受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
人生で大切なことはすべて自衛隊が教えてくれた
おすすめの理由
「自衛隊」と聞いて、みなさんはどのような印象、感想をお持ちでしょうか?福祉の現場に従事する私たちにはほど遠い、対極に位置する存在と考える人もいるかもしれません。また、憲法上の制約からか軍隊のようなもの、いや軍隊とは全くの別物と、その考え方は千差万別でしょう。しかしながら、自分の住む地域を見渡して下さい。各県には必ず自衛隊の関連機関があり、いざという時には、災害派遣など身近で国民の救援・救済に当たってくれています。
黙々と任務をこなす姿勢や統率力・使命感はいったいどこから出てくるのか? 社会的弱者を支援するということは、福祉従事者にも相通じるものがあると思います。また、自衛官になるコースも多岐に渡っています。
この本では、高卒等一般の陸上自衛隊員が隊内の教育で自衛官としての自覚を徐々に持っていく過程が、その場その場の詳細な記述により事細かに書かれています。世界的に評価の高い自衛隊の存在理由がこの一冊に凝縮されているように感じます。指揮命令系統の一元化、識字率100%、使命感の共有等このような組織は世界に類をみないでしょう。
昨今の福祉現場では、従事者の権利意識ばかりが先走りして表裏一体の存在である義務感が薄れているようにも感じます。利用者の権利擁護を目指すのは、私たちの義務ではないでしょうか。
(川崎 一成さん・サービス管理責任者)