっています。「難しい……」を「面白い!」に変えるヒントを一緒に探していきましょう。
第6回 聴いていますか、相手の言葉を?
今回はちょっと視点を変えたお話をしてみたいと思います。私たちの仕事は、相手の方のお話を「きく」ことが基本です。でも、ちゃんと「きけているか」、ここを点検してみましょう。
皆さんが「聞いている」ことはわかっています。しかし、「聴いて」いますか? この「聞く」と「聴く」の違いを意識したことはありますか?
私たちは、たくさんの話を伺いながらさまざまな情報を集め、利用者や家族のことを第一に考え、仕事をしています。それなのに、なかなか提案を受け入れてもらえなかったり、希望に添ったプランのはずなのに利用していただけなかったりすることがあります。
実はこんな時には、「聞いた」話を元に作ったプランであったために、利用者・家族の言えなかった思いや事情を考慮されていなかった場合があります。えっ、どういうことかって? 例えば、デイサービスの利用を勧めた場合。本当は他人のなかにいると気疲れしてしまう利用者であれば、どんなところなのか、また誰がいるのか分からずに不安を感じても不思議ではありません。でも、自分のことを思って熱心に勧めてくれるケアマネに遠慮して、本音(不安や漠然とした思い)を伝えられない──こんなことはありそうでしょう?
では、どうしたら本音を「聴く」ことができるのでしょう。実は、手がかりがちゃんとあるんです。私たちがそのことを知っていて、注意を払うことができれば、「聴ける」ようになりますよ。
もったいぶってないで早く教えてって? ちょっと待ってくださいね。なぜ、利用者や家族が初めから本音を話さないのかを考えておきたいのです。話さないこともありますが、話せない場合もあるということを、覚えておいてほしいのです。
皆さんもこんな体験したことはありませんか? 初めての人に会うと緊張して、思っていることをうまく伝えられなかった。ある特定の人の前だといつもの自分が出しにくい。心配事やつらいことがあると話をしたくなくなる。うまく伝わらなかったり聴いてもらえていないと感じると、どうせ分かってもらえないだろうと思ってしまう。
ケアマネジャーである前に私たちも一人の人間ですから、きっとこうした体験をおもちのことと思います。それを手掛かりにしてほしいのです。言葉にしていることが全てではないということを、どうぞ忘れないでください。
「聴く」ために必要なことは、まず相手の表情や、声の調子にも注意を払うことです。それが話の内容にマッチしていれば本音だと判断できます。しかし、違和感を感じたらそこで立ち止まり、再度丁寧に説明したり、あるいは質問したりと、その違和感の正体を確認するという作業が大切です。
こうした小さな違和感をキャッチし、確認していくことにはある程度の経験が必要なことでしょう。でも、もし話がしっかりときけなかったとしても、皆さんが相手の方に敬意を払い耳を傾けていれば、その姿勢は相手に伝わります。「聴く」ことは信頼につながるものなのです。
皆さんが「聞いている」ことはわかっています。しかし、「聴いて」いますか? この「聞く」と「聴く」の違いを意識したことはありますか?
私たちは、たくさんの話を伺いながらさまざまな情報を集め、利用者や家族のことを第一に考え、仕事をしています。それなのに、なかなか提案を受け入れてもらえなかったり、希望に添ったプランのはずなのに利用していただけなかったりすることがあります。
実はこんな時には、「聞いた」話を元に作ったプランであったために、利用者・家族の言えなかった思いや事情を考慮されていなかった場合があります。えっ、どういうことかって? 例えば、デイサービスの利用を勧めた場合。本当は他人のなかにいると気疲れしてしまう利用者であれば、どんなところなのか、また誰がいるのか分からずに不安を感じても不思議ではありません。でも、自分のことを思って熱心に勧めてくれるケアマネに遠慮して、本音(不安や漠然とした思い)を伝えられない──こんなことはありそうでしょう?
では、どうしたら本音を「聴く」ことができるのでしょう。実は、手がかりがちゃんとあるんです。私たちがそのことを知っていて、注意を払うことができれば、「聴ける」ようになりますよ。
もったいぶってないで早く教えてって? ちょっと待ってくださいね。なぜ、利用者や家族が初めから本音を話さないのかを考えておきたいのです。話さないこともありますが、話せない場合もあるということを、覚えておいてほしいのです。
皆さんもこんな体験したことはありませんか? 初めての人に会うと緊張して、思っていることをうまく伝えられなかった。ある特定の人の前だといつもの自分が出しにくい。心配事やつらいことがあると話をしたくなくなる。うまく伝わらなかったり聴いてもらえていないと感じると、どうせ分かってもらえないだろうと思ってしまう。
ケアマネジャーである前に私たちも一人の人間ですから、きっとこうした体験をおもちのことと思います。それを手掛かりにしてほしいのです。言葉にしていることが全てではないということを、どうぞ忘れないでください。
「聴く」ために必要なことは、まず相手の表情や、声の調子にも注意を払うことです。それが話の内容にマッチしていれば本音だと判断できます。しかし、違和感を感じたらそこで立ち止まり、再度丁寧に説明したり、あるいは質問したりと、その違和感の正体を確認するという作業が大切です。
こうした小さな違和感をキャッチし、確認していくことにはある程度の経験が必要なことでしょう。でも、もし話がしっかりときけなかったとしても、皆さんが相手の方に敬意を払い耳を傾けていれば、その姿勢は相手に伝わります。「聴く」ことは信頼につながるものなのです。