受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱
おすすめの理由
昨年の秋頃、某サイトのトップニュースで、「障害者の性」問題の解決に取り組む団体の活動と勉強会の告知が紹介されていたのを目にしました。衝撃的な内容でしたが、当時の私は大学のレポートや国家試験の勉強、それに加えて趣味の旅行などでバタバタしていたため、その勉強会にも参加せず、いちニュースとして忘れてさっていました。その後、社会福祉士にも無事に合格し、就職先も決まり、新しい環境がスタートしました。少しずつ慣れはじめたころ、本屋さんでインパクトのあるタイトルが目につき手にしてみたところ、昨年ニュースで紹介されていた前述の団体の代表が書いた書籍でした。早速、購入して読んでみることにしました。
書籍のなかでは、介護福祉の世界における「セクシュアル・リテラシーの普及」や「ベーシック・セックス社会の実現」など、難しい提言がしめされており、頭をかかえてしまいました。しかし、「『障害者の性』問題がこれからのあなたの問題」と著者はうったえており、私たちの問題なのだと強く感じました。
著者やこの団体がしていることは、「良いのか、悪いのか」答えをだすのは難しいと思いますが、これから社会福祉士という一専門職として、また福祉の世界で働く一人として、そして人として、「性の問題」をしっかりと考えていかなくてはならないのだと感じました。
これらのことは、学校のテキストや参考書には載っていませんが、大切な問題であると思います。試験勉強やお仕事などで忙しいと思いますが、私たちが考えていかなければならない大切な問題を、本書を通じて考えてみるのもよいのではないでしょうか。
(aroさん・社会福祉士)