受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
盲導犬クイールの一生
おすすめの理由
この本は、盲導犬クイールの生涯を物語る感動の記録です。盲導犬は、1978年の道路交通法の改正を機に実体規定が定められ、道路通行上も保護を受けています。また、昨年5月に成立10周年を迎えた身体障害者補助犬法に基づいて、介助犬や聴導犬とともに補助犬として認定されています。特別な訓練をうけ、公共施設や交通機関、飲食店などの生活の場に盲導犬を同伴することができます。実稼働数は全国で1,043頭(平成25年2月現在、厚生労働省調べ)に及び、介助犬や聴導犬よりも多くなっています。
また、この本は映画やドラマにもなり、『クイールへの手紙』(文芸春秋、2003年)などクイールや盲導犬に関する書籍も多数でています。これらをきかっけに、盲導犬が肯定的に社会に受け入れられ、自分の歩行手段に使用してみようと考える方も増えているようです。
しかし、まだまだ盲導犬などの補助犬を同伴する障害者の受け入れ拒否や、補助犬の育成の問題はあります。これらの問題に対し、補助犬をどうするかというところに目が向けられがちですが、障害者に対する社会的理解の問題にも目を向けていかなくてはならないと思います。この本を通じて、このような動きや問題を知り、目を向けるようになりました。
これから試験勉強が本格的に始まると、テキストや試験対策書籍を手にする機会が増え、理解しないまま暗記をしてしまうことが多々あると思います。しかし、クイールから補助犬を知るように、書籍を通じて、様々なサービスや制度、そこに携わる多くの人について知ることができるので、こういう学習の仕方もおすすめです。
(クロちゃん、社会福祉協議会)